「デイトレのやり方を知れば、短期間で一気に増やせるかも」
そんな期待を抱きつつも、実際には何から始めればよいのか、どこまで準備が必要なのかがわからず、一歩を踏み出せない人も多いはずです。
本記事では、デイトレの基本的な仕組みとやり方、必要な準備、初心者がつまずきやすいポイントを整理しながら、生活スタイルに合った現実的なトレードスタイルについても考えていきます。
ぜひ、最後まで読んで参考にしてください。
デイトレのやり方を学ぶ前に、多くの初心者がつまずきやすいのが「どこまで準備すればいいのか」という点です。
証券口座の種類、PCの性能、モニター枚数、そして資金の大きさなど、調べれば調べるほどハードルが高く感じられてしまうかもしれません。
ここでは、最初の一歩として押さえておきたい「最低限の準備」に絞って紹介します。
証券口座の開設
デイトレを行ううえで、証券口座は欠かせません。
とはいえ、銘柄や注文方法より前に、口座選びで悩んで止まってしまうケースもよくあります。
デイトレを意識するなら、押さえておきたいポイントは次の3つです。
- 売買手数料の水準
- 取引ツールの使いやすさ
- 情報ツール(板情報・チャート)の充実度
ネット証券であれば、手数料が比較的抑えられたプランが用意されていることが多く、Web画面やアプリから手続きできる点も扱いやすいでしょう。
具体的な銘柄や売買方法を考える前に、まずは「自分にとって画面が見やすいか」「操作に迷わず発注できそうか」といった感覚的な部分も含めて確認しておくと安心です。
ありがちなつまずきとして、「評判が良いから」という理由だけで口座を開き、ツール画面が自分には見づらくてストレスになってしまうケースがあります。
広告や口コミよりも、「自分が毎日見る画面としてしっくりくるか」を大事にすると、長く付き合いやすくなります。
PCやモニターなど環境作り
デイトレードでは、素早い判断と操作が勝敗を分けます。
そのため、取引に使用するパソコン環境は極めて重要です。
可能であれば、モニターは2〜3枚用意しておくのが理想的。
例えば、1画面にチャート、2画面目にニュースや注文情報、3画面目には板情報を表示することで、必要な情報を瞬時に把握しやすくなります。
また、スペックはWindowsでもMacでも問題ありませんが、処理速度が速く、画面切り替えがスムーズなものを選ぶようにしましょう。
資金の準備
最後に、もっとも重要なのが資金の準備です。
デイトレードは一日で資金が増減するスピードが速いため、冷静な資金管理が不可欠です。
最初は、余剰資金(生活費とは完全に分けた資金)で始めましょう。
また、フルレバレッジの利用や信用取引への過度な依存は避けるべきです。
リスクを抑えるためにも、無理のない範囲での取引を心がけましょう。
デイトレード(デイトレ)とは
そもそも、デイトレードとはどのようなトレードスタイルのことを言うのでしょうか。
デイトレとは、一日のうちに売買をして、利益確定から損切りまでを済ませるトレードスタイルのことを言います。
つまり、その日のうちにエントリーからエグジットまでを全て完了させて、翌日以降にポジションを持ちこさないトレードのやり方です。
デイトレードのやり方を紹介
ここからは株のデイトレードのやり方を詳しく見ていきましょう。
株のデイトレードは、基本的に1日の内にトレードを完結させるスタイルとなります。
例えば、午前中に株を買った場合には、翌日まで持ち越さずに後場の引け(その日最後の取引)には株を売るのです。
1日の内にトレードを完結させるため、建玉に対して損失が発生していたとしても後場の引けの時点で損切りを行います。
トレード回数にも特に決まりが無く、1日の内に建玉を全て決済できるのであれば、何回でもトレードが可能です。
以上が基本的なデイトレードのルールとなります。
デイトレードはトレードスタイルの1つであり、株を買って売るまでの期間のことでもあるのです。
このままデイトレードをはじめても良いのですが、デイトレード行うためには2つのポイント、銘柄選びとチャート設定(時間足)があります。
このポイントを押さえていなければ、デイトレで勝つことが難しいので初心者はしっかりと押さえておきましょう。
トレードを行う銘柄選び
デイトレは1日の内にトレードを完結させなければならないので、価格変動が大きい銘柄を基準に選ばなければなりません。
例えば、株価が1,000円近くあるのに1日に数円しか変動しない銘柄では、デイトレで利益を狙うのは難しくなります。
