「スタグフレーションってなんだろう?」と疑問に思っていませんか?
スタグフレーションという言葉は聞いたことがあるものの、具体的にどのような経済状態なのかわからないから知りたいという方が多いようです。
そこで今回は、スタグフレーションの意味や起こる原因について解説します。
本記事を読むと、スタグフレーションへの対策の方法もわかるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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スタグフレーションとは
スタグフレーションとは、景気後退(スタグネーション)と物価上昇(インフレーション)が同時に進む経済状態です。
景気が悪いのに物価だけが上がり続けるため、家計にとって厳しい経済局面となります。
混同されやすいインフレやデフレとの違いを先に整理しておくと、以下の表のようになります。
| 景気 | 物価 | 家計の購買力 | |
| インフレ | 拡大 | 上昇 | 保たれやすい |
| デフレ | 停滞 | 下落 | 保たれやすい |
| スタグフレーション | 停滞 | 上昇 | 目減りし続ける |
本章では、スタグフレーションについて、以下の内容に沿って解説します。
- スタグフレーションとは
- インフレとの違い
- デフレとの違い
それぞれみていきましょう。
スタグフレーションとは
スタグフレーションとは、景気が停滞しているにもかかわらず、物価の上昇が止まらない経済状態を指す言葉です。
通常であれば、景気が悪くなるとモノやサービスを買う人が減るため、需要の減少とともに物価は下がっていきます。
ところが、スタグフレーションでは原材料価格の高騰といった要因により、景気が低迷しているにもかかわらず物価が下がるどころか、むしろ上昇し続けてしまいます。
代表例が1970年代のオイルショックで、原油価格の高騰により先進各国が物価上昇に苦しみました。
日本でも1974年には消費者物価が前年比23.2%も上昇し「狂乱物価」と呼ばれる深刻なインフレが起こっています。
同じ年の実質GDP成長率は戦後初のマイナスとなっており、物価高と景気悪化が同時に進みました。
このように、スタグフレーションは「景気は悪いのに支出だけ増える」状態で、家計にとって最も厳しい経済局面と言えます。
インフレとの違い
インフレとスタグフレーションの違いは、物価が上がるときに景気が良いか悪いかという点にあります。
一般的なインフレは、景気の拡大により需要が増えることで物価が押し上げられる「需要主導型(ディマンドプル型)」が中心です。
需要が増えて企業の売上が伸びれば賃金も上がりやすいため、物価が上がっても家計の購買力(お金でモノを買う力)は保たれます。
一方のスタグフレーションは、原材料費などのコスト上昇が物価を押し上げる「コストプッシュ型」です。
景気が悪く売上が伸びないにもかかわらず、原材料費などのコスト上昇で物価だけは上がります。
企業は利益を圧迫され、賃上げに回す余力がないため、賃金は据え置かれます。
デフレとの違い
デフレとスタグフレーションは、どちらも景気が停滞している状態ですが、物価の動き方が正反対です。
デフレでは、需要の落ち込みにより物価が継続的に下がります。
不景気で給料は伸びにくいものの、物価が同時に下がるぶん、購買力は比較的保たれるのが特徴です。
一方スタグフレーションでは、不景気にもかかわらず物価が上がり続けます。
給料は据え置きのまま出費だけが増えるため、生活への圧迫感はデフレよりも大きくなりやすいです。
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スタグフレーションが起こる原因
本章では、スタグフレーションが起こる原因について、以下の内容に沿って解説します。
- 原材料・資源価格の高騰
- 通貨安(自国通貨の下落)
それぞれみていきましょう。
原材料・資源価格の高騰
スタグフレーションの原因の一つとして挙げられるのは、原油や食料といった原材料・資源価格の高騰です。
資源価格が上がると、企業は仕入れコストの上昇分を販売価格に上乗せするため、需要が増えなくても物価が上がります。
値上げで消費者の買い控えが起こると企業の売上や利益が減り、賃上げや雇用に回らなくなって景気は停滞します。
近年は、2022年のウクライナ侵攻や2026年のホルムズ海峡の事実上の封鎖で資源価格が急騰し、世界的にスタグフレーションへの警戒が強まりました。
景気拡大をともなわないコスト上昇は、スタグフレーションの典型的なパターンです。
通貨安(自国通貨の下落)
自国通貨の下落は、スタグフレーションを引き起こす要因の一つだと言えます。
通貨安が進行すると、輸入に依存する原材料やエネルギーの価格が上昇し、企業の生産コストが増大するからです。
企業は増えたコストを製品やサービスの価格に転嫁せざるを得ないため、物価上昇を招きます。
さらに、物価高による実質賃金の低下が消費者の購買力を弱め、国内でモノやサービスが売れにくくなります。
なお、実質賃金とは名目賃金(額面上の賃金)から物価変動の影響を取り除いたもので、実際にどれだけのモノやサービスを購入できるかという「購買力」を表す指標です。
このように、通貨安は「物価上昇」と「景気停滞」という二つの現象を同時に生じさせ、スタグフレーションへと発展するリスクがあります。
スタグフレーションが私生活に与える影響
本章では、スタグフレーションによって私生活に現れる具体的な影響について、以下の内容に沿って解説します。
- 実質賃金の低下
- 転職の難化
- 株式・投資信託の低迷
それぞれみていきましょう。
