みなさんは、相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉をご存知でしょうか?
株式投資をしている方は「安く買って、高く売る」もしくは「高く売って安く買い戻す」ということを念頭に置いて、日々トレードをされていることと思います。
買いのポジションで言えば、1番理想的なのは「底値(最安値)で買って、天井(最高値)で売る」ことですよね。
しかし、なかなかこのようなトレードを実現することは難しいといえるでしょう。
相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」は、このような欲張った(底値と天井だけを狙った)トレードを戒めています。
一体どのような意味や教訓があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
この記事でわかること
- 「頭と尻尾はくれてやれ」の発言者
- 意味と教訓
- 格言を活かすシチュエーション
格言の出典
相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」は、相場の神様と呼ばれ江戸時代に米相場で大きく儲けた本間宗久氏が生んだ言葉です。
百戦百勝したといわれる彼の残した言葉は、現在に至るまで相場格言として引き継がれています。
格言の意味とその教訓
相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」の意味ですが、まずここでの「頭」とは株価の最高値(天井)のことで、「尻尾」とは株価の最安値(底)のことをいいます。
株式投資においてトレーダーが意識しているのは、株式を「安く買って、高く売る」ということですよね。
つまり、もし「底値で購入して天井で売る」ということができれば、これは株式投資における理想形で最大限利益を得ることができます。
ただし底値と天井の両方を見極めて売買をすることは、どれだけ経験豊富なトレーダーであっても難しく、完全にできる人はいないといってもいいでしょう。
というのも、年初来安値・年初来高値をつけた売買はほとんど存在していません。
なので、株式投資において利益を得るにはあくまでも「安く買って、高く売る」もしくは「高く売って(空売り)安く買い戻す」ことができればいいのです。
つまり、初めから底値(尻尾)と天井(頭)はだれかにくれてやる気持ちで上下に少し余裕を持って、確実に利益を確保できる価格で売買をすることが必要です。
もし底値と天井を狙いすぎると、ずっとチャート画面の前に張り付いておかなければなりませんし、転換点が過ぎてしまって逆に損をしたり利益額を減らしてしまうということになりかねません。
まとめると、この相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」は、株式投資で最大限の利益を得ようと欲張りすぎずに「腹八分目ぐらいまで得られれば構わない」というような気持ちでトレードするべきだ、ということを教えてくれています。
格言を活かすべきシチュエーション
では、実際にこの相場格言を活かすべきシチュエーションを紹介します。
相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」を活用して、買い逃しや売り逃しのないように気を付けることが必要です。
株価が下落傾向にあるとき
株価がどんどん下がっているのを見たとき、みなさんはどのようにして買いのタイミングを見つけますか?
多くの人が、下落中に「ここが底だろう!」と判断しているのではないでしょうか。
ただし、相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」を活かすなら下落中に買い注文を出すのは禁物です。
というのも、もし底値で買えたとしてもなかなか底値圏から抜け出せなかったり、底値ではなくまだまだ下落が続いたりというリスクがあるからです。
「こうなればいい」という根拠のない判断をもとにエントリーしてしまうのはとても危険といえるでしょう。
1番安全なのは、株価が底値をついたのをしっかり確認して、株価が上昇に転じて値上がりしてきたところで買い注文を出すことです。
買い注文を出す際もいきなり大きく建玉をするのではなく、もし株価が反転してもすぐに対応できるように、最小単元で売買することをおすすめします。
特に、初心者の方の場合はいきなり大きく建玉をして株価が反転した場合、同様して冷静な判断がしにくくなってしまうことでしょう。
こうしたことを防ぐためにも、しっかりと売買シグナルを確認した上でエントリーをするようにしましょう。
この場合、底値での購入を逃しているので利益の幅が減ったことにがっかりする方もいるかもしれません。
ですが、「底値から注文を出すまでの値上がり幅はくれてやる」というような気持ちで取引をした方が、値下がりリスクが小さくなったと考えられますよね。
つまり、安全性と引き換えに底値(尻尾)をくれてやるという少し放棄的な姿勢が大切です。
株価が上昇傾向にあるとき
株価がどんどん上がっているときも同様です。
多くの人が、上昇中に「まだ上がる!」→「まだ上がると思ったらすでに天井だった」という場面に出くわすのではないでしょうか。
ただし、相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」を生かすなら、天井がどこかはまだ確認できていなくても売り時を見つけて早めに売り注文を出しておくことが大切です。
この場合、株を売ったあとにまだ株価が値上がりして、天井で売れなかったことが分かると、利益の幅が減ったことにがっかりする方もいるかもしれません。
ですが、「注文価格から天井までの値上がり幅はくれてやる」というような気持ちで取引をした方が、天井を狙いすぎて逆に損をするリスクが小さくなったと考えられますよね。
つまり、安全性と引き換えに天井(頭)をくれてやるという少し放棄的な姿勢が大切です。
また、エグジットのタイミングを見極める方法として、当サイトの監修者である株歴37年以上のプロトレーダー「相場師朗(あいばしろう)」先生の「9の法則」が役立ちます。
9の法則については、【相場流株技術用語】9の法則とは? 忘れがちな株技術をあらためてチェックの記事で解説しているので、合わせてご覧ください。
利益を狙いすぎてトレードの精度が低くならないように注意しましょう。
まとめ
- 相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」は相場の神様と称される本間宗久氏の言葉
- 株を底値で買って天井で売ることは理想であって現実では難しいので、上下にゆとりを持って利益を確保した方がいい
- トレードの精度を上げるには、売買シグナルを確認してからエントリーをする
本記事では相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」の意味と教訓、生かすべきシチュエーションを紹介しました。
株式投資をしていると「1円でも多く利益を得たい」と思ってしまいがちですが、八分目まで得られれば十分という気持ちで余裕を持ってトレードをするようにしましょう。
継続して利益を上げ続けていくことが大切です。
株の勉強は絶対にやるべき!オススメ勉強ステップや失敗しないためのコツ
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。