こんにちは、インテク事務局です。
株式投資をする上で売買の判断をするときの手法として、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の2つがあります。
言葉として聞いたことがあっても、実際どのようなものなのか、またどちらの方が初心者にとって使いやすいのかなど気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、本記事ではテクニカル分析とファンダメンタルズ分析がそれぞれどのような分析手法なのかや、メリット・デメリットについて徹底解説していきます。
この記事でわかること
- テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析の分析方法
- テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析のメリット・デメリット
テクニカル分析とは?
テクニカル分析とは、株価チャートを「テクニカル指標」と呼ばれる指標を用いて分析する手法のことです。
テクニカル指標を活用して株価チャートを見ることにより、一定の法則性を見出すことができ、確率の高いトレードをすることが可能なので、多くのトレーダーに活用されている分析手法です。
当サイトの監修者でもある株歴36年以上のプロトレーダー「相場師朗(あいばしろう)」先生もこのテクニカル分析の手法を応用して、再現性の高いトレードを実現しています。
テクニカル分析で活用する代表的なテクニカル指標として、以下のものが挙げられます。
ローソク足
ローソク足は、テクニカル指標において基本となる指標です。
ローソク足を見ることで株価の動きを瞬時に読み取ることができます。
移動平均線
移動平均線とは、ある期間の株価の平均を計算して出た値を線で繋いだものです。
移動平均線にはトレーダーの心理状態が秘められているので、そこから株価が上がりやすいのか・下がりやすいのかを判別することができます。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、株価の平均からどれくらい値動きにバラつきがあるのかを標準偏差を用いて算出したものです。
株価の上限と下限(株価が収まるであろう)値幅が分かりやすく表示されています。
RSI
RSIは、一定期間の株価の値上がり幅と値下がり幅から“値動きの強さ”を数値で表したものです。
対象の株が、買われ過ぎなのか・売られ過ぎなのかを判断することができます。
MACD
MACDは、短期移動平均線と中長期移動平均線の2本の線の推移を見る指標です。
相場の強さから買いサイン・売りサインを読み取ることができます。
ストキャスティクス
ストキャスティクスは、現在の株価と一定期間の高値と安値を比較して算出される2本の線からなる指標です。
対象の株が、買われ過ぎなのか・売られ過ぎなのかを判断することができます。
一目均衡表
一目均衡表は日本生まれの指標で、5本の線と雲(先行スパン1・先行スパン2という2本の線に囲まれた部分)からなる指標です。
それぞれの線や雲の位置関係から相場の動きを予測することができます。
以上が代表的なテクニカル指標のいくつかですが、初心者の方が全ての指標を活用してトレードをすることは難しいでしょう。
また、指標が多すぎると株価チャートが見にくく感じることもあるので、指標全てを活用するのが必ずしもよいというわけでもありません。
相場先生の手法は主にローソク足と移動平均線を活用して、初心者でも活用しやすいようになっています。
テクニカル分析のメリット・デメリット
ではこれまで説明してきたテクニカル分析には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
テクニカル分析のメリット
- 株価の動きを視覚的に理解できる
- 経済(景気・ニュース)に関する知識が深くなくても問題ない
- 分析力を向上させて精密に分析することで、予測精度が高まる
テクニカル分析のデメリット
- 必ずしも分析通りにマーケットが動くとは限らない
- 決算など、突発的な出来事には対応が難しい
- 指標が多くて初心者はどれを使えばいいかわかりにくい
このように、テクニカル分析はチャートとテクニカル分析の知識さえあれば、利益を狙うことができます。
チャートの分析をすることで株価の値動きやトレンド(上昇しているのか下落しているのか)の把握や予測が視覚的に可能なのです。
しかし、テクニカル指標は過去のデータから導き出されたものなので、必ずしもその通りに相場が動くとは限らず、突発的な事象には対応が難しいので注意が必要です。
ファンダメンタルズ分析とは?
