「信託財産留保額ってなんだろう?」と疑問に思っていませんか?
投資信託の購入を検討しているものの、信託財産留保額がどのようなコストで、いくらかかるのかがよくわからず、知りたいという人が多いようです。
そこで今回は、信託財産留保額の概要や計算方法などについて解説します。
本記事を読むと、信託財産留保額の仕組みがわかったうえで、投資信託のコストも把握できるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
信託財産留保額の基本
本章では、信託財産留保額の基本について、以下の2つの見出しに沿って解説します。
- 信託財産留保額とは
- 信託財産留保額の計算方法
それぞれみていきましょう。
信託財産留保額とは
信託財産留保額とは、投資信託を解約するときに投資家が負担する費用のことです。
解約代金から一定率が差し引かれますが、販売会社や運用会社の収入にはならず、ファンドの信託財産に留保されます。
料率はファンドごとに異なり、基準価額(投資信託の1万口あたりの価格)の0.2%や0.5%といった水準が見られますが、信託財産留保額が設定されていないファンドも多いです。
投資信託を購入する際は、目論見書(投資信託の説明書)で信託財産留保額の有無と料率を確認しておきましょう。
信託財産留保額の計算方法
信託財産留保額の計算式は、以下のとおりです。
なお、留保率は、信託財産留保額の料率を指します。
| 信託財産留保額 = 解約時の基準価額 × 留保率 × 解約口数 ÷ 1万口 |
たとえば、基準価額15,000円(1万口あたり)、留保率0.3%のファンドを100万口解約するケースを考えてみましょう。
計算式は「15,000円 × 0.3%(0.003) × 100万口 ÷ 1万口」で、負担額は4,500円です。解
約代金150万円から4,500円が差し引かれ、手取りは149万5,500円という計算になります。
留保率さえわかれば簡単に算出できるため、解約前に保有ファンドの留保率を調べ、負担額を試算しておきましょう。
なお、端数の扱いは運用会社によって異なる場合があります。
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投資信託にかかるそのほかのコスト
本章では、投資信託での資産運用でかかる、信託財産留保額以外のコストについて解説します。
- 購入時手数料(販売手数料)
- 運用管理費用(信託報酬)
- 監査報酬・売買委託手数料など隠れコスト
- 税金
それぞれみていきましょう。
購入時手数料(販売手数料)
購入時手数料は、商品説明や販売受付事務といったサービスへの対価として、投資信託を購入するとき販売会社に支払う手数料です。
料率は購入金額の0〜3%程度で、同じファンドでも販売会社によって異なる場合があります。
近年ではネット証券を中心に、購入時手数料が無料の「ノーロード投資信託」が増えてきました。
購入コストをできるだけ抑えたい投資初心者は、まずノーロードのファンドから選ぶことが基本です。
運用管理費用(信託報酬)
運用管理費用(信託報酬)は、運用会社・販売会社・信託銀行に、運用・管理業務などの対価として支払うコストです。
料率は年率0.05〜3%程度で、信託財産から日々自動的に差し引かれます。
市場平均への連動を目指すインデックスファンドは低く、プロが銘柄を選ぶアクティブファンドは高くなりやすいです。
保有期間が長いほど負担が積み重なるため、長期投資では特に重視すべきコストだといえるでしょう。
監査報酬・売買委託手数料など隠れコスト
投資信託には、信託報酬のほかに、信託財産から支払われる「隠れコスト」があります。
たとえば、ファンドの会計監査にかかる監査報酬、株式などを売買する際の売買委託手数料、外国資産の保管費用などです。
実際の負担率は、運用報告書の「1万口当たりの費用明細」で確認できます。
信託報酬が同水準のファンドでも、隠れコストを含めると総コストに差が出る場合があるため注意しましょう。
税金
投資信託では、普通分配金(運用で得た利益から支払われる分配金)や売却益に対して、20.315%の税金がかかります。
なお、元本払戻金(特別分配金)は非課税です。
たとえば、10万円の売却益が出た場合、約2万円が税金として差し引かれます。
ただし、NISA口座を利用すれば、分配金や売却益に税金はかかりません。
税負担を抑えながら効率よく運用したい人は、NISAの活用を積極的に検討しましょう。
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信託財産留保額のメリット
本章では、信託財産留保額が設定されていることのメリットを、以下の内容に沿って解説します。
- 既存の受益者に対する公平性を保てる
- 短期売買の抑制効果がある
それぞれみていきましょう。
