株のデイトレードは稼げる?初心者が知っておくべき特徴とリスクを解説

【初心者向け】株のデイトレードは効率的に稼げる?

デイトレード(デイトレ)は「1日のうちに売買を完結させる短期トレード」です。

ネットや動画で取り上げられることも多く、短時間で結果が出るイメージから興味を持つ方も少なくありません。

一方で、時間の制約がある人や初心者にとっては負担が大きい側面もあります。

本記事では、デイトレの特徴と注意点、初心者がつまずきやすいポイントをわかりやすく解説します。

株式投資のスタイルは何がいい?初心者におすすめのトレードスタイルをご紹介

   
目次

株式投資におけるデイトレードとは

デイトレードは、株式を買ったその日のうちに売却し、建てたポジションを日をまたがせないトレードスタイルです。

「短時間で結果が出る」「持ち越しリスクを避けられる」といったイメージを持たれがちですが、その裏側には特有の準備や環境も必要になります。

ここでは、デイトレの基本的な特徴と、よく比較されるスイングトレードとの違いを整理します。

デイトレの特徴と必要な準備

デイトレの最大の特徴は、時間軸が「1日以内」であることです。

取引時間中にエントリー(売買の開始)と決済(ポジションの手仕舞い)を完了させるため、数分〜数時間といった短い足(1分足・5分足など)でのチャート確認が中心になります。

こうした短い時間軸では、値動きが速く、判断から注文までのスピードが求められます。

そのため、安定したネット回線、操作に慣れた取引ツール、板情報や分足チャートを確認できる環境など、準備しておくべき要素が増えがちです。

また、日中の相場が動く時間帯(9時〜15時)に、画面の前で値動きを追えるかどうかも重要なポイントです。

チャートの変化に応じて判断を行うスタイルである以上、取引時間中に仕事や家事で画面から離れることが多い場合は、意図しないタイミングでの値動きに対応しにくくなります。

このように、デイトレは「1日で完結する」という分かりやすさがある一方で、短い時間で集中した判断を繰り返すスタイルであり、事前の準備や環境づくりが欠かせないトレード形態だといえます。

スイングトレードとの違い

スイングトレードは、数日〜数週間ほどポジションを保有し、日足チャートなど比較的長い時間軸をもとに売買を考えるスタイルです。

デイトレと比べると、1回の取引にかける時間は短く、場中に常に画面を見続ける必要はありません。

デイトレでは、分足や短期の値動きに基づいて判断するため、「瞬間的なノイズ」に振り回されやすくなります。

一方、スイングトレードでは日足や週足など、より大きな流れを確認しながら売買を検討できるため、値動きの細かい揺れよりも、全体のトレンドを把握する練習に向いています。

また、スイングトレードは、仕事の前後や夜の時間にチャートを振り返り、「翌日にどのように動いたらどう行動するか」といった計画を立てやすいスタイルです。

日中にまとまった時間が取りづらい人にとっても、取引と生活のバランスを取りやすい側面があります。

このように、デイトレとスイングはどちらが優れているかではなく、「時間軸」「必要な準備」「心理的負担」が異なるスタイルです。

自分の生活リズムや学びたい内容に合わせて、どの時間軸から取り組むかを考えることが大切になります。

株におけるデイトレードの注意点

デイトレは、1日のうちに取引を完結させるという特性から、魅力的に見える一方で、初心者や日中に忙しい方が取り組む際にはいくつか注意すべきポイントがあります。

ここでは、トレンドの読みづらさや時間の制約、翌日以降の値動きへの向き合い方、さらには身体的・心理的な負担など、デイトレ特有の注意点を整理しながら、つまずきやすい理由を掘り下げていきます。

