相場格言「指値は取り消すな」とは?株初心者にもわかりやすく解説します

指値は取り消すな

みなさんは「指値は取り消すな」という言葉をご存知でしょうか?

これは相場格言の1つで、1度自信を持って出した指値注文を安易に取り消さない方がよいという教訓を与えるものです。

株式投資ではどうしても“できるだけ多くの利益を得たい、損失は少なくしたい”と欲張ってしまうものですが、これが返って損失を大きくする原因になっているかもしれません。

ぜひ本記事を最後まで読んで、トレードにおける考え方を学んでいきましょう。

この記事でわかること

  • 「指値は取り消すな」の出典
  • 意味と教訓
  • 格言を生かすシチュエーション

初心者向け 株の注文方法~成行注文と指値注文の違いについて~

目次

格言の出典

まずは、相場格言「指値は取り消すな」(「指値を取り消すな」ということもあります)の出典について見ていきましょう。

この言葉は、株式評論家である犬丸正寛氏が残したものです。

当サイトでも、犬丸正寛氏が残した相場格言を数々ご紹介しています。

株式投資において参考になる言葉が盛りだくさんなので、ぜひそちらも参考にしてみてくださいね。

格言の意味とその教訓

次に、相場格言「指値は取り消すな」の意味やその教訓についてご説明していきます。

まず「指値(注文)」とは、株式売買の注文方法の2つあるうちの1つです。ちなみにもう1つの注文方法は「成行注文」といいます。

また、指値は厳密にいうと「指値」と「逆指値」の2つに分けることができるのですが、どちらも相場格言「指値は取り消すな」に当てはまると思ってもらって大丈夫です。

簡単にご説明すると、まず、どちらも売買の基準となる価格(〇円)を決めておきます。指値は“〇円以下になったら買い注文が約定、〇円以上になったら売り注文が約定する”という注文方法です。

逆指値はその名のとおり指値の逆で、“〇円以上になったら買い注文が約定、〇円以下になったら売り注文が約定する”という注文方法のことをいいます。

このようにあらかじめ売買の基準となる価格を決めて機械的なトレードをおこなうことは、トレーダーにとって大事な要素の一つです。というのも、そのときの感情がトレードに影響を与えるということがないからです。

このような点で指値が優位にあることはもちろん、指値注文を出すときに決めた基準となる価格は、テクニカル分析等でしっかりと分析ができていれば案外当たっている場合が多いといわれています。

なので、自信を持って指値注文を出したからには、安易に取り消さない方がよいです。これが相場格言「指値は取り消すな」の教訓になります。では、指値を取り消すことのリスクを、例を用いて説明していきたいと思います。

あなたは、現在株価が1,050円のA社の株に魅力を感じていたとしましょう。

でも、この1,050円よりも安値をつけてから買いたいと思ったので、1,000円で買いの指値注文を出しました。つまりA社の株価が下落して1,000円以下になったら買い注文が約定するということです。

そして注文を出したあとも株価の変動を見ていると、1,040円、1,030円…と株価は予想通り下落しているにもかかわらず利益を欲張ってしまって“もっと安値で指値注文を出しておけばよかった”と、1,000円の指値注文を取り消してしまうことがあります。1,000円以下で再度指値注文を出すということです。

しかし、こういったときに限って株価の下落は1,000円の水準で反発し、再び上昇してしまったりします。

利益を欲張って指値注文を出し直したことがあだとなり、本来なら得ることができていた利益を失ってしまいました。

このように、指値注文を出したあとの株価の変動具合で感情が揺れ動いてしまい、注文を取り消して変更するということにはリスクがあります。

あまり利益を欲張ることはせず、最初に“指値注文は〇円でいく!”と決めたときの計画を曲げずに突き通す方がよいかもしれません。

格言を生かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。

損切りにおける逆指値注文

この相場格言が最も力を発揮するのは、損切りのためにおこなう逆指値注文時です。

上記の説明を抜粋すると、“〇円以下になったら売り注文が約定する”という注文方法が逆指値注文です。

つまり株価が〇円以下にまで下落してある程度含み損が発生してしまったら、思い切ってポジションを解消して損切りをするといったことが可能になります。

人間は利益を得ることよりも損をすることに敏感な生き物なので、なかなか損切りをすることができず、それが返って含み損を大きくしてしまうことがよくあります。

そういった経験がある方には、逆指値注文による損切りをしてみるといいかもしれません。

このとき、損失を確定することを恐れて注文を解消してしまっては、元も子もないので注意してください。

もしセルフで損切りをしようとすると「-5%になったら損切りをしよう」と損切りルールを決めておいたとしても、「-5%になったけど、また上がるのでは?」と思って結局損切りを引き延ばしてしまいます。

逆指値注文を取り消さずにそのままにしておけば、損切りラインを超えた時点で自動的に売り注文が約定するため、損切りを引き延ばしてしまうということはありません。

トレーダー心理でなかなか損切りができず、感情に左右されてしまうという方はこうした注文も上手く活用して克服できるようにしてみましょう。

まとめ

  • 相場格言「指値は取り消すな」とは、指値注文の基準として決めた価格は当たっていることが多いため、安易に指値注文を取り消すのはもったいないという意味
  • 犬丸正寛氏が残した言葉
  • 目先の株価変動に惑わされないようにすることが大切

いかがでしたでしょうか?

本記事では相場格言「指値は取り消すな」の出典や意味、生かすべきシチュエーションをご紹介してきました。

株式投資ではどうしても欲が出てしまうものですが、大切なのは結果として得られたトータルの利益です。

本来得られたはずの利益を失ったり回避できるはずだった損失を大きくしたりすることのないように、指値注文・逆指値注文を利用して賢くトレードしていきましょう。

株式の注文方法は?売買の流れや「成行注文」・「指値注文」について詳しく解説!

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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