「デイトレードで取引は勝っているのに手数料負けしたくない」――そう感じていませんか?
せっかく利益を出しても、手数料で帳消しになってしまうのは避けたいところです。
デイトレードでは取引回数が多く、手数料が積み上がりやすいのが現実。
しかし、正しい知識と工夫で“手数料負け”は防ぐことができます。
本記事では、デイトレードで手数料負けしないための考え方と実践法をわかりやすく解説します。
【初心者向け】デイトレードのやり方を解説。株で安定して稼ぐためには
デイトレードの手数料負けとは

デイトレードの「手数料負け」とは、売買手数料の合計が取引利益を上回ってしまうことです。
1回の利益はプラスでも、トータルではマイナスになる典型的な失敗パターンです。
デイトレードは一日のうちに何度も売買を繰り返すため、中長期投資よりも手数料が増えやすく、気づかぬうちに利益を削ってしまうことがあります。
株式投資における手数料とは?株初心者にもわかりやすく解説します。
デイトレードで手数料負けする理由
デイトレードで手数料負けする理由は、大きく3つあります。
- 手数料が高すぎる
- 取引回数が多すぎる
- 利益が小さすぎる
手数料負けをしないためにも、まずなぜ負けてしまうかを把握しましょう。
手数料が高すぎる
デイトレードで手数料負けする理由の一つは、手数料が高すぎるためです。
証券会社ごとに手数料体系は異なり、取引量に対して割高なプランを使っていると、利益の大部分をコストで失うケースもあります。
まずは現在の取引額と手数料率のバランスを見直しましょう。
取引回数が多すぎる
取引回数が多すぎて、手数料負けをしてしまっている可能性があります。
取引のたびに手数料がかかっている場合、1回よりも10回取引をしている方が手数料はかかってしまいますよね。
デイトレードの中には、スキャルピングという「数秒から数分単位での取引」を繰り返していき、小さな利益をたくさん積み重ねていく手法があります。
しかし、それだけ手数料も積み重なってしまい、結果的に手数料負けしてしまうのです。
利益が小さすぎる
狙っている利益が小さすぎるのも、手数料負けをしてしまう理由の一つです。
手数料が5%だとして、利益が+3%という基準であれば、利益よりも手数料のほうが大きくなってしまいます。
デイトレードは小さな利益を積み重ねるものとはいえ、小さすぎる利益では勝てません。
利益確定のラインが、手数料以下の基準になっていないかが重要なのです。
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デイトレードで手数料負けしないためのポイント
デイトレードで勝つために、手数料負けしないためのポイントを押さえておきましょう。
手数料負けするのは、「手数料がかかりすぎている」か「利益が少なすぎる」ためです。
そのうえで、手数料負けしないために何ができるのか考えてくださいね。
手数料の安い証券を使う

手数料負けしないためにも、手数料の安い証券を使いましょう。
証券ごとに手数料は異なるため、それによってデイトレードの勝敗が左右されてしまいます。
手数料が高い証券よりも、手数料が安い証券のほうが、手数料負けをする可能性は低くなりますよね。
また、1回ごとに手数料がかかるか、それとも1日定額制かどうかも比較したいポイントです。
証券会社の手数料比較表
実際に、証券会社の手数料がどうなっているのか比較してみましょう。
| 1約定ごと | 1日定額制 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 20万円 | 50万円 | 100万円 | 10万円 | 50万円 | 100万円 | |
| SBI証券 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 楽天証券 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| マネックス証券 | 99円 | 115円 | 275円 | 535円 | 550円 | 550円 | 550円 |
| auカブコム証券 | 99円 | 115円 | 275円 | 535円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 松井証券 | – | – | – | – | 0円 | 0円 | 1,100円 |
| SBIネオトレード証券 | 88円 | 100円 | 198円 | 374円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| GMOクリック証券 | 90円 | 100円 | 260円 | 460円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 岡三オンライン | 108円 | 220円 | 385円 | 660円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| DMM株 | 88円 | 106円 | 198円 | 374円 | – | – | – |
