「休むも相場なり」という格言をご存知でしょうか。
株式投資の格言は古く、米相場の時代から言い伝えられてきたものが多く存在します。
株式投資をしている方の中には、常にトレードをしている状況に身を置いていたいと考える方も多いのではないでしょうか。
「常にポジションを持っていないと損した気分」
「玉を持っていないとなんとなく落ち着かない……。」
という方もいるかもしれません。
しかし、株式投資においては常にトレードし続けるのではなく、時には一旦マーケットから離れて「休む」ことも重要です。
ではなぜ、休むことが重要なのでしょうか。
本記事ではそのような教訓を示した「休むも相場なり」という相場格言について、お話をしていきます。
この記事でわかること
- 「休むも相場なり」とはどのような格言なのか
- 意味と教訓
- 格言を活かすシチュエーション
休むも相場なりの出展
相場格言「休むも相場なり」は、本間宗久氏が唱えた
「売るべし、買うべし、休むべし」
という言葉から来ていると言われています。
彼は“相場の神様”とも呼ばれており、江戸時代の米相場で大きく儲けた人物です。
彼の生き方や言葉は、さまざまな株式投資の原則や心構えを相場格言として今世まで私たちに伝え続けてくれています。
本記事で紹介する「休むも相場なり」の元となった「売るべし、買うべし、休むべし」は、簡単に言うと「買ったり売ったりするだけではなく、時には休みなさい」という意味がこめられています。
大成功を収めた本間氏は何度も、休むこと(クールダウン)の大切さを頻繁に説いていて
「休まないで売買を続けると絶対に損をするのでやめておけ」
と強く言い切るほどでした。
彼が言う休むタイミングというのは、人が有頂天になってしまう“当てて儲けたとき”と、勘が鈍っている“外れて負けたとき”です。
このような感情が大きく変化するときこそ人は休んで、相場から距離を取ることが必要だと本間氏は説いています。
休むも相場なりの意味とその教訓
「休むも相場なり」とは、「年中株式の売買を繰り返しているとマーケットを客観的に見ることができなくなってしまうので、大損をしてしまうことがある。冷静にマーケットを見直すために休むことも大切だ。」と戒めた相場格言です。
株式投資をしている方のなかには、四六時中チャートを見て株を売ったり買ったりしなければ落ち着かないという方もいるかもしれません。
俗にいう「ポジポジ病」という状態ですね。
「上げ相場なら株は買うべき、下げ相場なら株は売るべき」と、常に株価に翻弄されることも少なくないと思います。
そのような方にこそ知っておいてほしい相場格言が、今回ご紹介する「休むも相場なり」です。
人は1度利益が出ると「よし、もっと儲けられるぞ」と余裕や欲が出てきてすぐにほかの株を買ったり、逆に損をしてしまうと「この損を早く取り返さないと」と焦りが出てマーケットの状況をきちんと鑑みずに株を買ってしまったりします。
このままでは目の前の取引だけに一生懸命になってしまい、いつの間にかマーケット全体を見失ってしまう可能性があります。
そこで、利益が出て気が大きくなっているときや損が出て自信を失い焦っているときは持っているポジションをすべて解消して、トレードのことを考えずに外に出て休んでみましょう。
マーケットの外から冷静に見直してみることで、今まで見えていなかったことに気付けることもあるはずです。
トレーダーは、買ったり売ったりすることだけが仕事ではなく「休む」ことも必要不可欠ということを知っておくといいでしょう。
休むも相場なりを活かすべきシチュエーション
では、実際にこの相場格言を活かすべきシチュエーションを紹介します。
株を売買したあと
株を売買したあとは、またすぐに銘柄を探して売買を繰り返すのではなくいったん市場から身を引くのも1つの手段です。
すぐにトレードを再開すると、株初心者の方は特に視野が狭くなって
客観的に相場を見ることはもちろん、経済状況やトレンドなどの全体像をしっかりと分析するゆとりを作ることが、よりよい株式投資を再開させることに繋がります。
分析をしつつ休んで、次の大きな投資チャンスを待てばよいのです。
不確実性が強いマーケット状況
2017年3月以降の日本株のマーケットは、就任して間もないトランプ大統領の政策運営能力に対する不安、フランス大統領選挙の行方を巡る不安、シリア情勢・朝鮮半島情勢をめぐる不安などにより先行き不透明感が強くありました。
このような政治の動向や地政学リスク(シリア・朝鮮半島が抱える)というのは不確実性が強い場合が多く、株価の先行きを予想することは難しい状況です。
このようなときは無理に株を買ったり売ったりするのではなく、株価の先行きを見極めるまでは売買を休むという行動をとることが理にかなっているといえます。
損をしている状態
損をしている時はどうしても冷静な判断ができにくい状況であると言えます。
例えば、Aさんという人物の資産運用の状況を見てみましょう。
Aさんは退職金の一部を利用して株式投資を始め、最初はとても順調に資産を増やしていましたが1年後には始める前よりも資産が減少していたとします。
しかもAさんは、損を取り返そうと大口預金を解約してまでお金をつぎ込んでさらに損を重ねてしまいました。
あなたがAさんの立場ならどうでしょうか?
退職金を投じて損をしてしまい、老後の不安は大きくなる一方だと思います。
また多くの場合損を抱えたままじっとしているのは、すごく耐えがたいものですよね。
ただし、こういうときこそ「休むも相場なり」です。
今は損を抱えていて不安かもしれませんが、自分の売買の状況を見直してみて利益を上げるための手法が確立されていないのであれば、一旦トレードを休むべきではないでしょうか?
意地になってトレードを繰り返し、資金を全て失ってしまってからでは取り返しがつかなくなってしまう可能性もあります。
当サイトの監修者である株歴38年以上のプロトレーダー「相場師朗(あいばしろう)」先生も、日々株の技術を磨いてきたことにより大きな利益を上げています。
もし損失が膨らんでしまった方は、一旦株のトレードをお休みして、プロの元で株の技術を磨いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 「休むも相場なり」という相場格言は、本間宗久によって唱えられたとされている
- 冷静なトレードをするためには、時にトレードから離れることも大事
- 大きな利益・損が出たときや不確実性が高いマーケット状況の時などが、休むべきタイミング
いかがでしたでしょうか。
株式投資では、どうしても売買に集中してしまいがちで利益が出たらそれに乗っかり、損が出たらそれを取り返したくなります。
目の前の取引に集中しすぎてマーケット全体を見ることができなくなってしまっては、得ようとしていた利益に手が届かなくなってしまうので注意が必要です。
必ず次の投資チャンスは巡ってきますし不確実性の強い事象も存在します。
立ち止まるべきところでは立ち止まって、リフレッシュしながら株式投資をおこなっていきましょう。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。