株で儲ける人は、特別な才能や知識を持っているのでしょうか。
「過去のデータやチャートを細かく分析しないと勝てない」と考えている方も多いかもしれません。
しかし、利益を出す投資家と損をする投資家には、考え方や行動にいくつかの違いがあります。
この記事では、株で儲ける人の割合や、勝ち組投資家に共通する特徴、損をしやすい人の傾向をわかりやすく解説します。
さらに、株式投資で利益を得るために意識したいコツも紹介します。
大切なのは、感情に流されず、自分なりの判断基準を持つことです。
株で損をするリスクを抑えながら、長く投資を続けるためのヒントを見つけていきましょう。
株で儲かる人の割合は?

そもそも株で儲ける人の割合は、どの程度なのでしょうか。
金融庁が2020年に公表した調査では、2020年3月末時点で投資信託の運用損益がプラスだった顧客は約3割でした。
「利益が出ている人は、たった3割なの?」と不安になる方もいるでしょう。
ただし、この数字だけを見て「株で儲ける人は3割」と判断するのは早計です。調査時期は、新型コロナウイルスの影響で市場が大きく下落した2020年3月末でした。
そのため、一時的な相場の動きが結果に強く表れています。
また、調査対象は株式投資ではなく投資信託です。投資信託には、株式だけでなく債券などを組み入れた商品もあります。
つまり、約3割という数字は「株で儲ける人の割合」そのものではありません。
あくまで、相場が大きく下落した時期における投資信託の運用状況として捉えておきましょう。
参考:「安定的な資産形成に向けた金融事業者の取組み状況」|金融庁
なぜ3割しか儲からないのか→冷静ではいられなくなるから
先ほど紹介した調査では、2020年3月末時点で利益が出ていた人は約3割でした。
では、なぜ多くの人が投資で損をしてしまうのでしょうか。
その理由の一つとして挙げられるのが、投資するときの心理状態です。経済評論家でベストセラー作家の加谷珪一さんは、次のように指摘しています。
「実際に投資をしたことがある人なら実感していると思いますが、人はイザ、自分のお金を投じると冷静ではいられません。冷静さを失った状態で投資をすると、困ったことに人は、損失を拡大するような行動を取ってしまいます。つまり人間の心理が損をするような行動に駆り立てているのです。」
引用:https://www.asahi.com/ads/start/articles/00387/
自分のお金を投じると、誰でも冷静ではいられなくなるものです。
たとえば、株価が上がると「もっと値上がりするかもしれない」と焦って買い、下がると「さらに損をするかもしれない」と慌てて売ってしまうことがあります。
その結果、高値で買って安値で売るという、損失につながりやすい行動を取ってしまうのです。
投資する金額が大きいほど、不安や焦りも強くなりやすいでしょう。だからこそ、株式投資では銘柄選びだけでなく、感情に流されないための準備も欠かせません。
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儲かっていない人の特徴2選
投資で儲かる人は3割。
投資を始めると冷静でいられなくなる。
ということはわかりました。
次に、実際に儲かっていない人の特徴を見ていきましょう。
儲かっていない人の特徴①→耐えられない金額の損失を出してしまった
先ほど紹介した加谷さんの記事では、証券会社の顧客について、平均すると2年ほどで顔ぶれが変わると説明されています。
投資で損失を抱え、それ以上続けられなくなる人がいる一方で、新たに投資を始める人が入ってくるためです。
わずか2年ほどで投資家が入れ替わると考えると、かなり短く感じるのではないでしょうか。
ここまでの内容を整理すると、損をしやすい人には次のような傾向があります。
・損失が出ると、冷静な判断ができなくなる
・自分が耐えられる範囲を超えた金額を投資してしまう
この2つが重なると、どうなるのでしょうか。
「損をしたくない」という気持ちから売却を先延ばしにしたり、損失を取り戻そうとして追加投資をしたりする可能性があります。
その結果、損失がさらに広がり、投資を続けられなくなることもあるのです。
問題は、心理状態だけではありません。生活に影響が出るほどの金額を投資していることも、冷静さを失う原因になります。
だからこそ、投資を始める前に「損失が出ても生活に支障がなく、冷静でいられる金額」を決めておくことが大切です。
その上限を超えて投資しないというルールも必要でしょう。
儲かっていない人の特徴②→短期間で一気に儲かると思っている

投資で利益を得たいなら、「短期間で一気に資産を増やせる」と考えるのは危険です。
年金積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、2025年度からの基本ポートフォリオを作る際、株式の期待リターンを次のように想定しています。
国内株式:年4.0~7.5%
外国株式:年4.6~8.1%
期待リターンとは、将来得られると予想した収益率です。
毎年この範囲で利益が出ることを保証するものではありません。
また、特定の銘柄ではなく、市場全体を長期的に見た数値である点にも注意が必要です。
個別株の価格が短期間で2倍、3倍になることはあります。
しかし、そのような銘柄を事前に見つけ、何度も利益を出し続けるのは簡単ではありません。
代表的な例が、半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)です。
生成AI向け半導体への期待を背景に、同社の株価は2024年に約171%上昇しました。
年初と比べて、約2.7倍になった計算です。
ただし、NVIDIAのような急上昇は、どの銘柄にも起こる一般的な値動きではありません。
大きく上がる銘柄がある一方で、株価が大幅に下がる銘柄もあります。
仮に年間の投資リターンを5%とすると、100万円は1年後に105万円になる計算です。
手数料や税金は考慮しておらず、実際に5万円増えると保証されているわけでもありません。
一方、100万円を200万円にするには、100%の利益が必要です。
期待リターンが年5%程度の運用と比べると、狙っている利益の大きさがまったく違うとわかるでしょう。
短期間で資産を倍にすることより、無理のない金額で長く投資を続けることを優先しましょう。
投資では、一度の大きな利益を狙うより、市場から退場しないことが大切です。
株で儲からない原因は『銘柄選び』と『値動きの法則』にあった?!
