「個別株を買うときは、NISA口座と特定口座のどちらで投資すべきなんだろう?」と悩んでいませんか?
個別株投資をはじめたばかりの方で、NISA口座と特定口座の違いがわからず、どちらを選べばよいのかわからないという方が多いようです。
そこで今回は、NISA口座と特定口座それぞれの特徴について解説します。
本記事を読むと、初心者の方でもNISA口座と特定口座の違いを理解し、個別株投資の際に自分のスタイルに合った口座選択ができるようになります。
ぜひ本記事の内容を参考に、ご自身に合う最適な投資口座を選んでみてください。
NISA口座と特定口座の違い
投資をする際に、NISA口座と特定口座のどちらで運用するかを、迷う初心者の方が多いようです。
そこで本章では、NISA口座と特定口座の違いについて解説します。
それぞれの口座でできることとできないこと
NISA口座の最大のメリットは、年間投資枠内であれば投資利益に一切税金がかからないことです。
通常の投資では、利益に約20%の税金(所得税15%+住民税5%)が課税されますが、NISA口座で運用すると非課税のため、利益がすべて手残りとなります。
ただし、投資で損失が出た場合は、損益通算や繰越控除といった税制上の救済措置を利用できません。
一方、特定口座では利益に約20%の税金が課税されるものの、損失が発生した際には他の投資商品の利益と相殺する損益通算が可能です。
また、年間の損失を翌年以降3年間繰り越して将来の利益と相殺できる繰越控除も利用できます。
そのため、NISA口座は利益が見込める可能性が高い長期投資に、特定口座は短期売買や損失リスクがある投資に向いています。
積立NISAとは違う?初心者が知るべき「つみたて投資枠」の基礎知識
同じ利益でも手残りが変わる
投資で同じ金額の利益が出ても、NISA口座と特定口座では最終的な手残り金額に大きな差が生まれます。
NISA口座では税金による目減りがなく、利益額がそのまま残るからです。
たとえば、100万円の利益が出た場合、NISA口座なら100万円がそのまま手残りになります。
しかし特定口座では約20万円の税金が差し引かれるため、実際の手残りは約80万円です。
このように、選ぶ口座によって手残り金額に大きな差が生まれます。
NISAで個別株を買う前に知っておくべきルール
NISAで個別株を買う前に知っておきたいルールは、以下のとおりです。
- 個別株は主に成長投資枠
- 損益通算ができない
- 繰越控除が受けられない
それぞれ解説します。
個別株は主に成長投資枠
NISA制度には、つみたて投資枠(年間120万円まで)と成長投資枠(年間240万円まで)の2種類があります。
つみたて投資枠では、金融庁が選定した投資信託とETF(上場投資信託)のみ購入可能です。
成長投資枠は投資信託やETFに加え、個別株やREIT(不動産投資信託)にも投資できます。
そのため、NISAで個別株投資を行う場合は、年間240万円の成長投資枠の範囲内で計画的に投資しなければならず、高額な株式を購入する際は注意が必要です。
たとえば1株50万円の株式を5銘柄購入すると、それだけで年間投資枠を使い切ってしまいます。
そのため、NISAで個別株を購入する際は、投資したい銘柄の株価と投資枠のバランスを事前に計算しておくのが大切です。
損益通算ができない
NISA口座では投資で損失が出ても、他の投資商品の利益と相殺する損益通算ができません。
たとえば、通常の課税口座(特定口座や一般口座)では、A口座で100万円の利益が出てB口座で50万円の損失が出
た場合、A口座とB口座の損益を合算した50万円の利益に対してのみ課税されます。
しかし、NISA口座で損失を出しても、他の口座で発生した利益と相殺できません。
つまり、NISA口座での損失は税制上全く活用できないため、値下がりリスクの高い銘柄や投機的な投資はNISA口座ではなく特定口座で行うのを検討すべきだといえます。
安定性を重視した長期投資こそが、NISA口座の真価を発揮できる投資スタイルといえます。
繰越控除が受けられない
NISA口座で発生した損失は、繰越控除の対象になりません。
特定口座では、年間の投資損失を翌年以降3年間繰り越して、将来発生する投資利益と相殺できる繰越控除という制度があります。
たとえば、今年100万円の損失が出て翌年80万円の利益が出た場合、特定口座なら翌年の利益は課税対象にならず税金はゼロになります。
しかしNISA口座の損失は繰越控除が適用されないため、損失リスクの高い投資には不向きです。