既存の受益者に対する公平性を保てる
信託財産留保額は、ファンドに残り続ける投資家(受益者)に対する公平性を保つうえで、重要な役割を果たします。
解約時には保有資産の売却にかかるコストが発生しますが、この費用を解約者自身に負担してもらうことで、引き続きファンドを保有する投資家は、そのコストの影響を受けずに済むのです。
もし信託財産留保額がなければ、一部の投資家の解約によって生じた売却コストが、基準価額の下落という形で残りの受益者全体に転嫁され、不公平が生じかねません。
信託財産留保額は解約コストを解約者自身に負担させることで、残りの受益者の公平性を守る役割なのです。
短期売買の抑制効果がある
信託財産留保額には、短期売買を抑制する効果も期待できます。
信託財産留保額は、投資家がファンドを解約する際に差し引かれるため、短期間で売買を繰り返すほどコストがかさむ仕組みです。
これにより、頻繁な解約によるファンドへの悪影響が軽減され、長期保有を続ける投資家の運用成果が損なわれにくくなります。
信託財産留保額によって短期売買が抑えられれば、ファンド全体の安定運用にもつながるといえるでしょう。
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信託財産留保額のデメリット
本章では、信託財産留保額のデメリットについて解説します。
- 解約時の手取り額が減る
- 短期で売却するほど実質コストが大きい
それぞれみていきましょう。
解約時の手取り額が減る
信託財産留保額が設定されているファンドでは、解約時の手取り額が留保額の分だけ減少する点がデメリットです。
たとえば、留保率が0.3%の投資信託を100万円分解約した場合、3,000円が差し引かれます。
負担としては小さいケースが多いものの、解約金額が増えるほどコストも大きくなる点に注意が必要です。
短期で売却するほど実質コストが大きい
信託財産留保額は、保有期間が短いと、実質的なコスト負担が重くなる点に注意が必要です。
たとえば留保率が0.3%の場合、1ヶ月で売却すると、年率換算した負担は単純計算で約3.6%にもなります。
一方で10年保有すれば、年率換算した負担は0.03%程度まで薄まり、影響はごく小さくなるのです。
信託財産留保額のあるファンドは、長期保有を前提に選ぶことが重要であり、短期的な売買には不向きといえます。
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信託財産留保額の金額別シミュレーション
留保率0.3%のファンドを解約した場合、信託財産留保額が実際いくらになるのか、金額別に確認してみましょう。
解約金額ごとの負担額と手取り額を、以下の表にまとめました。
なお、手取り額は税金を考慮していません。
| 解約金額 | 信託財産留保額(留保率0.3%) | 手取り額 |
| 10万円 | 300円 | 9万9,700円 |
| 50万円 | 1,500円 | 49万8,500円 |
| 100万円 | 3,000円 | 99万7,000円 |
| 300万円 | 9,000円 | 299万1,000円 |
| 500万円 | 1万5,000円 | 498万5,000円 |
| 1,000万円 | 3万円 | 997万円 |
表からわかるとおり、負担額は解約金額に比例して増えるものの、長期保有を前提にすれば、留保率0.3%程度の影響は限定的です。
留保率はファンドごとに設定が異なるため、保有ファンドの留保率を確認のうえ、計算してみてください。
よくある質問
信託財産留保額と解約手数料の違いは?
信託財産留保額と解約手数料は、差し引かれたお金の「行き先」が異なります。
信託財産留保額はファンドの信託財産に組み入れられる一方で、解約手数料は販売会社の収入になります。
両者は混同されやすいものの、性質が異なるコストだと理解しておきましょう。
ちなみに、現在の投資信託では、解約手数料が設定されているケースは多くありません。
信託財産留保額はいつ引かれる?
信託財産留保額は、投資信託を解約(売却)したタイミングで差し引かれます。
なお、具体的な料率はファンドごとに異なる点に注意が必要です。
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まとめ
今回は、信託財産留保額の仕組みや計算方法、メリット・デメリットについて解説しました。
信託財産留保額は解約時に差し引かれますが、ファンドに留保されることで残りの受益者との公平性を保つ役割があり、短期売買の抑制も期待できます。
一方で、短期で売却するほど実質コストが大きくなる点に注意が必要です。
ぜひ、投資信託の購入・解約前に、信託財産留保額の有無と留保率を確認してみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





