みなさんは「小回り三月 大回り三年」という相場格言をご存知でしょうか?
相場格言や株用語をたくさんご存知の方は「“三”がつく言葉が多いな」と感じたことでしょう。
本当にそのとおりで、株式投資では3という数字が非常に大切にされています。
また、株式投資にかかわらず私たちが日常生活で使うような熟語やことわざでも“三”がたくさん使われています。とても興味深いですよね。本記事では相場格言「小回り三月 大回り三年」をもとに、3という数字から株式市場というものを見ていきたいと思います。
この記事でわかること
- 「小回り三月 大回り三年」の出典
- 意味と教訓
- 格言を生かすシチュエーション
格言の出典
相場格言「小回り三月 大回り三年」は、犬丸正寛氏が述べた言葉です。
犬丸正寛氏は株式評論家であり、日本インタビュ新聞社の代表取締役社長でもありました。
新聞社では、株式マーケットと上場企業に関する編集を担当していました。2016年に亡くなられましたが、生前に「小回り三月 大回り三年」以外にも多くの相場格言を残しています。
格言の意味とその教訓
次に、相場格言「小回り三月 大回り三年」の意味やその教訓についてご説明していきます。
みなさんは、株式市場の動きにはある程度のサイクルがあるといわれていることをご存知でしょうか?
これは昔からある考え方で、短期的(小回り)には3カ月(三月)、長期的(大回り)には3年だとされています。
まず前者の“3カ月”については、企業の決算発表や業績見通しのレポート発表が四半期(3カ月)ごとにおこなわれることが多いということが理由の1つだと考えられます。
また、信用取引において、証券会社から借りた投資資金や株式を6カ月(3カ月×2)以内に返さなければならないといった点も影響している可能性があるでしょう。
一方で後者の“3年”については、政権の人事交代や大きな災害の発生のサイクルが大体3年前後であることが理由の1つであると考えられます。
世間的にも、景気というのは3年くらいで移り変わるものだと感じている方も多いようです。
3カ月および3年ごとに株式市場の動きに山と谷が出現するというのは、非常に興味深いですよね。
また、株式投資に関する言葉には、相場格言「小回り三月 大回り三年」以外にも「三」がつくものが非常に多いです。
たとえば、以下のとおりです。
- 「三割高下に向かえ」
- 「天井三日 底百日」
- 「年の内、三度より商い場なし」
- 「三空は売り」
- 「二割三割向かう理と知れ」
- 三段上げ
- 三山
- 三空
- 三川
- 三兵
3という数字は、株式投資において非常に重要な可能性がありますね。
こういった事実もあり、3カ月もしくは3年のサイクルを意識しながら株式投資をおこなっていくと、うまくマーケットの波に乗れるかもしれないと考えられています。
過去の株価チャートなどを見ながら、研究してみてくださいね。
格言を生かすべきシチュエーション
では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。
- 「人の噂も七十五日」
みなさんは「人の噂も七十五日」ということわざをご存知でしょうか?
昔、現在のように株式売買がデジタル化されていなかったころは、平日だけではなく土曜日も取引をおこなうことが可能でした。
そのため、1カ月で25日ほど取引できる日があったことになります。
これを3カ月で換算すると、ぴったり75日です。
上記のことわざがいうように、人々の噂はいつまでも長く回り続けるといったことはなく、75日(しばらく)経てば誰からも忘れ去られることでしょう。
株式市場においても同じです。
ある銘柄に対する何らかの好材料や悪材料が出現したとしても、3カ月(75日)経てば新鮮さがなくなってだれも注目しなくなります。
よって、株価が上昇・下落した銘柄も3カ月後には天井もしくは底をつく可能性があるので、そのまえに利益確定もしくは空売りをしておくことがおすすめです。
まとめ
- 相場格言「小回り三月 大回り三年」は、株式評論家の犬丸正寛氏が残した言葉
- 株式市場のサイクルは小さくみると3カ月、大きくみると3年ごとに訪れる
- 株式投資において3という数字を重要視されている
いかがでしたでしょうか?
本記事では相場格言「小回り三月 大回り三年」の出典や意味、生かすべきシチュエーションをご紹介してきました。
なかなか予想のできない動きをする株式市場ですが、実はある程度のサイクルがあったのですね。
2カ月待って上手くいかない場合でも、あと1カ月待てば道が開けることもあるので、辛抱強く待ってみましょう。
それでもだめなら、ポジションを解消するのも1つの手です。ぜひ相場格言の教訓をたくさん吸収して、投資に役立ててください。
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。