逆に値動きが大きい銘柄ならデイトレでも利益を狙うことができ、前場と後場で別々のトレンドを形成した場合でも対応することができます。
ただ、値動きが大きい銘柄でも一時的な急騰や急落が発生してしまう場合には危険性も伴います。
上昇トレンド中で調整のような急落が発生した場合に買い建玉を持っていれば、1日では値を戻さない可能性があるので損切りをしなければなりません。
急騰や急落の波に乗ることができれば大きく利益を狙えるメリットがありますが、1日では値を戻さない場合が多いというデメリットもあるのです。
そのため、必然的にリスクを伴いながらトレードをしていることを意識しなければなりません。
短い時間足のチャートでトレード
デイトレを行う場合には、長期間でのトレンドを意識しながらも短期間のトレンドを予測していかなければなりません。
そこで短期間のテクニカル分析や価格変動を見るために、チャートの時間足は短い物を使いましょう。
デイトレでよく使われる時間足としては、5分足・15分足・1時間足・4時間足などが人気です。
5分足はリアルタイムの値動きを追うために使われ、15分足は5分足よりもテクニカル分析を行う上でだましが出にくく短期トレンドの予測で使われ、1時間足や4時間足はデイトレ中の大きなトレンド確認として使われるといった特徴があります。
もし初心者で、どの時間足を使えばいいか分からないという場合には短期トレンドやだましが少ない15分足をメインチャートで使うとよいでしょう。
それと、デイトレを行うためトレード前には、1時間足以上の時間足で大きいトレンドを確認してからトレードをはじめましょう。
短期トレードと言っても、中長期トレンドに逆らうと逆張りとなってしまい負ける要因となるので、初心者であれば順張りを心掛けるようにしてください。
デイトレードを行う場合でも長期トレンドを意識しておく
デイトレードの場合、どうしても短期視点のトレードになりがちですが、長期トレンドへの意識も忘れずにしておきましょう。
日足や週足、月足といった長期のローソク足も見ておくことで、よりトレードの精度を高めることができるでしょう。
日足・週足・月足の実践的な使い方についてはチャートの日足・週足・月足ってどうやって使い分けるの? 初心者向けに解説しますの中で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
以上がデイトレードの基本的なやり方となります。
銘柄を決めて、チャートでトレンドやテクニカル分析を確認して、1日の内に完結をさせるのがデイトレとなります。
デイトレードのメリット・デメリット
デイトレードにはメリット・デメリットがそれぞれあります。
どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
デイトレードのメリット
デイトレードのメリットは、以下の通りです。
- 一日でトレードを完結できる
- 損失が拡大しにくい
一日でトレードを完結できる
ひとつ目のメリットは、一日でトレードを完結できるということです。
トレードをしたその日のうちに利益を得ることができるので、お小遣い感覚でできるというのも人気の一つですね。
一日でトレードが完結できるので、比較的初心者の方でも取り組みやすいトレードスタイルと言えるでしょう。
損失が拡大しにくい
二つ目のメリットは、損失が拡大しにくいという点です。
エントリーして損失が出ていた場合、ポジションを翌日以降に持ち越すことにより更に損失が拡大する可能性がありますが、その日のうちにエグジット(手仕舞い)をすることにより、損失をそれ以上拡大させることがありません。
株トレードをされている方であれば、株を「塩漬け」にされた経験がある方もいるかもしれませんが、デイトレードをしていれば塩漬けになる心配はありません。
ただし、心理的に損切りできず、結果デイトレードではなくなってしまう可能性もあるので、その点は注意しましょう。
デイトレードのデメリット
デイトレードのデメリットには、以下のようなものがあります。
- より大きな利益を取り逃す可能性がある
- 1日に何度か取引をしなければならない
- 長期トレンドの影響を考慮せずトレードしてしまうことがある
より大きな利益を取り逃す可能性がある
デイトレードの場合、良くも悪くもその日のうちにトレードを完結させるので、翌日以降の利益を取り逃す可能性があります。
トレンドが継続している場合は、手仕舞いせずに継続してポジションを保有している方が、翌日以降の利益を取り逃すこともないので、場合によってはデイトレードではない方がいい局面もあるのです。
1日に何度か取引をしなければならない