ファンダメンタルズ分析とは、企業の財務状況や業績から企業の本質的な価値を分析する手法のことです。
企業の本質的な価値に対して現在の株価が割安・割高なのかどうかや、企業に将来の成長見込みがあるかどうかを判断してその企業の株を買うかどうかを決定します。
ファンダメンタルズ分析に必要な指標は以下のものが挙げられます。
企業価値をはかる
- 安定性…自己資本比率・流動比率・手元流動性・キャッシュフローなど
- 成長性…EPSの変化・キャッシュフローなど
特にEPSは、1株あたりどれだけの利益が出ているかを示す指標なのでEPSが上昇傾向にある企業は成長見込みがあると判断されやすいようです。
- 収益性…売上高比率・ROE・ROAなど
また、ROEは株主から預かったお金からどれだけの利益が出ているかを示す指標なのでROEが高い企業は効率が良い経営ができているとされています。
日本の株式市場にも影響力の大きい海外のトレーダーは、ROEが高い銘柄を好む傾向があるようです。
割安感を判断する
- PBR…一般的には1倍以下であると割安
- PER…一般的には15倍以下であると割安
- PCFR…PERの補完指標
- 理論株価…計算方法はさまざま
PBR・PERはどちらも割安感を判断する指標ですが、これらの指標は株価が下落することで低くなるので注意が必要です。
財務諸表を使う
- 貸借対照表…自己資本比率・流動比率・手元流動性・有利子負債依存度
貸借対照表は、企業財務の健全性・経営の安定性を把握することができる決算書です。
借金に頼りすぎていないか・返す余裕があるのかどうか、すぐ換金できる資産がどれくらい手元にあるかなどが分かります。
- 損益計算書…売上高利益(総利益、営業利益、経常利益)率・ROE・ROA
損益計算書は、企業が得た利益や利益を得るために発生した費用を把握することができる決算書です。
企業の収益性の高さや利益を得る効率の良さなどが分かります。
- キャッシュフロー(CF)計算書…営業CF・投資CF・財務CF
キャッシュフロー計算書は、実際のお金の流れが把握できる決算書です。
資金繰りの様子や設備投資の積極性、借金をどれくらいしているかなどが分かります。
ファンダメンタルズ分析のメリット・デメリット
ではこれまで説明してきたファンダメンタルズ分析には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
- 決算日など事前に価格変動が起きそうなタイミングを把握できる
- 中長期でのリスクを把握しやすい
- 短期的な株価の変動に翻弄されることが少ない
デメリット
- 分析に時間がかかり、全てが正確な情報とも限らない
- 業績が良くても株価が上がるとは限らない
- 分析に必要な情報を知るまでにタイムラグが生じる
ファンダメンタルズ分析はなかなか変動しない企業の本質的な価値を分析しているので、短期的な株価変動に翻弄されにくいと言えます。
しかし、分析には莫大な情報が必要になり、その情報がすぐに手に入れられるとも限らず全ての情報を事細かに分析するのは株初心者にはとても難しく、情報の上流にいることができない方にとっては大きなハンデがあることを覚えておきましょう。
まとめ
- テクニカル分析は、初心者でも取り入れやすいがどの指標を使うかの取捨選択が大事
- ファンダメンタルズ分析は、企業の財務状況や業績を見て企業の本質的な価値を分析する
- ファンダメンタルズ分析は、分析に必要な情報をすぐに得ることは情報工程の上流にいないと難しい
本記事では、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析のそれぞれの手法とメリット・デメリットを解説しました。
それぞれまったくスタイルの違う分析方法で、一長一短あると言えるでしょう。
ファンダメンタルズ分析では上記で紹介したように、情報に優位性がないとしっかり分析をして儲けることができません。
全ての情報を網羅した上で、適切な判断をすることはハードルが高いと感じることもあるでしょう。
株式投資初心者の方はテクニカル分析で株式市場を分析すると、ほかのトレーダーと情報において平等になるので、テクニカル分析の知識しっかりと覚えていくことをおすすめします。
当サイトの監修者である株歴36年以上のプロトレーダー「相場師朗(あいばしろう)」先生は、テクニカル分析の手法をもとに株初心者でも再現しやすいようにシンプルで再現性のある手法を構築しています。
相場先生の場合は、ローソク足と移動平均線の向きなどをもとに、トレードを行います。
比較的シンプルで、初心者の方でも取り入れやすい手法を構築しています。
相場先生の株技術にご興味がある方は、相場師朗直伝「株の技術」の記事もご覧になってみてください。