相場格言「セルインメイ」とは

セルインメイ

みなさんは株式投資において「セルインメイ(株は5月に売れ)」という言葉を聞いたことがありますか?

聞いたことがある方は、この言葉が米国市場発祥だということをご存知でしたでしょうか。

本記事では、相場格言「セルインメイ」の出典や意味、その教訓をご紹介します。

どうしてこのような相場格言が生まれたのかを知っておくことで、ただただ教訓を鵜呑みにするのではなく柔軟に対応することができますよ。

この記事でわかること

  • 「セルインメイ」の出典
  • 意味と教訓
  • 格言を生かすシチュエーション

相場格言「相場のことは相場にきけ」とは?

目次

セルインメイの出典

「セルインメイ(Sell in May)」は、米国株式市場で生まれた有名な相場格言です。

これを直訳すると「(株は)5月に売りなさい」という意味になります。

実は、米国のダウ・ジョーンズ社が算出・発表している米国を代表する株価指数であるNYダウは毎年というわけではありませんが5月の株価を境として、その後6月以降の夏場にかけては株価が下落する傾向があります。

また、ここで1つ注意が必要なのがこの相場格言にはまだ続きがあるということです。

相場格言の全文は以下のとおりです。

「Sell in May,and go away; don’t come back until St Leger day.」

これを訳すと「(株は)5月に売りなさい。そして9月の第2土曜日まで株式市場に戻ってきてはならない。」となります。

どうしてこのような相場格言が生まれ、この相場格言は市場に何を教えてくれているのでしょうか?

格言の意味とその教訓

上記で紹介した相場格言の全文を読めばわかるように、この相場格言ではただ5月に株を売ることを勧めているのではなく、“9月の第2土曜日まで株式市場に戻るな”とまで言っています。

ここから読み取れるのは、5月に売ったあと株価は下がるため、1回市場から離れて9月ごろに株価が戻ったそれが株を買い直すタイミングであるということです。

株式投資においては「株価が安いときに買って、買ったときよりも株価が高いときに売る」というのが基本的で理想の売買方法ですよね。

この理想に沿って「セルインメイ」の相場格言を読むと、このように理解することができるのです。

なぜ5月に株価が下がりやすいのか?

ここで、気になるのがNYダウはなぜ5月に株価が下がりやすいのかということですよね。

この理由にはたくさんの説がありますので、いわれているものを1つずつ紹介していきます。

信用取引の売り決済の集中

例年いわれているのが、株価は年末になると高値になるというものです。

高値のときには、信用取引の買い残が増加しやすくなります。

ただし、信用取引には購入後半年以内に反対売買をして決済をするというルールがあるので、年末に高値で購入したトレーダーによる売りが、その半年後である5月ごろの集中しやすく株価が下がりやすいと言われています。

米国の税制度

米国の税制度においては、年末に株式の損失を確定させるために売りに出し1年間の所得を調整する必要があります。

そして、翌年1月半ばから総合課税の還付を請求し、源泉徴収されすぎた分については1月末から還付を請求します。

この還付金は例年約20~30兆円にのぼるほどの巨額の金額で、しかもその還付は5月まで継続されます。

そのため、還付された資金が消費や投資に回されるようになるので、米国では5月までは相場が強い傾向があるのです。

相場格言「セルインメイ」は日経平均株価にも通用するの?

相場格言「セルインメイ」はこれまで紹介してきたように米国の株価指数であるNYダウを指したもので、日本の株価指数について直接いわれているわけではありません。

ただしNYダウにおけるセルインメイは毎年でなくとも高頻度で当たっていて、もしその影響が大きければ日本の株式市場に影響を及ぼす可能性もあるはずです。

というのも日本の株式市場は、NYダウの大きな株価変動に影響を受けることがよくあるからです。

よって、日本における株式投資においても「5月に売って、9月に株式市場に戻ってくる」ことが妥当なのか気になると思います。

日経平均株価で検証をすると、相場格言どおり5月に株価が下がり9月に株価が戻っているケースもありますが、それはNYダウと同様毎年通用しているものではありません。

また、相場格言「セルインメイ」はあくまでもジンクスのようなものであり、米国市場で生まれた言葉なので、日本の株式市場にそのまま通用するのは少し難しいといえるでしょう。

ただし、日本では外国人投資家の割合が高くなってきているので、相場格言「セルインメイ」を心に留めておいてもいいかもしれませんね。

格言を生かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。

ただし、毎年相場格言「セルインメイ」が通用しているわけではありません。

また、もし5月に株価が下げの傾向にあったとしてもすべての銘柄の株価が下がるというわけではなく、市場に逆行して株価が上昇する銘柄も存在します。

なので、5月だからといって消極的にならずに、日々株式市場においてアンテナを張って情報収集を続けておくことが重要です。

そうすれば、もし「セルインメイ」のとおりになってもならなくても株価が上がる流行株を見つけることができ、利益を得ることができます。

ただしある程度は対策をとっておいた方がいいこともあります。

というのも自分以外の全員が5月に入る前にリスク回避をしようと売りがたくさん出て、保有株がダメージを受ける可能性があるためです。

よって、5月近辺は以下のような点に気を配ることが大切です。

  • 大きなポジションを持ちすぎない
  • 長期保有よりも短期保有を目的とした銘柄を持っておく
  • 株価チャートをしっかりと分析できるように技術を磨いていく

この3つを意識しておけば、もし巻き込まれたとしてもダメージは小さく済む可能性があります。

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まとめ

  • 相場格言「セルインメイ(Sell in May,and go away; don’t come back until St Leger day.)」は、“5月に株を売って9月の半ばまでは市場から離れた方がいい”という米国市場で生まれた言葉
  • 信用取引の決済時期や米国の税制度などの影響を受け、5月以降の株価が下がりやすいとされる
  • 日経平均にまるっきり通用するというわけではないが、参考として覚えておくと良い

いかがでしょうか?

ここまで、相場格言「セルインメイ」の出典や意味、そして生かすべきシチュエーションを紹介しました。

この相場格言をご存知だった方は、「Cell in May」のあとに続きがあったことに驚かれたかもしれません。

ただ5月に株を売ればいいのではなく、そこから9月の第2土曜日までは市場に戻ってはいけないというところまでが、この相場格言の真意です。

しかし、この格言は日本の市場にそのまま当てはまるものではないので、しっかりと覚えておきつつ、株価チャートの分析精度を上げていけば、この時期でも利益を狙うことは十分に可能であると言えます。

株の技術を磨くためには、下記記事も参考にしてみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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