短い時間軸ではトレンドが読みにくい

デイトレでは、数分〜数時間といった短い時間軸のチャートを見ながら売買判断を行います。

短期チャートでは、全体のトレンドとは逆方向に小刻みに揺れる動きも多く、一時的な値動きだけを見ると、全体像がつかみにくい場面も少なくありません。

株価は、日足や週足といった長い時間軸で見ると、ある方向に流れが続いていることが多い一方で、その途中では上げ下げを繰り返します。

短い足だけを見ていると、この揺れを「新しいトレンド」と誤解し、本来の流れと逆向きのポジションを取ってしまうこともあります。

初心者のうちは、短い時間軸の変化に意識が向きやすく、損切りやエントリーの判断が早まりすぎる傾向が出やすいでしょう。

大きな流れと短期の揺れを切り分ける意識を持てないと、結果としてトレンドに乗りにくくなる点が、デイトレの難しさの一つといえます。

日中にまとまった時間を確保しにくい

デイトレは、取引時間中にエントリーと決済を完了させるスタイルです。

そのため、9時〜15時の間に、チャートやニュースを確認しながら判断できるまとまった時間が必要になります。

会社員やフルタイムで働く人の場合、業務中に繰り返しスマホやPCを確認するのは現実的ではない場面も多く、思ったタイミングで注文を出せないことがあります。

また、移動中や会議中に相場が大きく動いても、その場で対応できないケースも考えられます。

こうした状況では、「想定していたよりも不利な価格での決済が続く」「チャートを見られない時間帯の値動きに不安を感じる」といった負担が積み重なりやすくなります。

デイトレに取り組む前に、自分の日常のスケジュールの中で、どれだけ相場に向き合えるのかを冷静に見積もることが重要です。

翌日以降の値動きを取りにくい

デイトレでは、日をまたがずにポジションを閉じるため、翌日以降の値動きによる変化は、基本的には取引の対象外になります。

短い時間軸の中で利幅を狙うスタイルである一方、数日間にわたる値動きの伸びは、そのポジションでは取りにいかない形になります。

株価は、トレンドが始まると数日〜数週間にわたって動きが続くことがあります。

デイトレでは、その一部分だけを取引するイメージになるため、日をまたぐ値動き自体を学ぶ機会が少なくなりがちです。

もちろん、日をまたぐことでリスクも増えるため、「翌日以降を取らない」という選択にも意味があります。

ただ、初心者が「株価がどのように推移していくのか」を理解するうえでは、もう少し長い時間軸でチャートを振り返る経験も有効です。

短期に集中することと、中長期の動きを学ぶことのバランスをどう取るかが、デイトレと向き合う際のポイントになります。

身体的・心理的な負担が大きくなりやすい

デイトレは、取引時間中に頻繁に判断を行うスタイルであるため、集中力を長時間保つ必要があります。

前場・後場を通して値動きを追い続けると、目や肩の疲労だけでなく、判断の疲れも蓄積しやすくなります。

また、短い時間で結果が出る分、1日の中で「思うようにいかなかった取引」が続くこともあります。

連続した損失や、わずかな値動きの違いで結果が変わる場面が重なると、焦りや落ち込みが強くなり、冷静な判断が難しくなることがあります。

こうした身体的・心理的な負担を軽くするには、「取引時間をあらかじめ決める」「休憩を挟む」「1日の取引回数を制限する」といった工夫も考えられます。

自分のコンディションに合わせて、どこまで集中して取り組めるかを意識することが大切です。

短期チャート特有の「だまし」に注意

短期チャートでは、一時的なニュースや注文の集中によって、急に値が飛んだり戻ったりする動きが起こることがあります。

このような一時的な動きを、トレンドの始まりと誤解してしまうと、本来の流れとは逆方向のポジションを持ってしまうきっかけになることがあります。

特に、ブレイクアウトのように「ある価格を超えたかどうか」を重視する手法では、短期足だけを見ていると、抜けたように見えてすぐに元の価格帯に戻る、いわゆる「だまし」に遭遇しやすくなります。

短期の足だけで判断しないように、上位の時間軸(日足・60分足など)で全体の流れを確認し、短期の動きがその流れと整合しているかを見る工夫が役立ちます。

複数の時間軸を組み合わせることで、短期特有のノイズに過度に振り回されにくくなります。

デイトレが心理的負担になりやすい背景

デイトレでは、1日の間に何度も損益が変動するため、感情が動きやすくなります。

値動きに一喜一憂してしまうと、「もっと取り返したい」「もう少し粘りたい」といった気持ちが強くなり、事前に決めたルールから離れてしまうことがあります。

行動ファイナンスの分野では、人は損失を避けたい気持ちが強く、損を確定させる決断を先延ばしにしがちだと指摘されています。

デイトレのように短時間で結果が見えるトレードでは、この傾向が強く出ることがあり、損切りをためらうことで負担が蓄積するケースもあります。

心理的な負担を軽くするには、「1回あたりのリスクを小さくする」「あらかじめ損切り水準を決めておく」「1日の損失上限を決める」など、自分なりのルールを持ち、感情よりも事前の決めごとを優先しやすい環境を整えることが大切です。

