株式投資をしていると、空売りで利益を出している人を見かけることがあるのではないでしょうか?
気になって空売りについて調べてみるけど「いまいちピンとこないな」という方も多いようです。
そこで今回は空売りについて、わかりやすく解説します。
また、空売りの儲け方や空売りをする際の注意点についても紹介します。
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空売りの仕組みをわかりやすく解説
空売りとは、株を売って安くなったら買い戻すことで利益を得る方法です。
たとえば、1,000円の株を空売りして900円に下がったときに買い戻せば100円の利益を得られます。
もし、売った株よりも上がってしまうとその分は損失になります。
このように、空売りとは買いとは真逆の行動でお金を儲ける投資方法です。
空売りでは「自分が持っていない株を売れるの?」と疑問に思うかもしれません。
空売りの仕組みとしては、空売りをするとき証券会社から株を貸してもらえるので借りた株を使って空売りをします。
空売りの3つのメリット
空売りの仕組みは、買いとは逆の投資方法だと前節では解説しました。
ここでは、空売りならではの利点について紹介します。
空売りのメリットは以下のとおりです。
- 利益になるスピードが早い
- 下げ相場でも利益を狙える
- クロス取引で株主優待を受け取れる
それぞれ解説します。
利益になるスピードが早い
空売りは通常の投資と比べて、利益確定までのスピードがはやい傾向にあるというメリットがあります。
株式市場の特性として、株は上がるよりも下がるスピードの方が早いからです。
株は基本的に欲望で買われ恐怖で売られますが、欲望よりも恐怖の方が強い感情だからですね。
そのため、空売りは通常の買いから入る手法と比べて投資効率がいいと言えます。
下げ相場でも利益を狙える
空売りをすると、利益を狙える時期が増えるので儲けるチャンスが多くなります。
基本的に、株はトレンドに沿って売買するのが基本です。
たとえば、上昇トレンドなら株を買って値上がりを期待します。
そのため、買いだけの取引をしていると下降トレンドではやることがなく投資効率が悪くなります。
ですが、空売りができると下げ相場でも儲けるチャンスを見出せるので効率よくお金を増すことが可能です。
クロス取引で株主優待を受け取れる
空売りを利用したクロス取引で、株主優待を低リスクで受けて取れます。
クロス取引とは、同じ銘柄を同じ数量、同金額で売りと買いを同時に行うことです。
同じ価格で買いと売りを行うと、株価上がって下がっても損益が相殺され株主優待だけを受け取れます。
株主優待の権利確定日の前日に売りと買いを同時に行い、受け取りの権利が確定したらポジションを解消します。
そうすると、価格変動のリスクを抑えながら株主優待の受け取りが可能です。
ですが、クロス取引で株主優待を受け取るとき、手数料がかかるのでその点は理解しておきましょう。
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空売りの3つのデメリット
前節では空売りのメリットについて解説しました。
空売りはメリットばかりではなく、空売り特有のデメリットもあります。
ここからは空売りのデメリットについて解説します。
- リスクが青天井
- 賃株料がかかる
- 配当金が受け取れない
それぞれ解説します。
リスクが青天井
空売りでは、株価が無限に上がる可能性があるため、損失が青天井(上限なし)になるリスクがあります。
たとえば、1,000円で空売りした株が好材料で3,000円になった場合、2,000円の損失になります。
このことから「買いは家まで売りは命まで」という相場の格言もあるくらいです。
株を買うときは0円より下げることがないので、リスクは限定されます。
ですが空売りの場合、リスクは青天井であることは頭にいれて空売りをしましょう。
賃株料がかかる
空売りには賃株料がかかります。
賃株料とは、空売りで証券会社から株を借りる際にかかる手数料です。
賃株料率は、証券会社により異なります。
また、保有している日数により支払う金額が決まります。
計算式は以下のとおりです。
建玉金額×賃株料率÷365×保有日数=賃株料
たとえば、10万円を売り、当日に買い戻した場合で見てみましょう。
貸株料率は1.1%だと仮定します。
10万円×1.1%÷365×1=3円
このように空売りでは手数料がかかります。
配当金を支払わなければならない
空売りは株を借りているだけなので、権利確定日に株を借りて空売りをしていると持ち主に配当金を支払わなければいけない決まりがあります。
権利確定日とは、株を保有していると配当金の受け取りが確定する日です。
空売りは、株を売って儲けるために証券会社から株を借りて取引するということでした。
あくまで空売りをするために借りただけであるため、配当金の受け取りはできず逆に証券会社へ支払わなければならないことを理解しておきましょう。
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空売りでお金を儲ける方法
空売りをする銘柄の特徴として、1年で2~3倍以上に成長して天井を打った銘柄がおすすめです。
このような銘柄は、多くの投資家がすでに株を保有しており潜在的な売り手が多いです。
天井の見極めは、チャートで判別します。
ヘッドアンドショルダーのチャートパターンは、天井をつけるとよく現れるサインです。
この星のポイントで空売りをすると、比較的安全に儲けられます。
実際の例としてIRジャパンを見てみましょう。
このように、ヘッドアンドショルダーのパターンで空売りしていたら8ヶ月で83%の利益がでています。
空売りをするときの3つの注意点
前節では、空売りの大まかなコツを紹介しました。
実際、空売りで稼ぐ難易度はかなり高いです。
そこで、ここからは、空売りするとき最低限気を付けておきたい注意点について解説します。
注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 損切りは素早くする
- 必ず下落相場で空売りする
- 時価総額が小さすぎる会社で空売りしない
それぞれ解説します。
損切りは素早くする
空売りをする際は、もし判断ミスに気づいたときは素早く損切りをするようにしましょう。
個別銘柄に問題があったとしても、株価指数が上昇しただけでつられて一緒に上げてしまうことが多いです。
先ほど紹介した天井のチャートパターンから何度も下げだしそうに見えてはまた戻すことが多々あります。
空売りはタイミングの見極めが上手くないといけませんが、やはりかなり難しいです。
損切りをする際は、最低でも買値から5%~10%以上上げてしまったら損切りするという決まりを自分の中で決めて空売りするようにしましょう。
必ず下落相場で空売りする
空売りは、必ず株価指数が下落相場のときにするようにしましょう。
空売りで儲けるには、特にタイミングが重要です。
なるべく最適なタイミングで空売りをするなら、最低限下落相場であることを確認してからにしましょう。
トレンドの見極めは、チャートに精通する必要があります。
まずは買いで知識と経験を蓄えてから、空売りするのがおすすめです。
時価総額が小さすぎる会社で空売りしない
空売りをするなら、時価総額が小さすぎる銘柄は避けるようにしましょう。
時価総額が小さいと、値動きが激しい傾向にあります。
少し買いが入るだけで、株価が急騰する可能性が高いので短期間で大きな損をする可能性を孕んでいます。
そのため、時価総額が最低でも2,000億円以上の銘柄で空売りするようにしましょう。
まとめ
今回は空売りについて解説しました。
空売りとは、売りから入って株価が下がるとお金が儲かる通常の株式投資とは真逆の投資方法です。
空売りは特に売りを仕掛けるタイミングの見極めがかなり難しいです。
そのため、経験を積んで挑戦するのがいいですね。
空売りで成果を上げるためには、特にテクニカル分析に精通する必要があります。
そのため、当メディアや書籍などで知識を蓄えつつそれを元に経験を積んでいくのがいいでしょう。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。