売り買いの言い換えを知る!相場格言「売り買いは腹八分」で投資の失敗を防ぐ秘訣を解説

売り買いは腹八分

株式投資やFXを始めると、日常的に「売り買い」という言葉を耳にします。

しかし、プロの投資家や熟練者の間では、この売り買いを別の言葉で言い換え、より深い意味を持たせて管理していることをご存知でしょうか。

例えば、単純な売買を「エントリー(注文)」「エグジット(決済)」と言い換えたり、戦略的な観点から「仕掛け」「手仕舞い」と表現したりします。

こうした言葉の使い分けは、単なる表現の違いではなく、投資に対する向き合い方や戦略の具体性を表しています。

本記事では、数ある投資の教訓の中でも特に重要な「売り買いは腹八分」という相場格言にスポットを当てます。

なぜ「腹八分」が投資の成功において不可欠なのか、その出典から具体的な実践方法までを網羅しました。

「もっと利益を出せたはずなのに」という後悔をなくし、確実な利益を積み上げるための思考法を身につけていきましょう。

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目次

売り買いの言い換え表現と投資用語の基礎知識

投資の世界では、状況や戦略に応じて「売り買い」をさまざまな言葉で言い換えます。

これらの言葉を正しく理解し、自分の投資スタイルに組み込むことで、売買のタイミングや目的が明確になります。

戦略的な売買を表す言い換え

投資において「買う」ことを「エントリー」や「仕掛け」と呼びます。

これは単に株を手に入れるだけでなく、相場の波に乗り、特定の戦略を開始するという意志が含まれています。

一方で「売る」ことは「エグジット」や「手仕舞い」と言い換えられます。

特に「手仕舞い」という言葉には、その取引を完結させ、利益や損失を確定させるという区切りの意味が強く込められています。

心理的な側面を強調する言い換え

また、利益を確定させる売りを「利確(りかく)」、損失を確定させる売りを「損切り(そんぎり)」と呼びます。

投資初心者の多くは、この「損切り」という言葉を避けたがりますが、資産を守るためには最も重要な「売り」の言い換えです。

さらに、ポジションを整理することを「スクエアにする」と表現することもあり、これは市場のリスクから一旦離れるという賢明な判断を指します。

格言の出典

相場格言「売り買いは腹八分」の出典について、確実なことはわかっていません。

ですが、おそらく江戸時代の米相場師である本間宗久氏もしくは牛田権三郎氏が残した相場格言ではないかと言われています。

この2人の相場師は、現在でいうテクニカル分析のような手法で大きな富を得ただけではなく、いつの時代にでも通じるような相場格言や必勝法を伝えてきました。

とくに本記事で紹介する相場格言における“腹八分”という概念は、本間宗久氏がさまざまな場面で訴えてきたものなので、ぜひ心得ておきたいものです。

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格言の意味とその教訓

次に、相場格言「売り買いは腹八分」の気になる意味や教訓についてご説明していきます。

実はこの相場格言には大きく分けて2つの意味があり、どちらも株式投資において重要な教訓を与えてくれるものです。

まずは、1つめの意味についてです。

株式投資においてモットーとなるのは「安く買って、高く売る」であるのに対し、相場格言「売り買いは腹八分」では、”「最安値で買って最高値で売る」といった腹十分目のような満足感を味わおうとしてはいけない”と、利益を欲張ろうとする気持ちを戒めています。

たとえば自分がある株を保有しているとすると、株価が上昇トレンドに転じたらこれ以上は上がらないといった最高値まで上昇するのを待って、株を売りたいと思うものですよね。

人間の心理として、利益を少しでも取り逃すともったいないと思ってしまうものです。

ただし株価の天井というのはだれにも分からないものなので、追い求め過ぎるとリスクは高くなります。

このようにリスクをとるよりは利益を追い求める気持ちを腹八分目くらいまで抑えて、“結構上がったから、これくらいで我慢して売っておこう”として売る心が大切だということを教訓としています。

反対に株を買おうとしているときも同様で、最安値で買おうとする気持ちを腹八分目くらいまで抑えて、“ある程度下がったから(安値圏に入ったと考えられるから)、これくらいで我慢して買っておこう”として買う心が大切だというのが教訓です。

この相場格言「売り買いは腹八分」の1つめの意味と似た相場格言として「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉があります。

相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」とは?の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