株初心者にデイトレは有効なのか

 デイトレは、短期間で結果が見えるため、株をこれから学ぼうとしている人にとって魅力的に映ることがあります。

しかし、時間の制約や必要な準備、心理的な負担を踏まえると、最初のステップとして選ぶべきかどうかは慎重に考えたいところです。

ここでは、初心者にとってデイトレが難しいとされる理由と、学び始める際の現実的なステップについて紹介します。

初心者にデイトレが難しいと言われる理由

初心者にとってデイトレが難しいと言われる一因は、「同時に身につけるべき要素が多い」ことです。

短期のチャート分析、素早い判断、注文操作、資金管理、そして感情のコントロールなど、複数のスキルをほぼ同時に磨いていく必要があります。

また、短い時間軸では、値動きが細かく変化するため、「どの動きが重要なのか」を見極める経験が求められます。

基礎的なチャートの読み方や、トレンドの考え方を学ぶ前にデイトレから入ると、値動きの一つひとつに振り回されやすく、学びのポイントがぼやけてしまうことがあります。

さらに、初心者は「負けたくない」という気持ちが強くなりやすく、損切りをためらったり、予定よりも多くの回数を取引してしまうこともあります。

こうした心理的な負担は、デイトレのような短期トレードで表面化しやすく、継続を難しく感じる要因となりがちです。

トレードを学ぶための現実的なステップ

トレードを学び始める際は、まず「基礎知識」と「自分の生活リズムに合う時間軸」を確認することが現実的なステップになります。

具体的には、以下のような流れをイメージすると整理しやすくなります。

まず、株式投資の基本用語や注文方法、チャートの見方など、土台となる知識を学びます。

そのうえで、日足や週足を使いながら、株価がどのように推移しているかを観察し、トレンドの流れを把握する練習を重ねます。

次に、生活スタイルに応じた時間軸を選びます。

日中の時間が限られている場合は、毎日夜にチャートを振り返り、翌日の行動方針を考えやすいスイングトレードのようなスタイルから始めると、無理なく継続しやすくなります。

デイトレに興味がある場合も、いきなり本格的に取り組むのではなく、基礎が身についてきた段階で、少額やデモトレードなどから短期の値動きに慣れていく、といった段階的な進め方を意識すると、負担を抑えながら経験を積むことができます。

初心者やサラリーマンにおすすめの投資スタイル

デイトレに関心を持ちながらも、「日中は仕事がある」「長時間画面に向かうのは難しい」と感じている方も多いはずです。

そのような場合、まずは時間的な負担を抑えつつ、相場の流れを学びやすいスタイルから始める選択肢があります。

ここでは、スイングトレードを例に、初心者やサラリーマンが取り組みやすい投資スタイルと、その考え方について紹介します。

スイングトレードが学習に適している理由

スイングトレードは、数日〜数週間ポジションを保有し、日足チャートを中心に売買を検討するスタイルです。

デイトレのように日中の細かな値動きに付き合う必要はなく、夜の時間帯や休日にチャートを振り返りながら、ゆとりを持って計画を立てやすい点が特徴です。

日足ベースで株価の動きを追うと、「どのような場面でトレンドが出やすいか」「どのような形で反転しやすいか」といった、相場の基本的な動きを落ち着いて観察できます。

こうした学びは、のちに時間軸を短くしたいと考えた場合にも、そのまま土台として活きてきます。

また、スイングトレードでは、1日のうちトレードに使う時間をある程度決めやすく、仕事や家庭との両立を図りやすい側面があります。

日々の生活リズムを保ちながら、無理のない範囲で相場に向き合えることは、長く学び続けるうえで大きなポイントになります。

限られた時間で投資を続けるためのポイント

限られた時間の中で投資を続けていくには、「いつ・どのタイミングで相場を見るか」をあらかじめ決めておくことが役立ちます。

例えば、毎日夜に30分だけチャートを確認し、「明日こう動いたらどうするか」とシナリオを考えておくと、翌日の判断が迷いにくくなります。

また、取引回数を増やしすぎないこともポイントです。短期の売買を繰り返すほど、判断回数が増え、時間的・心理的な負担が大きくなります。

自分で「1週間に何回まで」「1日1銘柄まで」といった基準を設けることで、生活とのバランスを取りやすくなります。

さらに、取引記録を残し、定期的に振り返る習慣を持つことで、自分がどのような場面で迷いやすいか、どのような時間帯に集中しやすいかといった傾向を把握しやすくなります。

こうした習慣は、デイトレ・スイングにかかわらず、トレードを長く続けるうえでの土台になります。

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デイトレードに関するQ&A

Q1. デイトレードは本業がある人でも取り組める?

A. 基本的には難しいです。

デイトレードは日中の相場が動いている時間(9:00~15:00)にチャートへ集中できる環境が必要です。

サラリーマンのように仕事をしている人は、細かい値動きをリアルタイムで追うのが難しく、判断の遅れが損失につながりやすくなります。

副業的に始めるなら、ザラ場を見続けなくても対応できるスイングトレードの方がおすすめです。

Q2. デイトレードで成功するための最低限の準備は?

A. まずは小額資金で経験を積むことが大切です。その際、以下の準備がポイントになります。

  • 高速かつ安定したネット環境(数秒の遅延でも損失リスクが高まるため)

  • チャートツールの活用(分足・板情報など短期売買に適したもの)

  • 損切りルールの徹底(1回の損失を限定することで資金を守る)

これらを整えることで、精神的な負担を減らし、冷静にトレードできる環境を作れます。

まとめ

  • 初心者はデイトレードでは4つのポイントで苦戦する
  • デイトレードはいきなり挑戦するのはおすすめできない
  • 初心者におすすめの投資スタイルはスイングトレード

いかがでしょうか?

デイトレードは、超短期で利益を狙えるトレードなので、投資家の方にとっては魅力的なものに見えるかと思います。

しかし、他のトレードスタイルよりも労力がかかることも想定しておいた方が良いでしょう。

生活スタイルを見つめつつ、ご自分に合った投資のスタイルを探してみてはいかがでしょうか?

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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