| STREAM | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 内藤証券 (ネット取引) |
183円 | 419円 | 419円 | 754円 | 199円 | 451円 | 828円 |
| 大和コネクト証券 | 33円 | 66円 | 165円 | 330円 | – | – | – |
一律0円の証券会社もあれば、10万円でも取引手数料が発生する証券会社もあることがわかります。
また1約定ごとではなく、1日定額制で手数料が決まる形式もあります。
どちらにせよ、手数料がかかる場合は、それ以上の利益を出していかなければ、手数料負けしてしまいます。
証券会社によってサービスは異なりますが、結局は自分のスタイルに合うかどうかが重要です。
自分に合った証券会社を選ぶべきであり、特にこだわりがないのであれば、手数料の安さで選びましょう。
今使っている証券よりも、手数料の安い証券があるのであれば、「乗り換え」を検討すべきです。
定額プランも要検討
デイトレードの中でも取引回数が多いのであれば、定額プランも検討しましょう。
とはいえ、SBI証券や楽天証券など、そもそも手数料0円の証券会社で問題ないのであれば、そちらで取引をすれば問題ありません。
自分が使いたい証券と、手数料を踏まえたうえで実践しましょう。
手数料<利益を意識する
デイトレードで手数料負けをしないためにも、「手数料<利益」を意識しましょう。
手数料が取引価格の5%であれば、利益はそれ以上に設定しておかなければ勝つことはできません。
注意したいのが、手数料は買いと売りそれぞれで発生するということです。
例えば、100円の銘柄を買ったとします。
その後105円に上昇したタイミングで売ると5円の利益ですね。
利益率でいえば5%となります。
一方、手数料は買いと売りそれぞれで発生するため、買いで5円、売りで5.25円かかることとなり合計10.25円の手数料が発生します。
利益は5円なので、手数料負けをしてしまっているわけです。
「手数料<利益」を意識したうえで、いつ利益確定するかを考えましょう。
無駄な取引を減らす
無駄な取引はできるだけ減らしましょう。
利益の小さい取引や、損失を抱えた取引が多ければ多いほど、デイトレードで手数料負けもしやすくなってしまいます。
取引回数が無駄に多すぎることで、手数料の負担が大きくなってしまっているかもしれないのです。
デイトレードで勝つためには、いかに手数料の負担を減らしつつ、利益を狙えるかがポイントです。
量より質という視点で、日々トレードの技術を磨き、無駄な取引は減らしていきましょう。
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手数料負けするうちは空売りしない
手数料負けするうちは、空売りは控えましょう。
空売りは、株価下落時にも利益を狙いに行けるところがメリットですが、コストもかかる手法です。
きちんと利益を積み重ねられない状況で空売りをすれば、余計に損失が膨らむ可能性があります。
空売りには手数料以外の費用も発生する
空売りには、手数料以外の費用も発生してきます。
金利・貸株料・逆日歩など、通常の取引とは異なるコストがかかるため注意しましょう。
通常の取引でも手数料負けする状況で、空売りをすればより手数料負けしやすくなってしまいます。
配当落調整金を支払わなければならないことも
空売りをすることで、配当落調整金を支払わなければならないこともあります。
配当金を受け取るどころか、むしろ支払うハメになるわけですね。
空売りをするのであれば、まず手数料負けしないほど利益を積み重ねられる技術を身につけてからにしましょう。
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よくある質問Q&A
Q1. 手数料0円の証券会社でも注意点はありますか?
A. 取引条件によっては対象外(信用取引やETFなど)となる場合があります。
必ず「無料対象の範囲」を確認しましょう。
Q2. 1回の利益が小さくても、回数でカバーできませんか?
A. 理論上は可能ですが、回数が増えるほどミスやノイズが増え、結果的に手数料が利益を圧迫します。
質重視が基本です。
Q3. 手数料は経費として控除できますか?
A. 個人投資家の場合は、確定申告時に「譲渡所得の計算上、取得費・譲渡費用」として控除可能です。
まとめ
デイトレードで利益を残すためには、「手数料を減らす」よりも「手数料を上回る利益を出す」ことが本質です。
そのうえで、手数料以上の利益を狙えるよう、トレードの技術を磨いていってください。
技術は一朝一夕で身につくものではありません。
技術と経験を積み重ねることで、自然と手数料負けしない取引ができるようになります。
「株塾」では、3,000名以上の塾生が実践的なトレード技術を学んでいます。
正しい知識と環境で、あなたの取引を“負けない仕組み”に変えていきましょう。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。







