「景気敏感株ってどんな銘柄なんだろう?」と疑問に思っていませんか?
景気敏感株という言葉は聞いたことがあるものの、具体的にどのような株なのかわからないという人が多いようです。
そこで今回は、景気敏感株の基本的な意味や代表的なセクター、投資するメリット・注意点について解説します。
本記事を読むと、初心者でも景気敏感株の特徴を理解できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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景気敏感株の意味
本章では、景気敏感株について以下の見出しに沿って解説します。
- 景気敏感株とは
- 景気敏感株とディフェンシブ株の違い
それぞれみていきましょう。
景気敏感株とは
景気敏感株は「景気循環株(シクリカル株)」とも呼ばれ、景気の波に連動して業績と株価が循環的に動く銘柄を指します。
鉄鋼・化学・機械・自動車・海運など、景気と結び付きの強い分野が、景気敏感株を代表する業種です。
景気には「回復→好況→後退→不況」という4つの局面があり、これが繰り返されることを景気循環(サイクル)と呼びます。
景気敏感株への投資では、現在がサイクルのどの局面にあたるかを意識して売買する姿勢が基本です。
景気回復の初期段階で買い、景気のピーク付近で売るという戦略が一般的とされます。
ただし、株価は景気の動きに先行する傾向にあるため、景気の回復が確認できた時点では、株価がすでに上昇していることもあるでしょう。
景気敏感株とディフェンシブ株の違い
ディフェンシブ株とは、景気の変動に左右されにくい業種の株式のことです。
人々の日常生活に欠かせない製品やサービスを提供しているため、景気が悪化しても需要が大きく落ち込みにくく、業績や株価が比較的安定しています。
食品、医薬品、電気・ガス、通信といった、生活必需品やインフラ関連の企業が代表的な銘柄です。
景気敏感株とディフェンシブ株の特徴の違いを、以下の表でまとめました。
| 項目 | 景気敏感株 | ディフェンシブ株 |
| 業績・株価の動き | 景気に連動して大きく変動する | 景気に左右されにくく安定しやすい |
| 代表的な業種 | 鉄鋼・化学・機械・自動車・海運など | 食品・医薬品・電気・ガス・通信など |
| 力を発揮する局面 | 景気の回復・好況期 | 景気の後退・不況期 |
大きな値上がりを狙うなら景気敏感株、値動きの安定を求めるならディフェンシブ株という関係です。
性格が正反対の2種類を区別して覚えておくと、相場の局面に合わせた銘柄選びがしやすくなるでしょう。
景気敏感株のセクター
本章では、景気敏感株に分類されることの多い代表的なセクター(業種のグループ)について解説します。
- 鉄鋼・非鉄金属
- 化学
- 機械
- 自動車・輸送用機器
- 海運・空運
- 紙・パルプ
それぞれ順番にみていきましょう。
鉄鋼・非鉄金属
鉄鋼・非鉄金属は、景気動向に左右されやすい素材セクターとして広く認識されています。
鉄やアルミなどの金属は、建設・自動車・機械と幅広い産業の基礎素材であり、景気拡大期には需要が一気に膨らみやすいことが特徴です。
反対に景気が後退して建設や製造の活動が鈍ると、在庫調整や金属価格の下落で業績が悪化しやすくなります。
代表銘柄は、日本製鉄(5401)・JFEホールディングス(5411)・三菱マテリアル(5711)などです。
化学
化学セクターも、景気の影響を強く受けやすい素材系の景気敏感株として知られています。
樹脂や合成繊維といった化学製品は、多くの産業で中間素材に使われ、納品先の生産動向に業績が左右されやすいです。
たとえば、自動車や家電の生産が増えると、原料となる樹脂の需要も伸びて、業績が改善しやすくなります。
しかし、原油をはじめとする原材料価格の変動が利益を圧迫する場合もあり、市況(原材料や製品の市場価格の動き)には注意が必要です。
代表銘柄には、三菱ケミカルグループ(4188)・住友化学(4005)・旭化成(3407)などが並びます。
機械
機械セクターは、企業による設備投資の動きに、業績が連動しやすい景気敏感株です。
景気が上向くと、企業は生産能力を増やそうと投資を拡大し、工作機械や建設機械の受注が増えます。
反対に景気後退の局面では設備投資が削られやすく、受注の減少とともに業績も落ち込みやすいです。
代表銘柄には、コマツ(6301)・SMC(6273)・DMG森精機(6141)といった機械メーカーが挙げられます。
自動車・輸送用機器
自動車・輸送用機器セクターは景気の変動を受けやすく、個人消費の動きと深い関連性があります。
自動車は数百万円もする高額な商品であるため、景気悪化で節約志向が強まると、買い替えが先送りされやすいです。
また、海外への輸出比率が高いメーカーが多く、為替相場(円高・円安)の影響を大きく受けます。
一般に円安は輸出企業の追い風になり、円高は利益を目減りさせる逆風になりやすいです。
代表銘柄には、トヨタ自動車(7203)・ホンダ(7267)・デンソー(6902)などが名を連ねています。
海運・空運
海運・空運といった運輸セクターも、景気の影響を受けやすい業種です。
景気が拡大して貿易量・物流量・旅客需要が増えると、運賃の上昇や輸送量の増加が業績を押し上げます。
特に海運は世界経済や運賃市況の影響が大きく、市況次第で株価が数倍まで上昇するケースもあるほどです。
実際に日本郵船(9101)は、2021年に当時の株価で年初の2,410円から12月初めの8,160円まで、約3.4倍になりました。
一方で景気後退時には輸送需要の減少で、業績が急速に悪化するリスクを抱えています。
たとえばリーマン・ショック後は、荷動きの減少と船舶の供給過剰で「海運不況」が長く続きました。
空運は、景気の拡大で出張や旅行が増えると、旅客数が伸びて業績が改善しやすいことが特徴です。
