靴磨きが株に関心を持ち始めたら天井に近い?「靴磨きの少年」の話を解説

いきなりですが「靴磨きの少年」の話を聞いたことはあるでしょうか。

この話は、株式投資の世界において、市場の天井や暴落を知ることができる話として有名です。

話の内容を知らない人からすれば、靴磨き屋と株式投資にどのような関連があるのか全く想像がつかないでしょう。

ただしこの靴磨きの少年の話は、作り話なのか事実なのか本当のところはよく分からないままです。

そのため、話を完全に信用するのではなく、比喩として話の内容を理解することが大切です。

そこで今回は、「靴磨きの少年」の話や比喩とされる内容を、どのように理解すれば良いのかを紹介します。

この記事でわかること

  • 靴磨きの少年の話について
  • 靴磨きの少年と似た話について
  • 靴磨きの少年の比喩をどのように理解すれば良いのか

相場格言「天井三日 底百日」とは

目次

靴磨きの少年が、株に関心を持ちはじめたら天井に近い?

「靴磨きの少年」は株式市場の株価が、天井に近い状態を知らせる話として有名です。

話の内容としては、ジョセフ・P・ケネディ氏(米国大統領ジョン・F・ケネディの父親)が、靴磨きの少年に靴を磨いてもらった後、靴磨きの少年から「〇〇の株は上がるよ」「〇〇買えば儲かるよ」と言った話を聞き、保有している銘柄を売却したことで、大恐慌の始まりである「暗黒の木曜日」を避けることができたというものです。

この話で肝心な部分は2点あります

ひとつは、なぜケネディ氏は靴磨きの少年から話を聞いただけで株の売却を決めたのか。

ふたつめは、なぜ市場の大暴落を見事に避けることができたのか、です。

多くの人は、靴磨きの少年から話を聞いただけでは、”子どもが株式投資の話をするくらい世間は盛り上がっている”としか思わないでしょう。

しかし、ケネディ氏は「靴磨きの少年が株式投資の話をしたこと」から、株式市場の天井を察知することができたのです。

市場が暴落する前のサインとして有名な比喩

1920年代の靴磨きの少年と言えば、稼ぎは少なく、株式投資を行うほどの資金は持っていないはずです。

それなのに株式投資の話を持ち出し、儲かるという観点しか見えていないことにケネディ氏は気づき「こんな少年までもが株を買えば儲かると思っているのであれば、ここから株価は下がるに違ない」と予測しました。

その結果として、大暴落を避けることができたそうです。

この話は、市場の天井や暴落する前のサインとして有名な比喩です。

ポイントは、金融情報の最先端であるウォール街のサラリーマンやトレーダーの話ではなく、最後に情報が伝わる子どもの話、という点です。

投資を行えるほどの資金や知識を持っているはずのない人、しかも少年が株式投資の話をし出した、という点が重要になります。

もしかすると靴磨きの利益から株を保有し、利益が出ていたのかもしれません。

ですが、それよりも常連客達の「株は儲かる」という世間話の受け売りである可能性が高く、株を買えば儲かるという視点しか見ていないことがわかります。

さらに常連客達の間で流行った話が伝わった後なので、この後に大口の投資家たちが株を買うはずがないと予測することもできるでしょう。

以上のことから、投資とは程遠い存在である靴磨きの少年が株式投資の話をしたことにより、このように予測することができます。

「市場はすでに過熱状態にあり、これ以降株を買う人はあまり出てこないどころか、先行投資を行った人たちが売りに来るだろうと予測することができる」

作り話か実話か分かりませんが、ケネディ氏の頭の回転の良さも際立つ話です。

靴磨きの少年と似たネタ話は他にも存在する

靴磨きの少年のような話は、他にも存在します。

靴磨きの少年を含め、こういった話は事実でもありネタ話でもあると紹介されることが多いのですが、歴史的に見ても株式市場が盛り上がりを見せた後に急落や暴落がやってくることが多いのは事実です。

そのため、ネタ話として捉えつつも投資の参考にしてみるのは良いかもしれません。

ここからは実際、他の似た話や参考にする際のポイントを紹介していきます。

株価の天井や暴落を知ることができるネタ話

靴磨きの少年と似た意味で使われる話として、「主婦やタクシー運転手が、株や投資の話をし始めると天井になる」というものがあります。

どちらも、普段から投資に興味が無い人たちが株の話をし出すことから、市場の盛り上がりが末端まで広がったということで、天井を予測することができるのです。

さらに主婦やタクシー運転手に株は儲かると話をするのは、主婦仲間やタクシーの乗客以外に、メディアによる影響というものもあります。

普段は株に興味が無い人たちにまで、”株は儲かる”という認識が広がれば、メディアに投資関連の広告を出している側は売り上げを期待することができます。

つまり広告主のために、すでに過熱感がある状態だとしても「株は楽に儲かる」といった話題を、メディアが取り上げるのです。

そういった裏があることから、主婦やタクシー運転手が株の話をすると、天井が近いと知ることができるのです。

ネタ話でも、参考にしてみるのは1つの手段

ここまで紹介をしてきた靴磨きの少年などの話は、基本的には作り話であるとされることが多いです。

テクニカル分析のように根拠があるわけではなく、作られたように上手くいく話であるためです。

しかし、歴史的な株価暴落前には、作り話同様の状況が見られるのは事実です。

このことから、似たような話が多く存在するのは、歴史は繰り返しているということでもあります。

株式投資以外でも、不景気には「楽に儲かる話」や「必ず成り上がれる方法」というのが本やネットで出回ります。

ここまでお伝えしてきた通り、作り話を完全に信用するのは危険です。

自分でチャートを確認し分析することで、「天井に近いのか」「いや、まだ株価は上昇する」のかを予測してください。

そのためには、しっかりと情報収集をしながら、株の技術を磨いてテクニカル分析を行えるようになっておく必要があります。

テクニカル分析についてはテクニカル分析とファンダメンタルズ分析とは?それぞれのメリット・デメリットを解説しますを参考にしてみてください。

まとめ

  • 靴磨きの少年の話は、株式市場の天井を予測できる話
  • 靴磨きの少年と似た話で、主婦やタクシー運転手の話がある
  • 投資とは遠い存在である靴磨きの少年が、投資に興味を持てば市場は過熱感があると知れる

いかがでしたでしょうか。

こういった靴磨きの少年の話も、役に立つとは限らないのですが知っておいて損はないかと思います。

直接的に役には立たないかもしれませんが、現在の市場環境を分析するための材料にはなるはずです。

しかし忘れてはならないのが、あくまでもチャートをきちんと見ることができる「技術」を持っていることが前提となる点です。

そのためにも、まずは当サイトの他記事や、株塾で株の技術をしっかりと学んでいきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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