プレマーケットとは?米国株の時間外取引の仕組みとリスクを基礎から初心者向けに解説!

プレマーケットとは?米国株の時間外取引をわかりやすく解説

「プレマーケットとは何だろう」「米国株は真夜中しか触れないのでは?」──そんなモヤっとした不安を抱えたまま、米国株に興味を持っている方は少なくありません。

実は、米国株には立会時間の前後に行われる“時間外取引”があり、日本時間の夜〜早朝でもう少し柔軟に取引に参加できます。

一方で、時間外は値動きが荒くなりやすく、仕組みを知らずに使うと戸惑う場面も出てきます。

本記事では、「プレマーケットとは?」という基本から、時間外取引の仕組み・特徴・リスク、活用を検討するときの判断軸までを丁寧に解説します。

もっと機動的に米国株の取引を行いたいと思っていた方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

   
目次

米国株では時間外取引ができる?

米国株は、米国株式市場の立会時間外ではないときにも、取引を行うことができます(時間外取引)。

ここで、米国株式市場の立会時間を日本時間でおさらいしておきましょう。

  • 通常:23時30分~翌6時
  • サマータイム(3月第2日曜日から11月第1日曜日まで):22時30分~翌5時

ちなみに上記の立会時間は、米国東部時間で9時30分~16時となるように統一されています。

プレマーケットとは?

米国株式市場では、上記立会時間前の1時間30分を「プレ・マーケット」、立会時間後の4時間を「アフター・マーケット」といい、時間外取引(Extended Hours Trading)を行うことが可能です。

日本時間に直すと、それぞれ以下のとおりになります。

  • 通常:プレ…22時~23時30分、アフター…6時~10時
  • サマータイム:プレ…21時~22時30分、アフター…5時~9時

米国株トレーダーの方は、立会時間内の取引はもちろんのこと時間外取引についても知っておくと、リアルタイムで米国株取引に参加できるチャンスがより多くなります。

立会時間を含めると、取引可能時間は最大12時間にも上ります。

日中は夜まで仕事をしていて翌日は朝が早いという方は、時間外取引に比較的参加しやすいのではないでしょうか?

また、立会時間外に米国企業の株価に影響を与えるようなニュース報道や決算発表などが起こったときにも、迅速に対応できる点もメリットです。

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米国株の時間外取引はどのように行われる?

米国株の時間外取引は、証券取引所ではなく、ブローカー同士の私設市場である電子商取引ネットワーク(ECN)を通して、オークション方式で行われます。

ECNは、電子証券取引所といわれることもあります。

ただしECNを通した米国株の時間外取引を行うことには、注意点もあります。

それは、流動性が低い点です。

立会時間内と比べて取引数が著しく少ないため値動きが激しく、思い通りの株価では約定しない可能性が出てきます。

このように米国株の時間外取引はリスクが高いため、取引を行う前に証券会社にリスクに関する同意書を提出する必要があります。

米国株の時間外取引が行える証券会社はどこ?

2025年12月現在、米国株の時間外取引が行える日本証券会社は、マネックス証券とmoomoo証券のみです。

立会時間だけではなく、プレ・マーケット、アフター・マーケットでも米国株の取引が行えます。

マネックス証券で時間外取引を行うときは、米国株Web取引画面の注文画面で、期間指定を選択するところから「Day+」、「GTC+」「GTD+」(以下で説明)のいずれかをクリックしてください。その後発注すると、時間外取引が可能になります。

各期間指定の意味は、以下のとおりです。

  • Day+:当日のアフター・マーケット(サマータイム以外の時期は朝10時)まで有効
  • GTC+:時間外取引を含み、キャンセルするまで有効(最大90日間)
  • GTD+:時間外取引を含み、指定日まで有効(最大90日間)

時間外取引が行える上記3つの期間指定を用いた方法では、指値注文のみ有効です。

成行注文や逆指値注文は、利用できないのでご注意ください。

例外として、日本人の方でも、仕事の関係などで日本の住民票を抜いて海外に出国し、1年以上海外に居住している場合は、米国株の時間外取引をしたくてもマネックス証券で証券口座を開設することができません。

上記のような非居住者におすすめなのが、海外の証券会社で証券口座を開設することです。

海外であれば、ファーストレード証券やインタラクティブ・ブローカーズ証券など、複数の証券会社が米国株の時間外取引に対応しています。

ニューヨーク証券取引所に上場している日本株ADRを活用すれば、海外から日本株を取引することも可能なので、ぜひ参考にしてみてください。

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プレマーケットのメリット・デメリット

プレマーケットには、次のようなメリットがあります。

  • 夜中の立会時間には張り付けない人でも、出勤前や就寝前などに、ある程度リアルタイムの価格を確認できる
  • 決算やニュースが出た直後の反応を早めに把握できる

  • 保有銘柄に大きなニュースが出た場合、立会時間まで待たずに一定の対応ができる

一方で、デメリット・注意点もはっきりしています。

  • 通常より板が薄く、希望する価格で約定しづらい

  • 小さな注文でも株価が大きく動き、短時間で上下に振れやすい

  • 立会時間が始まると、プレマーケットの価格がそのまま続かず、一気に流れが変わることも少なくない

プレマーケットは「便利な延長戦」というより、特徴の異なる別の時間帯と捉えておいたほうが、感覚的なギャップが少なくなります。

プレマーケットを使うべき人/使わないほうがよい人

プレマーケットが向いているケース

プレマーケットが比較的使いやすいのは、次のようなケースです。

  • 日中は忙しいが、出勤前の早朝や就寝前にはチャートを確認できる

  • 決算発表や重要ニュースのタイミングをあらかじめ把握し、どの銘柄を重点的にチェックするかを決めている

  • 指値注文を中心に、「この価格になったら約定してもよい」というラインを事前に考えておける

プレマーケットを控えたほうがよいケース

一方で、次のような状況に当てはまる場合は、慎重な検討が必要です。

  • そもそも通常の立会時間の値動きにもまだ慣れていない

  • 「大きく動いている=買い(売り)のチャンス」と感じやすい

  • 成行注文と指値注文の違いがあいまいなままになっている

まとめ

    プレマーケットとは、米国株式市場の立会時間前に行われる時間外取引の一つであり、日本からでもニュースや決算発表に対する初期反応を早めに把握できる時間帯です。

    ただし、通常の立会時間と比べて流動性が低く、板が薄くなりやすいため、スプレッドが広がったり、一時的に大きく価格が動いたりすることがあります。

    時間外取引は、ECNと呼ばれる電子ネットワークを通じて行われることが多く、証券会社によって対応時間や注文方法が異なります。

    利用を検討するときは、サービス内容や期間指定注文の仕組みを確認し、自分の生活リズムや取引経験と照らし合わせて考えることが大切です。

    まずは、立会時間とプレマーケットのチャートを見比べ、値動きや板の違いを観察するところから始めるのも一つの方法です。

    そのうえで、「自分にはどの程度ふさわしいのか」「どんな使い方なら無理がないのか」を整理していけば、プレマーケットを自分の投資リズムの中で穏やかに扱えるようになっていきます。

    ぜひ本記事を参考に、米国株の機動的な取引を行ってみてください。

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    この記事の監修者

    監修者プロフィール

    トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
    20歳で株の売買を始めてから20年間、
    「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
    その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

    現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
    日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
    どの市場でも大きな利益を生み出している。

    ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
    東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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    この記事を書いた人

    著者プロフィール
    根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
    1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

    地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

    その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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