次に、2つめの意味についてです。

これは“腹八分”を“全財産(投資資金)の八分目(80%)”とたとえて考えると、イメージが湧きやすいです。

簡単にいうと“売り買い(株式投資)に投じる資金は適度(80%)に抑えて、全財産を投じてはならない”ということを教訓としています。

全財産を投じるといった無理のある株式投資をしても、必ず報われるとは限りません。

反対に、損失が膨らんでしまった際に全財産をつぎ込んでいたら、取り返しのつかないことにもなり兼ねません。

ある程度余裕を持った上で株式投資に資金を使うほうが、正しい判断もしやすいのです。

どんな状況でも冷静に考えて、無理のない範囲での投資をおこなうことが大切ですね。

まとめると相場格言「売り買いは腹八分」は、“株式投資においての注力や願望は八分目にとどめておくことの大切さ”を教訓としています。

格言を生かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。

含み益があるとき

買った株の株価が上昇して含み益があるときこそ、相場格言「売り買いは腹八分」の教訓が活きます。

自分が予想したとおりに株価が上昇すると自信も出てくるので、“まだまだ上がるのではないか”、“せっかくだから最高値まで保有してから売りたいな”といった気持ちになってしまいがちです。

いくら上昇トレンドに入っていたとしても、市場ではいつ何が起こるかわかりません。最高値を待っていたら不測の事態に陥り、ついさっきまであった含み益がゼロになってしまうなんてこともあり得ます。

ですから相場格言「売り買いは腹八分」の教訓を思いだして、“まだ上がるかもしれないけど十分に利益が出ているから、ここで売っておこう”と腹八分目で満足できることが望ましいです。

反対に、含み損を抱えている場合も同様です。

イチかバチかの投資をしようとしているとき

株式投資をしている方のなかには、少しでも手元のお金を増やしたいという思いから、あまり資金に余裕はなくともなんとか絞り出して投資をしているという方もいるかもしれません。

もし“次の投資が失敗したらこの先生活できなくなる”といった限界ギリギリの状況で投資をしようとしている方は、要注意です。

というのも本来株式投資は副業としておこなうならば、失ってもとくに問題はない余裕資金でおこなうべきだからです。

プレッシャーが大きすぎる資金状況での投資は冷静な思考の妨げとなるので、全財産(腹十分)を投じることのないようにしましょう。

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投資初心者が陥りやすい腹十二分の罠

なぜ多くの初心者は「腹八分」で止めることができず、限界を超えた「腹十二分」の状態になってしまうのでしょうか。

そこには人間の脳が持つ生存本能が深く関わっています。

損失回避性とプロスペクト理論

人間には「利益を得る喜びよりも、損失を失う痛みの方が大きく感じる」という性質があります。

これをプロスペクト理論と呼びます。この心理が働くと、利益が出ているときは「早く確定させたい」と焦り(利小)、損失が出ているときは「戻るまで待ちたい」と執着(損大)してしまいます。

格言とは真逆の行動をとってしまうため、意識的に「腹八分」をルール化しなければ、本能に負けてしまうのです。

他人と比較することの危険性

SNSなどで「数倍になった」「一晩で大儲けした」という派手な報告を目にすると、自分もそうなりたいという焦りが生まれます。

他人の成功を羨む「隣の芝生は青い」状態になると、自分のリスク許容度を超えた無謀な「売り買い」に走りがちです。

投資は他人との競争ではなく、自分自身の資産を守り育てるためのものです。

「自分の腹八分」を見失わないことが、継続的な勝利の秘訣です。

よくある質問(Q&A)

Q1. 腹八分で売った後にさらに株価が上がったら後悔しませんか?

A. 投資に後悔はつきものですが、その上昇分は「他人の利益」と割り切ることが重要です。

自分が計画した利益を得られたのであれば、その取引は成功です。

むしろ、欲張って天井を狙い、利益を逃すことのリスクの方がはるかに大きいと考えてください。

Q2. 投資資金の八分目とは具体的にどれくらいですか?

A. 一般的には生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)を確保した上で、投資に回せる余剰資金の80%程度を運用に回し、残りの20%を常に現金として保持しておくのが理想的です。

相場の急変時に動ける資金を確保しておくことが「八分目」の秘訣です。

Q3. 初心者が「腹八分」を身につけるための練習法はありますか?

A. まずは「逆指値注文」を活用することをおすすめします。

感情が入る前に、あらかじめ「この価格になったら売る」という設定をしておくことで、機械的に腹八分の利確や損切りが行えるようになります。

まとめ

    投資の世界で最も恐ろしい敵は、市場の変動ではなく自分自身の「欲」です。

    「もっと欲しい」という気持ちが芽生えたときこそ、江戸時代から伝わるこの賢者の教えを思い出してください。

    腹八分目で満足できる謙虚さこそが、あなたの資産を確実に守り、着実に増やしていくための最強の武器となります。

    今日からの取引では、ぜひ「腹八分」を意識した注文を心がけてみてください。

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    この記事の監修者

    監修者プロフィール

    トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
    20歳で株の売買を始めてから20年間、
    「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
    その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

    現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
    日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
    どの市場でも大きな利益を生み出している。

    ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
    東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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    この記事を書いた人

    著者プロフィール
    根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
    1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

    地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

    その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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