買ってはいけない高配当株の特徴6選!配当なしを避けるポイントを解説

買ってはいけない高配当株とは何なのか、知りたいと思ってはいませんか?

せっかく高配当株投資をするなら、リスクは抑えつつも、できるだけ大きな利益を狙っていきたいですよね。

しかし、高配当株だからといって必ずしも思った通りの利益が得られるとは限りません。

それどころか、高配当株のはずなのに配当なしという結果になってしまうケースもあるのです。

では、そういった「買ってはいけない高配当株」とはどんな株なのか。

今回は買ってはいけない高配当株の特徴を徹底解説。

アジア最大の投資塾である株塾を運営している私たちが、高配当株の落とし穴をお伝えします。

今まさに高配当株の銘柄探しをしている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

買ってはいけない高配当株はある

買ってはいけない高配当株はあります。

高配当株といわれる基準は、配当利回り3~5%以上といわれています。

その基準を達成していたとしても、買うことで損をしてしまう銘柄があるのです。

買うタイミングでは高配当株だったとしても、実際に配当を受け取る際には高配当株でない可能性があります。

いざ買ったら配当なしといったケースもありますから、本当に買うべき高配当株かどうかはしっかり検討するようにしましょう。

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買ってはいけない高配当株の特徴6

買ってはいけない高配当株の特徴をまとめました。

  • 配当利回りが高すぎる
  • 業績が悪化している
  • 配当性向100%以上
  • 配当金がこれまでと比べて急増している
  • 減配の実績が多い
  • 配当なしの実績がある

当てはまる特徴があればあるほど、買ってはいけない度合いが高くなります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

配当利回りが高すぎる

配当利回りが高すぎる高配当株には注意しましょう。

一般的に、配当利回り3%以上で高配当といわれています。

しかし高配当株ランキングを見てみると、3%どころか10%超えの銘柄もあります。

買ってはいけない高配当株,配当利回り比較

各市場の平均利回りと、高配当株といわれる利回り・高すぎる利回りを比較すればその差がわかりますね。

10%という超高配当は嬉しく感じますが、問題になるのは、配当利回り10%をいつまでキープできるかということ。

配当利回りが極端に高い場合、継続できずに減配が行われてしまう可能性が高いのです。

業績が悪化している

業績が悪化している場合、高配当株でも注意すべきです。

特に2年以上連続して業績が悪化している場合は要注意。

来年には高配当を維持できず、減配となる可能性があります。

業績がいいからこそ、株主に利益を還元できるわけですから、業績がどうなっているかは必ず確認しておきましょう。

配当性向100%以上

買ってはいけない高配当株,配当性向100%以上

配当性向100%以上の銘柄にも要注意。

配当性向とは、純利益のうち配当金の支払いにどれくらい振り分けているかを示す指標です。

つまり配当性向100%は、純利益をすべて配当金に回しているということです。

配当性向100%以上ともなると、利益よりも配当金のほうが上回っている状態。

長期的に見れば、長く続く可能性は低いでしょう。

配当性向100%を維持するために、企業が借り入れを行うなどし続ければ本末転倒です。

高配当を維持できる可能性は低いため、配当性向100%以上の銘柄には注意してください。

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配当金がこれまでと比べて急増している

配当金がこれまでと比べて急増している場合、高配当株だと思って手を出さないほうが良いでしょう。

あくまでも一時的な上昇で、来年には元の配当に戻ってしまうからです。

たまたまその年の利益が爆発的に増え、配当に反映されているだけかもしれません。

配当金の推移をチェックして、急増しているなら注意しましょう。

減配の実績が多い

減配の実績が多い高配当株にも注意が必要です。

今後も減配をする可能性が高いですから、気付けば高配当ではなくなってしまったなんてことも。

減配と増配がバランスよく行われているならまだしも、減配続きの場合は要注意。

減配の実績が多ければ多いほど、高配当株としての価値は長続きしないかもしれません。

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配当なしの実績がある

配当なしの実績があるかどうかも、確認しておきたい要素の一つです。

万が一配当なしの実績があれば、「今後も配当なしのタイミングがあるかも」と頭に入れておきましょう。

そのうえで高配当株として魅力的かどうか判断するのです。

たまになら配当なしでもいいのか、一回でも配当なしがあるのは嫌なのか、投資の目的を踏まえたうえで判断してくださいね。

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実際に「買ってはいけない高配当株」といわれる2銘柄を検証

