相場格言「売り買いは腹八分」とは

売り買いは腹八分

株式投資における相場格言の「売り買いは腹八分」という格言をご存知でしょうか。

「腹八分」という言葉は、食事のシーンで使用されることがありますよね。

実は、株式投資における相場格言として有名なフレーズでもあり、とくに米相場が栄えていた江戸時代のころから重要視されてきた概念といわれています。

なぜ売り買いは腹八分と言われているのか、今回は「腹八分」を教訓とした相場格言について理解していきましょう。

この記事でわかること

  • 「売り買いは腹八分」の出典
  • 意味と教訓
  • 格言を生かすシチュエーション

相場格言「休むも相場なり」の考えで自己資金を守ろう

目次

格言の出典

相場格言「売り買いは腹八分」の出典について、確実なことはわかっていません。

ですが、おそらく江戸時代の米相場師である本間宗久氏もしくは牛田権三郎氏が残した相場格言ではないかと言われています。

この2人の相場師は、現在でいうテクニカル分析のような手法で大きな富を得ただけではなく、いつの時代にでも通じるような相場格言や必勝法を伝えてきました。

とくに本記事で紹介する相場格言における“腹八分”という概念は、本間宗久氏がさまざまな場面で訴えてきたものなので、ぜひ心得ておきたいものです。

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格言の意味とその教訓

次に、相場格言「売り買いは腹八分」の気になる意味や教訓についてご説明していきます。

実はこの相場格言には大きく分けて2つの意味があり、どちらも株式投資において重要な教訓を与えてくれるものです。

まずは、1つめの意味についてです。

株式投資においてモットーとなるのは「安く買って、高く売る」であるのに対し、相場格言「売り買いは腹八分」では、”「最安値で買って最高値で売る」といった腹十分目のような満足感を味わおうとしてはいけない”と、利益を欲張ろうとする気持ちを戒めています。

たとえば自分がある株を保有しているとすると、株価が上昇トレンドに転じたらこれ以上は上がらないといった最高値まで上昇するのを待って、株を売りたいと思うものですよね。

人間の心理として、利益を少しでも取り逃すともったいないと思ってしまうものです。

ただし株価の天井というのはだれにも分からないものなので、追い求め過ぎるとリスクは高くなります。

このようにリスクをとるよりは利益を追い求める気持ちを腹八分目くらいまで抑えて、“結構上がったから、これくらいで我慢して売っておこう”として売る心が大切だということを教訓としています。

反対に株を買おうとしているときも同様で、最安値で買おうとする気持ちを腹八分目くらいまで抑えて、“ある程度下がったから(安値圏に入ったと考えられるから)、これくらいで我慢して買っておこう”として買う心が大切だというのが教訓です。

この相場格言「売り買いは腹八分」の1つめの意味と似た相場格言として「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉があります。

相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」とは?の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

次に、2つめの意味についてです。

これは“腹八分”を“全財産(投資資金)の八分目(80%)”とたとえて考えると、イメージが湧きやすいです。

簡単にいうと“売り買い(株式投資)に投じる資金は適度(80%)に抑えて、全財産を投じてはならない”ということを教訓としています。

全財産を投じるといった無理のある株式投資をしても、必ず報われるとは限りません。

反対に、損失が膨らんでしまった際に全財産をつぎ込んでいたら、取り返しのつかないことにもなり兼ねません。

ある程度余裕を持った上で株式投資に資金を使うほうが、正しい判断もしやすいのです。

どんな状況でも冷静に考えて、無理のない範囲での投資をおこなうことが大切ですね。

まとめると相場格言「売り買いは腹八分」は、“株式投資においての注力や願望は八分目にとどめておくことの大切さ”を教訓としています。

格言を生かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。

含み益があるとき

買った株の株価が上昇して含み益があるときこそ、相場格言「売り買いは腹八分」の教訓が活きます。

自分が予想したとおりに株価が上昇すると自信も出てくるので、“まだまだ上がるのではないか”、“せっかくだから最高値まで保有してから売りたいな”といった気持ちになってしまいがちです。

いくら上昇トレンドに入っていたとしても、市場ではいつ何が起こるかわかりません。最高値を待っていたら不測の事態に陥り、ついさっきまであった含み益がゼロになってしまうなんてこともあり得ます。

ですから相場格言「売り買いは腹八分」の教訓を思いだして、“まだ上がるかもしれないけど十分に利益が出ているから、ここで売っておこう”と腹八分目で満足できることが望ましいです。

反対に、含み損を抱えている場合も同様です。

イチかバチかの投資をしようとしているとき

株式投資をしている方のなかには、少しでも手元のお金を増やしたいという思いから、あまり資金に余裕はなくともなんとか絞り出して投資をしているという方もいるかもしれません。

もし“次の投資が失敗したらこの先生活できなくなる”といった限界ギリギリの状況で投資をしようとしている方は、要注意です。

というのも本来株式投資は副業としておこなうならば、失ってもとくに問題はない余裕資金でおこなうべきだからです。

プレッシャーが大きすぎる資金状況での投資は冷静な思考の妨げとなるので、全財産(腹十分)を投じることのないようにしましょう。

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まとめ

  • 相場格言「売り買いは腹八分」は、江戸時代に本間宗久氏もしくは牛田権三郎氏が生み出した言葉といわれている
  • ①最大の利益を得ようとせずに八分目に抑えること②投資するのは全財産の八分目にとどめておこう の2つの意味がある
  • 腹八分目で我慢・満足しようとする姿勢が大切

本記事では相場格言「売り買いは腹八分」の出典や意味、活かすべきシチュエーションについて解説してきました。

「腹八分」という概念は株式投資の基本といっても過言ではありません。

これまで積み重ねてきた利益が水の泡とならないよう、基本を守って株式投資をおこなっていきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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