デイトレードの場合、1日でトレードを終わらせることになるので、最低でも2回(エントリーとエグジット)をする必要があります。
より本格的にやっていく場合は、複数回のエントリーとエグジットの必要性が出てくるので、常にネット証券などにログインできる体制が取れない人にとっては厳しいものとなるでしょう。
サラリーマンや主婦の方、専業ではない一般トレーダーの方には時間的な制約もあり、利益を最大化していくのは難しいトレード手法といえるでしょう。
長期トレンドの影響を考慮せずトレードしてしまうことがある
長期トレンドの影響を考慮せずにトレードをしてしまいやすいというデメリットもあります。
どういうことかというと、短期目線でトレードをしていて、長期の流れに負けてしまうということです。
トレードをしている人はデイトレーダーばかりではなく、機関投資家や海外トレーダーなど、さまざまな人が市場に参加しています。
そうした中で、デイトレードをしている人というのは、どうしても短期的な目線でしか分析できていないということがあるのです。
例えば、短期では上昇のトレンドを形成しているけど、長期目線で見ると下落のトレンドを迎えていたとします。
そうした場合に、上昇すると思って買いポジションでエントリーをしてしまうと長期の流れに負けて株価が下落してしまうということがよくあるのです。
デイトレードをする場合でも、大きなトレンドをしっかりと意識した上でトレードをする必要があるということですね。
株のトレンドについては株のトレンドについて知る!テクニカルにおける上昇・下降トレンドとはの記事にて詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
初心者にデイトレは難しいのが現実
ここまでデイトレのやり方について紹介をしてきましたが、実際のところデイトレは初心者にとって難しいトレードスタイルとなります。
特に初心者は短期間で利益を積み重ねれば稼げるというメリットばかりに目が行きがちで、デイトレの難易度について考えずにトレードをしている場合が多いのです。
そこでここからは、なぜデイトレが初心者にとって難しいのか、初心者はどのようなスタイルの方が良いのかを紹介していきます。
トレード時間の確保が難しい
デイトレが初心者にとって難しいのは、大きく2つの要因があります。
1つはトレード時間の確保という点です。
おそらく株のトレードをはじめたばかりの初心者の多くは、普段仕事や学業がある兼業の方がほとんどのはずです。
そのため、株式市場が開いている午前9時~午後15時までの間、リアルタイムでトレードを行うことが難しいという現実があります。
デイトレは短期トレードであり、一瞬の値動きで利確損切の決済判断などを下さなければならないため、仕事時間中にトレード時間を確保することができない人には難しいといえるでしょう。
トレンド予測が難しい
2つ目の要因は、短期での株価の変動予測が難しいという点です。
株価は常に右肩上がり、右肩下がりで変動をしているわけではありません。
価格が右肩上がりの上昇中でも、上昇しては一時的に下げてを繰り返して株価を上げていきます。
そのため、1ヵ月という長い期間でトレンドを確認すると上昇トレンドなのに、1日で見てみると上昇ではなく下落をしてしまう場合があり、短期でのトレンドを予測しづらいのです。
さらに、株のトレードで予測を行うためのテクニカル分析においても、短期チャートではテクニカル分析による売買サインで「だまし」と呼ばれるような一時的に逆方向に株価が動くような状態が出やすかったり、トレンドの反転が激しかったりと分析結果の信頼性が低くなってしまうのです。
このように、大きく2つの要因があるため初心者にとってデイトレは難しく、利益を狙いにくいということが言えます。
株初心者におすすめのYoutubeチャンネル・動画!本当に役立つ動画を厳選
初心者はデイトレよりも長めの目線のトレードがおすすめ
初心者にとってデイトレが難しく向かいないのであれば、デイトレよりも難しくなく利益を狙いやすいトレードスタイルを使う方がおすすめです。
デイトレはトレード期間が短いため、トレンド予測やトレード時間の確保が難しいため、デイトレよりも長い目線でチャートやトレードを行えるスタイルの方が初心者には向いているのです。
そのトレードスタイルは数日~数週間、建玉の保有を続ける「スイングトレード」となります。
スイングトレードなら、日中にトレードができなくても夜や早朝、もしくは昼の休憩時間などに余裕を持って注文を出しておくことができます。