実際に「買ってはいけない高配当株」といわれる2銘柄を検証してみましょう。

結論としては、どちらも「買ってはいけない高配当株」には当てはまりませんでした。

JT(日本たばこ産業)

大手たばこメーカーであるJTは、世界130か国以上でたばこ製品を販売しています。

買ってはいけない高配当株として名前をあげられることもあるJTは、検証の結果「買ってはいけない高配当株ではない」という結論になりました。

まずはJTの基本情報から確認してみましょう。

配当利回り 6.19%
業績 3年連続増益
配当性向 71.4%
減配実績 1回
無配実績 0回

※2023年12月時点

業績は好調、配当性向も100%未満、減配実績も少なめと好条件がそろっています。

JT,業績,配当推移

上図は業績と配当の推移ですが、特に大きなデメリットは見受けられませんね。

ではなぜJTが「買ってはいけない高配当株」といわれることがあるのか。

最も考えられるのは、たばこ市場の将来性が危ういことです。

喫煙者は年々減少し、たばこ税は増加している現状、業績が悪化するのではと問題視されているわけですね。

しかし実際のところ業績は3年連続増益となっています。

日本郵船

日本郵船は、日本の大手海運会社です。

買ってはいけない高配当株かどうかについては、検証の結果「買ってはいけない高配当株ではない」という結論です。

さっそく日本郵船の基本情報から見ていきましょう。

配当利回り 3.62%
業績 前年比約1割減
配当性向 29.9%
減配実績 6回
無配実績 1回

※2024年3月時点

配当利回りは3%以上、配当性向も29.9%と低めです。

一方で、業績が右肩上がりになっているわけではなく、減配実績は多め。

減配実績が多いのは、海運業の業績が景気に大きく左右される影響だと考えられます。

業績が良い時は配当金が増え、通常時に戻ると配当金もその分減額されるわけです。

実際に日本郵船の業績と配当金の推移を見てみましょう。

日本郵船,業績,配当推移

コロナ禍での需要により売り上げが通常より多かった分、その需要が落ち着いてきたことによって業績が下がっていると考えられます。

また配当金が減っているとはいえ、利回りが悪くなっているとはいえず、むしろこれまでが良すぎたともいえますね。

とはいえ、変動があることは事実なので、とにかく安定的な高配当株を求めているなら、他の銘柄を検討しましょう。

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買ってはいけない高配当株に関してよくある質問

買ってはいけない高配当株に関してよくある質問をまとめました。

不安な部分はできるだけなくした状態にしておきましょう。

高配当株は買うべき?

長期での運用を考えているなら、高配当株は買うべきです。

もちろん、高配当株だけでいいかどうかは慎重に検討するようにしましょう。

高配当株への投資は、初心者でも比較的取り組みやすく、キャピタルゲインを狙うよりはリスクを抑えられる可能性が高いです。

長期・安定的といった投資方針であれば、オススメの投資方法といえますね。

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配当利回りはどこまで信用すべき?

配当利回りだけで信用しないようにしましょう。

あくまで指標の一つとしてみるのがオススメです。

信用できないわけではないですが、配当利回りだけでなく他の情報も参考にするようにしましょう。

配当利回りが高いからといって、買うべき高配当株だとは限りません。

買うべき高配当株の条件は?

買うべき高配当株の条件は以下の通り。

  • 利回り3%以上
  • 配当性向30~50%
  • 増配の実績が多いか
  • EPSが5年以上継続上昇

長期で保有するなら、安定して配当金がでる条件を押さえておきましょう。

詳しくは下記の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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まとめ

買ってはいけない高配当株は存在します。

パッと見ただけでは、高配当で魅力を感じるかもしれませんが、買うかどうかは慎重に検討しましょう。

減配が行われ、高配当でなくなる可能性があります。

業績はどうか、これまでの配当金の推移はどうなっているのか、情報を集めたうえで判断するようにしてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。

あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。

情報をわかりやすく、魅力的にお届けすることがモッ

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