この制度の違いを理解せずにNISA口座でリスクの高い投資を行うと、損失が出たときに税制上のメリットを一切受けられず、投資効率が大幅に悪化してしまいます。
そのため、NISA口座は「利益が出ることを前提とした投資」に特化した制度であると理解しておくことが重要です。
新NISA(ニーサ)とは? 従来NISAとの違いから始め方まで徹底解説
特定口座について
特定口座は源泉徴収の有無によって2つのタイプに分かれており、それぞれ異なる特徴があります。
本章では、特定口座の源泉徴収ありとなしそれぞれの仕組みについて深掘りします。
源泉徴収あり
源泉徴収ありの特定口座では、証券会社が投資家に代わって自動的に税金を計算し、納税手続きを代行してくれます。
この仕組みにより、投資家自身で面倒な確定申告を行う必要がないため、税務手続きの負担を大幅に軽減できます。
投資家にとってのメリットは、税務手続きを意識せずに投資に専念できることです。
利益が出ても損失が出ても、証券会社が適切に税務処理を行ってくれるため、年末調整や確定申告の時期に慌てることがありません。
ただし、他の口座との損益通算や繰越控除を活用したしたい場合は確定申告が必要です。
源泉徴収なし
源泉徴収なしの特定口座では、証券会社が年間取引報告書を作成してくれますが、税金の徴収は行いません。
投資家自身で確定申告を行い、所得税と住民税を納める必要があります。
手間はかかりますが、状況によっては税負担を抑えられる可能性があります。
たとえば、他の投資で損失が出ている場合だと、利益と損失を相殺して税負担を軽減することが可能です。
このように、源泉徴収なし口座を選択することにより税務上のメリットを享受できる場合があります。
新NISAのデメリットとは?失敗しないために知っておきたい賢い活用法
期待する投資結果や状況で比較:個別株をNISA口座で買う/特定口座で買う
用語の説明だけでは「わかった気がするけど決められない」といった状況になりがちです。
そこで本章では、ケース別に比べたあと具体的な数字をみて体感してみましょう。
比較の軸は「利益」「損」「枠の使い方」
NISA口座と特定口座の選択は、想定される投資結果に応じて判断するのもおすすめです。
利益が出た場合の税制メリット、損失が出た場合の取扱い、投資枠の制約という3つの軸で比較すると、ご自身に最適な口座選択ができるでしょう。
利益を重視する長期投資なら、非課税メリットの大きいNISA口座が圧倒的に有利です。
一方、損失リスクを考慮した投資や頻繁な売買を行う場合は、損益通算や繰越控除ができる特定口座が適しています。
また、NISAの年間投資枠(成長投資枠240万円)を超える規模が大きな投資を行う場合は、必然的に特定口座との併用が必要になります。
投資資金が潤沢にある場合は、NISA口座を優先的に活用しつつ、超過分は特定口座で運用するという使い分けが効果的です。
このように、個々の投資方針や資金状況に応じて口座を使い分けると、税制上有利な投資環境を構築できます。
具体的な2パターンで体感する(利益+配当/損失)
本節では、具体的な2つのパターンでのNISA口座と特定口座の違いをみていきます。
パターンA:利益+配当が出た
100万円投資して150万円で売却し、年間配当3万円を受け取った場合の比較をしてみましょう。
この場合、売却益50万円と配当3万円で合計53万円の投資収益が発生します。
NISA口座では、売却益50万円と配当3万円の計53万円が全額非課税となり、投資元本100万円と合わせて手残りは153万円です。
税金による目減りが一切ないため、投資成果をフルに享受することが可能です。
特定口座では、売却益と配当の合計53万円に約20%の税金がかかり、約10万6,000円が税金として徴収されます。
そのため手残りは約142万円となり、NISA口座との差額は約11万円にもなります。
パターンB:損失が出た
100万円投資して80万円で売却し、20万円の損失が出た場合の比較をしてみましょう。
NISA口座での損失は税制上何の意味も持たず、単純に20万円の損失のままとなります。
損益通算と繰越控除も利用できません。
ですが、特定口座では他の投資商品で発生した利益と相殺でき、また翌年以降3年間の繰越控除により将来の税負担を軽減できます。
たとえば、同年中に他の投資で30万円の利益があれば、実質的な利益は10万円となり約2万円の課税で済むため損失時は、特定口座の方が税制上有利となります。
