当サイトの監修をされている「相場師朗(あいばしろう)」先生が講義の中でよく使われる用語で「くちばし・逆くちばし」というものはご存知でしょうか?
書籍やセミナーで相場先生がお話することも多いので、「聞いたことがある!」と思うかもしれません。
この記事では改めて「くちばし・逆くちばし」という相場先生がよく使われる株技術用語についての解説と、実際のチャート上での見方をお伝えしていこうと思います。
まずは用語を理解して、先生の手法を再現できるように練習をしていきましょう。
この記事でわかること
- 相場先生の株用語「くちばし・逆くちばし」について
- 買い・売りのチャンスの見極め方
- くちばし・逆くちばしの注意点
くちばしとは
くちばしとは、上図の赤丸が示している部分のことを言います。
イメージとしては、鳥のくちばしをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
20日移動平均線(緑色の波線:20日間の株価の終値を平均した線)を5日移動平均線(赤色の波線:5日間の株価の終値を平均した線)が上に抜けた状態がくちばしです。
2本の移動平均線が交差して、鳥のくちばしのような鋭い三角形になっています。
上昇局面に向かう強い勢いがあるときはくちばしの状態になりやすく、株価が大きく値上がりする際の最初の部分はほぼくちばしの状態になっているでしょう。
また、図を見ていただくとわかるように、くちばしの直前には「下半身」が出現することも多く強い上昇局面に繋がりやすくなります。
下半身が出て、くちばしが出現するようであれば買いを検討してみてもよいでしょう。
くちばしの注意点
くちばしのシグナルで注意すべき点は、ゴールデンクロスとの違いをしっかりと理解しておくことです。
ゴールデンクロスは株価が下落した後に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜ける状況のことを言います。
これは、たとえば長期の移動平均線が下落傾向の時に短期の移動平均線が上抜けた時でも該当してしまいます。
長期の移動平均線が下落しているということは、大局的な流れとしてはまだ下落傾向にある可能性が高く、それに釣られて株価が下落してしまう可能性も大いにあります。
くちばしの場合は、長期の移動平均線も上向いている状態で、鋭角な三角形を描くようなイメージになるので、見分ける際は注意が必要です。
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逆くちばしとは
逆くちばしは、くちばしとは逆に下落に向かうシグナルです。
上図で示した赤丸のように、20日移動平均線を、5日移動平均線が下回り、強い下落へと繋がっていきます。
くちばしと同様に、逆くちばしができる直前には「逆下半身」ができやすいので、逆下半身の後に逆くちばしのシグナルが出てきたら「空売り」を検討してみてもよいでしょう。
過去の株価チャートを見返していただくと、逆下半身と逆くちばしが出でているチャートの場合、大きく株価が下がっているケースを見つけることができるかと思います。
逆くちばしの注意点
逆くちばしでも、くちばしの時と同様に注意が必要です。
逆くちばしの場合は、デッドクロスとの違いをしっかりと理解しておきましょう。
デッドクロスは、株価が上昇した後に短期の移動平均線を長期の移動平均線が上から下に抜けていく状態です。
デッドクロスも、長期の移動平均線が横ばいや上向きの時でもデッドクロスとなるため、上昇局面でたまたまデッドクロスが発生したときなどに空売りをしてしまうと、株価が逆方向に動いてしまうこともあります。
逆くちばしは、20日移動平均線(長期)でも下げ目線にあり、5日移動平均線(短期)が20日移動平均線(長期)を下抜ける鋭角な三角形となる状態です。
過去のチャートを見てみながら、見極めができるようにしていきましょう。
さらに強いサインで「N大」がある
くちばしのさらに強い上昇サインとして、N大というものがあります。
N大は、大きな局面の入り口になることが多く、サインが出たら見逃さずに建玉(エントリー)を検討するようにしましょう。
N大については、【相場流株技術用語】N大・逆N大とは?忘れがちな株技術をあらためてチェック!をご覧ください。
まとめ
- くちばし・逆くちばしは売買のシグナルのひとつ
- 勢いが強いので、トレンドになりやすい
- 注意点をしっかりと押さえて、シグナルを見極める
いかがでしょうか?
ここまで、相場先生の株技術用語の中のくちばし・逆くちばしについて解説してきました。
株のトレードはいきなり成功するものではなく、正しい知識の習得と練習の繰り返しで磨いていくことができます。
継続して努力を怠らないよう、日々練習をするようにしましょう。
【相場流株技術用語】ものわかれとは?忘れがちな株技術をあらためてチェック!
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。