代表銘柄には、海運の日本郵船(9101)や商船三井(9104)、空運のANAホールディングス(9202)などが挙げられます。
紙・パルプ
紙・パルプも、景気敏感セクターのひとつに数えられます。
段ボールや包装資材の売れ行きは、世の中の物流量や生産活動と連動し、景気の波を受けやすいです。
たとえば、景気の拡大期には通販や物流が活発化して段ボール需要が伸び、業績の改善につながりやすくなります。
代表銘柄は、王子ホールディングス(3861)・日本製紙(3863)などの大手製紙会社です。
景気敏感株に投資するメリット
本章では、景気敏感株に投資するメリットとして、以下の内容について解説します。
- 景気回復局面で大きなリターンが期待できる
- 割安なタイミングで仕込みやすい
- ディフェンシブ株と組み合わせてリスクを分散しやすい
それぞれみていきましょう。
景気回復局面で大きなリターンが期待できる
景気敏感株への投資では、景気回復局面で株価の大きな上昇を期待できる点がメリットです。
景気の持ち直しで需要が急回復すると、業績が市場の予想を上回る勢いで改善し、株価に強く反映されます。
特に景気の底から回復に転じる局面では、企業収益の改善期待が先行して織り込まれるため、短期間で大きなリターンを得られるケースもあるでしょう。
景気のサイクルを見極め、割安な局面で投資できれば、大きな利益を狙うことも可能です。
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割安なタイミングで仕込みやすい
景気敏感株は、割安な価格で仕込みやすい点も魅力です。
景気後退局面では、業績悪化への懸念から株価が大きく下落する傾向にありますが、裏を返せば、将来の景気回復を見据えて、株価が下がったところで買える場面が出てくることもあります。
景気は循環するものであり、不況が永遠に続くわけではありません。
市場全体が悲観に傾いているタイミングで買っておけば、景気回復に伴う業績改善とともに、株価の上昇が期待できます。
ディフェンシブ株と組み合わせてリスクを分散しやすい
景気敏感株とディフェンシブ株を組み合わせると、ポートフォリオ全体の値動きを安定させやすくなります。
たとえば、好況期に上昇しやすい鉄鋼・化学などの素材株と、不況に強い食品・医薬品株を組み合わせたとしましょう。
すると、好況期には素材株がリターンを押し上げ、不況期には食品・医薬品株が下落を和らげる効果が期待できます。
景気の局面ごとに値動きの異なる銘柄を持ち合えば、リスクを抑えながら収益の機会を広げやすいです。
資産配分のバランスを意識しながら組み入れて、安定性と収益性の両立も目指してみましょう。
景気敏感株に投資する際の注意点
本章では、景気敏感株に投資する際の注意点として、以下の内容について解説します。
- 景気サイクルの見極めが重要になる
- 景気以外の要因でも業績は変動する
- 実態よりも割安にみえることがある
それぞれみていきましょう。
景気サイクルの見極めが重要になる
景気敏感株への投資では、まず景気サイクルの見極めが重要です。
景気拡大期には業績が大きく伸びる一方で、後退期には急激に悪化するので、売買のタイミングを誤ると大きな損失を被る可能性があります。
GDP成長率や製造業PMI(企業の購買担当者へのアンケートをもとにした景況感の指標)、景気動向指数(CI・DI)などの経済指標を定期的に確認し、景気の転換点を意識することが大切です。
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景気以外の要因でも業績は変動する
為替や原材料価格の変動など、景気以外の要因で業績が左右される場合もあります。
たとえば、自動車は為替、化学は原油価格の動きが業績を動かしやすい業種です。
実態よりも割安にみえることがある
景気敏感株は、業績がピークを迎えて利益が大きく膨らむと、株価が利益の何倍かを示すPER(株価収益率)が低くなり、割安にみえることがあります。
数値の低さだけでお買い得だと判断しないよう、注意が必要です。
よくある質問
景気が悪くなりそうなときはどうすればいいですか?
景気後退の局面に入ると業績の悪化とともに株価も下落しやすいため、景気の悪化が予想される局面では、景気敏感株の保有比率を下げることも有効な対応のひとつです。
具体的には、保有株の一部を売却(利益確定または損切り)し、ディフェンシブ株や債券へ資金を移す方法があります。
ただし、株価は景気後退が確認される前から下落し始めることもあるため、どの程度減らすかは、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて判断しましょう。
NISAで景気敏感株を買うことはできますか?
はい、可能です。
新NISAの「成長投資枠」を利用すれば、日本株や米国株の景気敏感株を購入できます。
なお、つみたて投資枠で買えるのは対象の投資信託のみで、個別株は買えません。
うまく安値で買って高値で売却できれば、NISAの非課税メリットを受けられます。
一方、NISA口座で出た損失は、課税口座の利益と損益通算できない点に注意が必要です。
NISAは損益通算できる?NISAで損失を出さないコツも解説
まとめ
今回は、景気敏感株の基本的な特徴と代表的なセクター、投資するメリットや注意点について解説しました。
景気敏感株は景気の波に連動して株価が大きく動くため、景気回復局面では大きなリターンが期待できます。
一方で、景気後退時には株価が急落するリスクがある点に、注意しましょう。
大切なのは、景気サイクルの転換点を意識しながら、ディフェンシブ株と組み合わせるなどリスクを分散させることです。
ぜひ本記事を参考に、景気の局面に合わせた銘柄選びに役立ててみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