儲かっている人の特徴3選
ここまでは、株で儲からない人の特徴を見てきました。
「それはわかったけど、儲かるためにはどうすればいいんだ」と、思ってませんか?
まず押さえることは、「損する人の特徴をやらず逆のことをすればいい」ということ。
これまで話してきたことは以下の通りです。
- 投資では冷静でいることが大切
→短期的な値動きに一喜一憂しない - 大きく損してしまい、パニックになってしまう
→損をしても問題ない資金の範囲で投資を行う - 短期間で一気に儲かることはない
→投資リターンは5~7%前後である
それぞれ掘り下げていきましょう。
儲かっている人の特徴①→短期的な値動きに一喜一憂しない
株式投資をする以上、「できるだけ利益を得たい」と思うのは自然なことです。
ただし、投資を単なるお金儲けの手段として考えると、目先の値動きに振り回されやすくなります。
しかし、「できるだけ多く儲けたい」と考えていると、利益が出ても「まだ上がるかもしれない」と欲が出ます。
その結果、売るタイミングを逃し、せっかくの利益が減ってしまうこともあるでしょう。
だからこそ、投資を始める前に次の点を明確にしておきましょう。
・何のために投資するのか
・どのくらいの利益を目指すのか
・どこまでの損失なら受け入れられるのか
・どのような条件で売却するのか
投資の目的と売買のルールが決まっていれば、相場が動いても感情に流されにくくなります。
まずは自分の足元を見つめ直し、今の投資方針が目的に合っているか確認してみましょう。
儲かっている人の特徴②→損をしても問題ない資金の範囲で投資を行う
「投資は余剰資金で行いましょう」
一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
余剰資金とは、生活費や近いうちに必要なお金を除いた、当面使う予定のないお金のことです。
投資では、損失への不安から冷静な判断ができなくなることがあります。
家賃や生活費に充てるお金まで投資していれば、少し値下がりしただけでも焦ってしまうでしょう。
だからこそ、投資を始める前に「損失が出ても生活に支障がなく、冷静でいられる金額」を決めておくことが大切です。
余剰資金であれば、値下がりしても慌てて売る必要がなくなり、落ち着いて判断しやすくなります。
投資に回せる金額は、収入や貯金、生活費によって人それぞれです。
周囲の投資額をまねるのではなく、自分が無理なく続けられる上限を設定しましょう。
儲かっている人の特徴③→投資リターンは5~7%前後であることを肝に銘じる
先ほど紹介したGPIFのデータでは、株式の期待リターンは経済状況によって年4~8%程度と想定されています。
ここでは、年間のリターンを5%と仮定して考えてみましょう。
100万円を投資して5%の利益が出た場合、1年後の資産額は105万円です。
ただし、これはあくまで計算上の目安であり、毎年5%ずつ増えると保証されているわけではありません。
個別株のなかには、数か月で株価が2倍になる銘柄もあります。
しかし、そのような銘柄を事前に見つけ、適切なタイミングで売買するのは簡単ではありません。
「それなら、投資をしてもあまり増えないのでは?」
そう感じる方もいるでしょう。
ただ、投資では短期間の利益だけでなく、長く続けることで得られる「複利」の効果も見逃せません。
複利とは、投資で得た利益を元本に加え、さらに運用する仕組みです。
たとえば、100万円を年5%で運用し、利益を再投資した場合、10年後の資産額は約163万円になります。

※以下に設定しシミュレーションを行った
※手数料や税金は考慮していません。また、実際の運用では利益が出る年もあれば、損失が出る年もあります
投資金額:100万円
投資期間:10年
想定リターン:5%
想定リスク:1%
短期間で資産を倍にしようとすると、その分だけ大きなリスクを負いやすくなります。
一度の大勝ちを狙うより、無理のない金額で投資を続け、時間を味方につけることが大切です。
株で利益を出すための具体的な行動指針
ここまで、株で儲かる人と損をしやすい人の特徴を見てきました。
では、利益を得るためには、具体的にどのような行動を取ればよいのでしょうか。
まず意識したいのは、次の2点です。
- 短期的な値動きに一喜一憂しない
→チャートをマメに見る必要はない
- 損をしても問題ない資金の範囲で投資を行う
→自分の投資できる金額を明確に決める
株価が気になり、1日に何度もチャートを開いてしまう方もいるでしょう。
しかし、値動きを見る回数が増えるほど、含み損への不安や値上がりへの期待に揺さぶられやすくなります。
長期投資を前提とするなら、チャートを常に確認する必要はありません。
「月に1回確認する」など、自分なりの頻度を決めておくとよいでしょう。
もう一つ大切なのが、投資金額の上限です。
投資に回せる金額は、年収や貯金、毎月の生活費などによって異なります。