トレンド予測やテクニカル分析についても、中長期の予測に従ったトレードができるので信頼度が高く利益を狙いやすいのです。
何よりも、デイトレのように咄嗟に売買の判断を下さなくても、スイングトレードであれば余裕を持って慎重に考えることができるので、トレード自体に慣れていない初心者でも勉強しながら行うことができるのです。
スイングトレードについては「サラリーマンの株取引にはスイングトレードがおすすめ。無理なく利益を狙う方法を解説」でさらに詳しく解説してあるので参考にしてみてください。
スイングトレードはデイトレのように資金を急激に増やす方向には向いていませんが、デイトレよりも1度のトレードで狙える利益が大きいため、長期的にみると安定してデイトレよりも稼げる可能性が高いのです。
スイングトレードの分析はデイトレにも使える
スイングトレードは、デイトレよりも長い時間軸での分析になりますが、これができるようになるとデイトレをする際にも有効です。
なぜなら、株価の動きは大きな流れに逆らえないことが多いからです。
例えば、こちらのチャートをご覧ください。

上昇局面の中で、ローソク足が横並びの部分から陽線で頭ひとつ飛び出たので、強い動きと判断して、翌日の寄り付きでエントリーして引けで手仕舞えば、中長期の流れを加味した上でのデイトレができます。
これは、短期のみの目線で見るよりも、エントリー精度を高めることができるでしょう。
上昇局面の判断方法については、【相場流株技術用語】PPP(パンパカパン)・逆PPPとは?移動平均線でトレンドの波をとらえようの中で詳しく解説しているので、こちらもご覧になってみてください。
相場流のトレード技術を身に付ければデイトレもスイングトレードもできる
当サイトの監修者である株歴約40年のプロトレーダー相場師朗(あいばしろう)先生が教えるトレードの技術は、デイトレでもスイングトレードでも利益を狙える手法です。
ローソク足と移動平均線のみで行うシンプルなものですが、再現性が高く、現在3,500名以上が受講する『株塾』の中で、実践的な講義をされています。
再現性の高い手法を身に付けることができれば、デイトレをする際もより有利に戦えるようになるので、しっかりと技術を磨いた上で自分に合ったトレードスタイルを確立できるといいですね。
相場流株技術まとめ!相場式チャートの基礎から応用までを徹底解説
デイトレードに関するQ&A
Q1. デイトレードに必要な最低資金はいくらですか?
A1. デイトレードは少額から始めることも可能です。
まずは10万円前後の余剰資金からスタートし、トレードに慣れることを重視しましょう。
いきなり大きな金額を投じるのではなく、最悪失っても生活に支障が出ない範囲から始めることが大切です。
Q2. 仕事をしていてもデイトレードはできますか?
A2. 平日の9時~15時にリアルタイムで画面を見続ける必要があるため、会社勤めや日中に時間が取れない方にはデイトレードは難しい傾向があります。
その場合は、時間的な余裕を持って取引できる「スイングトレード」がおすすめです。
Q3. デイトレでおすすめの時間帯はありますか?
一般的に、寄り付き直後や引け前は値動きが活発になりやすく、チャンスも多い反面、動きが荒くなりやすい側面もあります。
どの時間帯であっても、「自分が落ち着いて画面を見られるか」「事前に決めたルールを守れるか」を基準に考えると、無理のない時間帯を選びやすくなります。
まとめ
ここまで、デイトレのやり方や準備、メリット・デメリット、初心者にとってのハードル、そしてスイングトレードとの関係について見てきました。
- デイトレは「その日のうちに売買を完結させる」スタイルで、手順やルールをあらかじめ決めておくことが重要
- 取引時間中に画面を見続ける必要があるため、生活リズムや仕事との両立が大きなポイントになる
- 数日〜数週間のスイングトレードは、時間の制約がある人にとって取り組みやすい場面も多く、基礎的なチャートの学びがデイトレにもつながっていく
どのスタイルが正解かは、人によって異なります。大切なのは、「自分の生活」「心の負担」「学びに使える時間」といった現実的な条件と向き合いながら、自分に合ったペースで進めることです。
デイトレに興味がある方も、まずは全体像と現実的な側面を知ったうえで、無理のないスタイルから一歩ずつ慣れていきましょう。
元本割れは防げるのか?株式投資でリスクを抑える建玉操作の極意

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。