実質賃金の低下
スタグフレーション下では、企業が賃上げに慎重になるため、物価の上昇に賃金が追いつかず「実質賃金」が低下します。
たとえば、物価が3%上昇したのに賃金が1%しか上がらなければ、実質賃金は2%減ったのと同じです。
生活必需品は値上がりしても買わざるを得ないため、収入のうち必需品に使うお金の割合が大きい低所得世帯ほど負担が重くなります。
給料の額面が変わらなくても生活水準がじわじわ下がっていく点が、スタグフレーションの怖さです。
転職の難化
スタグフレーションになると企業の求人が減り、転職やキャリアアップが難しくなります。
コスト増と売上減に挟まれた企業は、人件費を抑えるために採用を凍結したり人員削減に踏み切ったりするケースが多々あるからです。
実際にオイルショック後の日本では、多くの企業が「減量経営」を掲げて新規採用の抑制を行いました。
このように、スタグフレーション下では労働市場が冷え込み、働く側にとって転職やキャリアアップの選択肢が狭まるリスクがあります。
株式・投資信託の低迷
スタグフレーションは株式や投資信託の価格を押し下げ、資産形成にもブレーキをかけます。
景気の停滞で企業業績が悪化するうえ、物価抑制のための利上げで金利が上がると、株式の魅力が相対的に下がるからです。
事実1973年から1974年にかけてのアメリカでは、S&P500が高値から48.2%も下落しました。
過去の例をみても、スタグフレーションの局面では株式市場は下落しやすく、コツコツ積み上げてきた資産が目減りするリスクが高まります。
スタグフレーションに備えた対策
本章では、スタグフレーションに備えた対策として、以下の3つについて解説します。
- 金投資
- 外貨建て資産の保有
- 不動産・REIT(不動産投資信託)への投資
それぞれみていきましょう。
金投資
スタグフレーション対策として、まず検討したいのが実物資産の代表である金(ゴールド)への投資です。
金は実物資産であるため、インフレで通貨の購買力が落ちる局面でも価値が目減りしにくく、歴史的にも物価上昇に強い資産とされているからです。
景気後退や金融不安の局面では資金の逃避先として買われ、株式との分散効果も期待できます。
投資初心者でも取り組みやすい金への投資方法と、特徴の違いは以下の表のとおりです。
| 投資方法 | 特徴 |
| 金地金・金貨 | 現物を手元に保有でき有事の備えになるが、まとまった資金と保管対策が必要。 |
| 純金積立 | 月1,000円程度から始められ価格変動リスクを抑えやすいが、購入手数料がやや高め。 |
| 金ETF・投資信託 | 証券口座で少額から手軽に売買でき、NISA活用も可能。ただし現物は受け取れない。 |
自分の投資経験や資金規模に合った方法を選ぶことで、初心者でも無理なく金をポートフォリオに組み込めます。
外貨建て資産の保有
円安をともなうスタグフレーションの対策には、米ドルなどの外貨建て資産を保有しておくのが有効です。
円の価値が下がる局面では、外貨建て資産の円換算の価値が上がり、輸入インフレによる購買力の低下を相殺できるからです。
たとえば、1ドル=110円のときに買った米ドル資産は、150円まで円安が進むと円換算の価値が約1.36倍になります。
ただし、円高に振れれば逆に為替差損(為替変動の損失)が出るため、積立で購入時期を分散するのが重要です。
なお、具体的な外貨建て資産として、外貨預金や米ドル建てMMF、海外株式のインデックスファンド(S&P500連動型など)が挙げられます。
不動産・REIT(不動産投資信託)への投資
不動産やREIT(不動産投資信託)は、スタグフレーション対策として注目される投資先の一つです。
不動産は実物資産であるため、現金や債券と比べて資産の目減りを防ぐ効果が期待できます。
REITであれば少額から投資が可能で、複数物件への分散投資や安定した分配金収入も魅力です。
ただし、景気停滞局面では空室率の上昇や賃料下落のリスクもあるため、需要が底堅い都心部や生活必需施設関連の物件を中心に、慎重な銘柄選定を行うことが重要です。
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よくある質問
スタグフレーション時の株価はどうなる?
スタグフレーション時の株価は、市場全体でみると低迷しやすくなります。
企業はコスト増加により利益が圧迫される一方、景気低迷で売上も伸び悩むため、株価は下落圧力を受けやすくなるからです。
また、中央銀行はインフレ抑制のために利上げを行う傾向があり、株式市場にとってはマイナス要因となります。
ただし、エネルギーやディフェンシブ銘柄など一部のセクターはインフレの恩恵を受けることもあり、すべての銘柄が一律に下がるわけではありません。
スタグフレーションに強い株は?
スタグフレーションに強いのは、景気が悪くても需要が落ちにくく、値上げをしても顧客が離れにくい業種の株です。
具体的には石油・資源関連株、生活に欠かせない食品・日用品メーカー、医薬品などが挙げられます。
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まとめ
今回は、スタグフレーションの仕組みや原因、私生活への影響などについて解説しました。
スタグフレーションは景気停滞と物価上昇が同時に進む経済状態で、実質賃金の低下など家計への打撃が大きくなります。
対策としては、金や外貨建て資産などを保有しておくのが有効です。
ぜひ本記事を参考に、スタグフレーションへの備えを検討してみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