ほかの人と比べて決めるものではありません。
「値下がりしても生活に支障が出ないか」
「損失が出ても冷静に判断できるか」
この2点を基準に、無理のない金額を設定しましょう。
事前にルールを決めておけば、相場が動いても感情に流されにくくなります。
必ず儲かる方法ではありませんが、大きな失敗を避け、投資を長く続けるための重要な考え方といえます。
この「3割」に含まれていない人たちの存在
「株で儲ける人は3割」と聞くと、残りの7割はすべて“失敗者”のように感じてしまいがちです。
しかし、この数字には実は最初から土俵に立っていない人や、途中でやめた人も含まれています。
ここでは、割合データでは見えにくい“数字の外側”を解説します。
そもそも「割合」に含まれる母集団とは何か
結論から言うと、「利益が出ていた人は約3割」という数字は、投資の最終的な成功率ではありません。
市場が大きく下落した2020年3月末時点の運用状況を切り取ったものです。
投資の結果は、購入した商品やタイミング、保有期間、その後の相場によって変わります。
そのため、この数字だけを見て「投資で儲かる人は3割しかいない」と判断することはできません。
また、利益を出せるかどうかは、特別な才能だけで決まるものでもありません。
感情に流されず、無理のない金額で長く続けられるかどうかも結果を左右します。
つまり、約3割という数字は投資家の能力を示すものではなく、ある時点の市場環境と運用状況を表したデータとして捉えるべきでしょう。
同じスタートでも“集計され方”が変わるケース
たとえば、同じ「運用損益がマイナスの人」でも、状況はそれぞれ異なります。
・投資を始めて数か月しかたっていない人
・勉強を目的に少額で運用している人
・短期売買から長期保有へ方針を変えた人
調査時点で損失が出ていれば、数字上は同じ「マイナス」に分類されます。
しかし、投資経験や目的、運用期間まで同じとは限りません。
まだ学んでいる途中の人と、長年投資を続けた結果として損失を抱えている人では、置かれている状況が大きく異なります。
そのため、約3割という数字を見るときは、損益だけでなく、調査時点や運用期間などの背景も考える必要があります。
数字を「自分への評価」に変えてしまう心理
「利益が出ていない人は約7割」というデータを見ると、「自分も損をする側になるかもしれない」と不安になるのは自然なことです。
しかし、不安が大きくなると、投資を始める前に諦めたり、損失を一気に取り戻そうとして無理な取引をしたりする可能性があります。
数字は、投資の現実を知るための判断材料にすぎません。
あなたの投資結果まで決めるものではないため、必要以上に恐れず、数字の背景まで冷静に見ることが大切です。
株で儲ける人の割合
株で儲からない人が多いのは、センスや才能の問題ですか?
いいえ、必ずしも才能だけで決まるわけではありません。
目標とする利益や投資期間、投資金額が自分に合っていないと、焦りや不安から判断を誤りやすくなります。
まずは、冷静でいられる条件を整えることが大切です。
株で儲けている人は、特別な情報やテクニックを持っているのですか?
いいえ、必ずしも特別な情報を持っているわけではありません。
投資金額や運用期間、売買の条件などを事前に決め、そのルールを守っている人も多くいます。
自分なりの基準があれば、短期的な値動きにも振り回されにくくなります。
Q3. 初心者が特に気をつけるべきポイントは何ですか?
はい、短期間で大きく儲けようとしないことが大切です。
利益の大きさよりも、無理なく続けられるか、値下がりしても冷静でいられるかを基準に投資金額を決めましょう。
まとめ
ここまでの内容を整理すると、株式投資で押さえておきたいポイントは次のとおりです。
・「利益が出ていた人は約3割」というデータは、2020年3月末時点の投資信託の運用状況を示したもの
・投資では、不安や焦りから冷静さを失うと判断を誤りやすい
・短期的な値動きに一喜一憂せず、自分で決めたルールを守る
・生活に支障が出ない余裕資金の範囲で投資する
・短期間で大きな利益を狙わず、長期的な視点を持つ
・期待リターンはあくまで予想であり、利益を保証するものではない
個別株のなかには、数か月で株価が2倍、3倍になる銘柄もあります。
しかし、そのような銘柄を事前に見つけ、適切なタイミングで売買し続けるのは簡単ではありません。
大切なのは、一度に大きく儲けることより、無理のない金額で投資を続けることです。
少額から始めれば、値下がりしたときも冷静さを保ちやすく、経験を積みながら自分に合った投資方法を見つけられます。
投資には元本割れの可能性があり、誰でも必ず儲かるわけではありません。
今回紹介した内容を参考に、投資の目的や許容できる損失額を明確にしたうえで、自分に合った方法を検討してみてください。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