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初心者のための口座の選び方:目的別チェックリスト
本章では、初心者のための口座の選び方として、以下項目から考えていきます。
- 目的
- 損失リスクを考慮
- 手続きの手間を考慮
それぞれみていきましょう。
目的
投資の目的によって、NISA口座と特定口座の使い分けを決められます。
老後資金の形成や子どもの教育費など長期的な資産形成が目的なら、少ない取引回数で安定したリターンを狙えるためNISA口座が適しています。
一方、短期的な利益確保を求める場合は、取引回数が増えやすくなるのですぐに限度額に達してしまう可能性が高いです。
そのため、損益通算ができる特定口座の方が有利だといえます。
投資初心者は失敗から学ぶ側面も大きいので、損失時の税制メリットがある特定口座でスタートし、投資スキルが向上してからNISA口座を活用するという段階的なアプローチも有効です。
損失リスクを考慮
投資初心者は個別株を行うと損失を出すリスクが高いため、口座選択時には損失時の税制メリットを重視するのも選択肢の1つです。
NISA口座では損失が発生しても損益通算や繰越控除ができないため、他の投資商品で利益が出ていても税負担を軽減できません。
一方、特定口座なら損失を他の利益と相殺でき、3年間の繰越控除も活用可能です。
投資経験が浅く、市場分析や銘柄選択に不慣れな初心者にとって、この税制上の救済措置はメリットとなります。
手続きの手間を考慮
税務手続きの複雑さや手間を考慮した口座選択も、投資初心者にとって重要な要素です。
確定申告に不安がある初心者の人は、NISA口座や源泉徴収ありの特定口座を選択すれば面倒な手続きが不要になります。
ですが、税務知識に自信がある場合は、源泉徴収なしの特定口座を選択して税額を最適化することも可能です。
ただし、この場合は確定申告が必要になるため、税務手続きの負担と節税効果を天秤にかけて判断するのが大切です。
投資初心者の方は簡単な制度からはじめて、徐々に複雑な制度に移行していくのが現実的なアプローチといえます。
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よくある質問(Q&A)
個別株を買うときにどの口座で買うのがいいのか知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- NISA口座と特定口座を併用するメリットはある?
- 高配当株はNISA口座と特定口座はどっちで運用するのがいい?
それぞれ解説します。
Q1. NISA口座と特定口座を併用するメリットはある?
A. NISA口座と特定口座の併用には、メリットがあります。
たとえば、NISA口座では非課税メリットを活かして長期投資を行い、特定口座は短期売買目的で活用するなど、投資戦略の使い分けができます。
このように両口座を使い分けることで、投資機会の拡大とリスク分散を図ることが可能です。
Q2. 高配当株はNISA口座と特定口座はどっちで運用するのがいい?
A. 高配当株の運用では、配当収入に対する税制優遇を受けられるNISA口座の利用が基本的には有利です。
特定口座では配当に約20%の税金がかかりますが、NISA口座なら配当が非課税となり、手取り収入が大幅に増加します。
ただし、NISA口座には年間投資枠の制限があるため、投資額が大きい場合は特定口座との併用も検討が必要です。
長期的な資産形成を考えるなら、まずはNISA口座の枠を有効活用し、高配当株から得られる配当収入を最大化することが重要といえるでしょう。
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まとめ
今回は、個別株投資におけるNISA口座と特定口座の違いについて解説しました。
NISA口座は非課税メリットが最大の魅力ですが、損益通算や繰越控除ができない制約があります。
一方、特定口座は税金がかかるものの、損失時の税制上の救済措置を活用できます。
重要なのは、投資の目的や取引スタイルに応じて口座を使い分けることです。
長期的な資産形成を目指すならNISA口座、短期売買や損失リスクを考慮した投資なら特定口座が適しています。
ぜひこの記事を参考に、ご自身の投資スタイルに最適な口座選択を行い、効率的な資産形成を進めてみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。






