相場格言「三割高下に向かえ」とは?欲に左右されないために

三割高下に向かえ

相場格言「三割高下に向かえ」という言葉をご存知でしょうか?

実は「三(割)」という数値は、株式投資において重要とされており相場格言によく登場します。

とくに「利益を追求しすぎて逆に大損した」経験がある方には、相場格言「三割高下に向かえ」の意味や教訓が役立つことでしょう。株式投資の基本の考え方ですので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 「三割高下に向かえ」の出典
  • 意味と教訓
  • 格言を生かすシチュエーション
目次

格言の出典

相場格言「三割高下に向かえ」の出典は、江戸時代に大阪の米相場(世界初の先物市場)で大きな富を得た牛田権三郎氏が、60年間かけて執筆した相場の攻略本「三猿金泉秘録」です。

彼についての記録や偉業についてはほとんど残されておらず、この「三猿金泉秘録」が彼の存在を示す唯一の書物です。

出典元となった言葉は「高下とも五分、一割にしたがいて、二割、三割は向かう理と知れ」となります。

「三割高下に向かえ」以外にも、「二割、三割向かう理と知れ」といわれることもあるので覚えておきましょう。

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格言の意味とその教訓

次に、相場格言「三割高下に向かえ」の気になる意味や教訓についてご紹介していきます。

株式投資において、持っている株の株価が上昇すると「できるだけ利益を大きくしたい」と欲張ってしまう方は少なくないでしょう。とくに思っている以上に一気に株価が上昇しているところを見ると、強い期待を抱いてしまうものですよね。

ただし、あまりにも欲張って株を保有したままでいるとなにかの拍子に株価が下落して、さっきまではあった含み益がマイナスになってしまう可能性があります。「もっと早めに売っておけばよかった……。」と後悔することになりかねませんよね。

そこで、相場格言「三割高下に向かえ」が役立ちます。

株式投資においては「三割」を目標として、取引をしていこうということです。というのも、「買ったときの株価から三割(30%)上昇したら、絶対に売ろう」と決めておき利食いをする戦法をとることで、売りのタイミングの迷いがなくなります。

また、「買ったときの株価から三割下落したら、絶対に売ろう」と決めて損切りルールを作っておくこともいいかもしれませんね。

損を取り返そうと保有し続けたくなるところですが、そのあと三割を超えて株価が下落するリスクを鑑みると三割で損切りをしておく方が損失を減らせるでしょう。

また、株を買おうとしているときも同様です。

最安値で買いたいと思ってしまうものですが、それを追い求めすぎると買いのタイミングを失ってしまう原因となります。具体的には「安値圏もしくは買おうとしていた株価から三割下落したら、絶対に買おう」などと決めておくといいでしょう。

このように、株式投資では相場格言「三割高下に向かえ」の「三割」のキーワードを教訓として意識しながら売買をすることで、リスクを抑えつつ安定した利益を得られる投資が可能になります。

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格言を生かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。

より稼ぎたいという欲求のコントロールをする

株式投資ではどうしても「1回の売買で大きな利益を得ること」に意識が傾きがちです。

そのため最高値で売りたい、最安値で買いたいと欲張ったりしてしまいます。

その結果、含み益があったのにいつの間にか損失になってしまったという経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

あらかじめ、自分の中でルールを決めておけば、こうした事態を防ぐことも可能です。

その一つの考え方として、この相場格言の「三割高下に向かえ」が役立ちます。

あらかじめ三割上昇したら終了と決めておけば、欲張って利益を取り損ねることも減らせるかもしれません。

また、損失が膨らんでいるときも、三割を一つのラインとして設定しておくと、潔く諦めが付くかもしれませんね。

このようなトレーダー特有の心理を抑えるために、こうした投資格言を生かしてみてもおもしろいのではないでしょうか。

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まとめ

  • 「三割高下に向かえ」は江戸時代の米相場師である牛田権三郎氏が書物に残した相場格言
  • 相場格言「三割高下に向かえ」とは、基準となる株価から三割上昇(下落)したところが売り(買い)のタイミングであるという意味
  • 欲張り過ぎて損失が膨らまないようにするためにも生かすことができる相場格言

本記事では相場格言「三割高下に向かえ」の出典や意味、生かすべきシチュエーションについて解説してきました。

この教訓を守っておけば、比較的安定した利益を得ることができそうですよね。

利益確定のタイミングや損切りのタイミングで迷っている人は、試してみてもいいかもしれません。

自分に合ったトレードルールを見つけて、より利益を上げられるようになっていきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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