相場格言「相場の器用貧乏」とは?成功しにくい投資家の特徴を解説

相場の器用貧乏

相場格言「相場の器用貧乏」という言葉があるのをご存知でしょうか?

いろんなことに挑戦してどれも安定的に上手くいく器用な人を見ると、非常にうらやましく感じるものですよね。

ですが、器用すぎて返って1つのことを極めることができないというデメリットもあります。

これは、株式投資においても同じです。

株価の変動をチェックしたり銘柄のニュースをチェックしたりすることに長けていて知識量が多いと、さまざまな銘柄の取引に対応することができるため短期的にどんどん利益を確定させることができます。

ただし「貧乏」とあるとおり、器用であることが必ずしもプラスに働くとは限りません。

一体どういうことなのでしょうか?

本記事では、「相場の器用貧乏」について解説し、どういった意味や教訓などがあるのかについて、見ていきます。

この記事でわかること

  • 「相場の器用貧乏」の出典
  • 意味と教訓
  • 格言を生かすシチュエーション

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目次

格言の出典

まずは相場格言「相場の器用貧乏」の出典についてです。

みなさんは「器用貧乏」という言葉をご存知でしょうか?

意味については後ほど詳しくご説明しますが、相場格言「相場の器用貧乏」は、器用貧乏なトレーダーのことをいさめる格言になります。

ちなみに器用貧乏という言葉自体は、小説家の芥川龍之介氏が1914年に出版した「老年」という作品が出典となっています。

「器用貧乏と、持ったが病の酒癖とで」と一文に組み込まれていた言葉です。

「器用」というプラスのイメージのある単語と「貧乏」とマイナスのイメージのある単語がくっついているため、一体どのような意味があるのか気になりますよね。以下で見ていきましょう。

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格言の意味とその教訓

では相場格言「相場の器用貧乏」の意味や教訓について、ご説明していきます。

まず器用貧乏とは、器用であることからさまざまなことが大抵こなせてしまうものの、それが返って1つのことに徹せず大きな成功を収めることができない人のことです。

つまり、器用という能力があるものの損をしている(成功体験が貧しくなっている)ということを指します。「器用なのにどこか残念」といったように、誉め言葉というよりはマイナスな言葉として用いられることが多いです。

これを、株式投資をしているトレーダーに応用した相場格言が「相場の器用貧乏」です。株式投資における器用とは、ほとんどの取引で細かく利益を確定して上手くこなしているようなトレーダーを指します。

「利益が出ているからよいのでは?」と思ってしまいますが、ほとんどの取引で利益を出そうとすると少し株価が上昇するだけで利益を確定させたり、大きな損失を避けるために1回ごとの投資金額が少なくなったりする可能性が高いです。

ただし株式投資においては、証券会社に対して手数料を支払う必要があります。

よって利益を確定する回数が多くなったり小規模な投資を繰り返したりしていると、利益に対しての手数料の割合が非常に高くなり、利益を得ているようで実はコストが高くなっているという状況が生まれてしまいます。

利益を大切にすることは間違っていないのですが、ときには思い切りも重要です。

このようにほとんどの取引を上手く進めようとする器用なトレーダーは、返って投資コストを圧迫してしまい損をしている(貧乏になっている)可能性がありますので注意してくださいね。

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格言を活かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を活かすべきシチュエーションを紹介します。

  •  テクニカル分析の理解を深め、玉を長く保有してみる

「相場の器用貧乏」とは、つまり玉を長く保有せずに細い利益で確定してしまうために起こりうる現象です。

例えば、もう1日〜2日だけでも玉を保有していれば利益額は大きく違っていたのに、細かい利益で満足してしまっている状況です。

過去の経験などから、玉を長く保有していると株価が反転してしまうということもあったのかもしれません。

しかし、トレンドをしっかりと見極め、株の技術をしっかりと磨いた上で局面を判断できるようになれば、もう少し長く玉を保有して利益額を伸ばすということも可能になります。

細かい利益確定で少しずつ利益を狙うことも悪いことではありませんが、より効率的に利益を上げられる方法があるということもしっかりと覚えておきましょう。

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まとめ

  • 相場格言「相場の器用貧乏」とはさまざまな取引で目先の利益を確定させることができる器用なトレーダーは、大相場で大きな利益を得ることが難しいという意味
  • 少ない利益を確定する癖があるため、1度株価が大暴落すればそれは吹き飛んでしまう
  • テクニカル分析でトレード技術を磨き、玉を長く持つことも大切

いかがでしたでしょうか?本記事では相場格言「相場の器用貧乏」の意味や教訓、生かすべきシチュエーションについて解説してきました。

繰り返し器用なトレードをして利益を確定していても、もし株価の大暴落に巻き込まれてしまうと一瞬でその利益は吹き飛んでしまうおそれがあります。

しかも株価を100%正確に予想できるということはないので、株式投資においては器用・不器用がものをいうということはないと考えてよいでしょう。常にハラハラしながらトレードをしなくても済むよう、腰を落ち着け株の技術磨くことが大切です。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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