相場格言「人の商い、うらやむべからず」とは

人の商い、うらやむべからず

株式投資をしていると、同じ株を持っている人の利益状況が気になってしまうものです。

ただしそんな他人のことをうらやましく思っても、自分のトレードにいい影響を与えることはあまりないと言えるでしょう。

株式投資においては「人は人、自分は自分」をモットーに、他人を気にしなくても自信を持って売買できるような手法を身に着けていくことが重要です。

本記事ではそのような教訓として、相場格言「人の商い、うらやむべからず」をご紹介します。

この記事でわかること

  • 「人の商い、うらやむべからず」の出典
  • 意味と教訓
  • 格言を生かすシチュエーション

相場格言「休むも相場なり」の考えで自己資金を守ろう

目次

格言の出典

まずは、相場格言「人の商い、うらやむべからず」の出典についてご紹介していきます。

出典は、江戸時代の米相場師である本間宗久氏が残した秘伝の書ともいえる「相場三昧伝」の第62章です。

原文は以下のとおりとなります。

「人の商いうらやましく思うべからず。但し、うらやましく思う時は、その時の相場の位を弁えず、唯うらやましく思う心計りにてする故、手違いになるなり。」

“相場の神様”と崇められた本間宗久氏の「相場三昧伝」から語り継がれている相場格言は非常に多く、現在でも役に立つものばかりです。

たとえば「もうはまだなり、まだはもうなり」もその1つです。

格言の意味とその教訓

では相場格言「人の商い、うらやむべからず」の気になる意味や教訓についてご紹介していきます。

相場格言「人の商い、うらやむべからず」は、“ほかのトレーダーがどれだけ順調に利益を出していたとしたとしても、それをうらやましく思って冷静さを失ったり投げやりな投資をしたりしてはならない”という意味の言葉です。

近年ではインターネットの普及によって株式投資に関する有意義な情報を得やすい一方で、自分以外のトレーダーの利益を得ている状況が目に入ったりすることがあります。

すると、どうしても自分の利益と他人の利益を比較してしまうかもしれません。

しかし、他人の利益額と比較しても、自分の利益額が伸びることはありません。

それどころか、無茶なトレードをすることで損失が拡大してしまう可能性もあります。

株式投資におけるスタンスやリスク選好は人それぞれであり「人は人、自分は自分」なので比較してもあまり意味はありませんし、他人を気にして自分のトレードスタイルを確立することがおろそかになってしまうとその先のトレードもきっと上手くいかないでしょう。

株式市場はだれにでも平等で、「相場は明日もある」という格言もあるので、自分のペースで焦らずにトレードをしていくことが大切です。

ですから自分のトレードスタイルをきちんと確立して自信を持った売買ができれば、他人から少し遅れをとったとしても安全に利益を出すことができ、将来への自信にも繋がるはずです。

格言を生かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。

ある通貨の高騰

2017年は「仮想通貨元年」ともいわれる年で、ビットコインの価格が5月以降に60%以上も上昇し、ニュースなどでも大変話題になりました。

このときたまたまビットコインを保有していた人や事前に仕込んでいた人は大儲けで、SNSではビットコインによって大きな利益を得て資産が1億円を超えた人を示す「億り人」という言葉が飛び交ったほどです。

当時「ビットコインを買っておけばよかった……。」と、億り人をうらやましく思った方も多いのではないでしょうか?

ただし、そこでビットコインを保有していた人を羨んで、我先にと投資対象を探したり通貨を買ったりして自分のトレードスタイルを崩してはいけません。

仮想通貨は大きく話題になった後、一時価格が大きく下落するなど、予期せぬ動きをしていたため、損失を被ってしまった方もいるのではないでしょうか?

こうした事態に陥らないためには、自身のトレードスタイルをしっかりと確立し、様々な情報に惑わされないことが重要です。

上記は仮想通貨の話になりますが、たとえば株式投資においてもストップ高などで株価が急騰したような銘柄を保有していた人だけが大きな利益を得られ、それを羨んで後乗りしたらその後株価が急下落して損失を被るというよう出来事が起こる可能性もあるでしょう。

そのようなとき自分が当事者でなかったとしても割り切って、「人は人、自分は自分」として自身のトレードに集中できるといいですね。

株式投資初心者

株式投資初心者の方にも、ぜひ相場格言「人の商い、うらやむべからず」を意識しておくとよいでしょう。

投資を始めたばかりだととくに他人の状況が気になってしまいますし、早く利益を出して自分に自信を持ちたいと思ってしまうものですよね。

ただし、だからといってトレードスタイルが確立する前に他人を真似たり、ハイレバレッジな取引で無茶をしたりしてしまってはたいへん危険です。一気に投資資金を失って、株式投資を諦めることになりかねません。

初心者の方は無茶なトレードをしなくても、コツコツと経験を積んでいけばたくさんの知識を得ることができます。まずは自分で考えて投資する力というのを身に付けて、他人のことを気にしないで済むほどに経験値を高めていきましょう。

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まとめ

  • 相場格言「人の商い、うらやむべからず」の出典は、本間宗久氏の「相場三昧伝」
  • ほかのトレーダーがどれだけ儲けていたとしても、それに左右されてトレードスタイルを崩してはいけないという意味
  • とくに株式投資初心者の方は周囲を気にしてしまいがちなので、要注意

本記事では、相場格言「人の商い、うらやむべからず」の出典や意味、生かすべきシチュエーションについて解説してきました。

自分に思い当たる節があったという方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。

株式投資で安定した利益を得るために大切な心構えを教えてくれる相場格言ですので、ぜひ頭の片隅において日々の投資に取り組んでいきましょう。

相場格言「人の行く裏に道あり花の山」とは

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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