相場格言「売りは迅速、買いは悠然」とは?売買タイミングの基本を初心者向けに解説

売りは迅速、買いは悠然

「売りは迅速、買いは悠然」という相場格言をご存知でしょうか?

この相場格言は、株価の上昇・下落のスピードの特徴をたとえた言葉です。

実は株価の上下動は、多くの場合同じ値幅であっても要する時間に差があることが多いです。

この状況を表した相場格言「売りは迅速、買いは悠然」の教訓を知っておくことが、売買タイミングの判断を適切におこなう手助けとなります。

ぜひ本記事を参考に、今後の株式投資に役立ててみてください。

この記事でわかること

  • 「売りは迅速、買いは悠然」の出典
  • 意味と教訓
  • 格言を活かすシチュエーション

投資の格言と名言。たかが格言だが学べることはたくさんある

目次

格言の出典

まず初めに、相場格言「売りは迅速、買いは悠然」の出典についてご紹介します。

この相場格言は、株式評論家として名をはせた犬丸正寛氏(享年72歳)によるものです。

彼は「売りは迅速、買いは悠然」のほかにも以下のような相場格言を残しています。

  • 二度買うべし二度売るべし
  • 個人投資家は人を頼りにするな
  • 鍋に入れた株のフタはとるな
  • 日本人が来れば天井
  • 大きな上放れ、下放れには素直につけ

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格言の意味とその教訓

次に、相場格言「売りは迅速、買いは悠然」の気になる意味とその教訓について見ていきます。

これは簡単にいうと”(売りによる)株価下落のスピードは速く、(買いによる)株価上昇のスピードはゆるやかである”ことを示しています。

ちなみに、同じような意味を持つ海外での相場格言に「ブル(雄牛:強気相場)は階段をゆっくり上り、ベア(熊:弱気相場)は窓から飛び降りる」というものもあるため、株式市場に対する世界共通の認識であることが分かります。

今までの株式投資の経験や見たチャート画面を思い返してみてください。株価の下落は一気に進むことが多く終わるのも一瞬であるのに対し、株価の上昇は日数をかけてゆっくりと進んでいくことが多い印象はありませんか?

株価の変動すべてに「売りは迅速、買いは悠然」が当てはまるというわけではありませんが、一般的には下落相場は短期間で崩れやすく、上昇相場は高値をつけるまで日数がかかりやすいと考えられています。

ではなぜ、このように株価の上昇と下落にはスピード感に違いがあるのでしょうか?

これには、チャートを形作る要因の1つとなる市場参加者の心理に理由があります。

というのも人間は基本的に、疑い深くて慎重である一方で目の前で起きていること(特に悲観的なこと=下落)に敏感で、置いてきぼりにされたくないといった感情を持っているからです。

たとえば株価が下落傾向にある場合は疑い深さと慎重さが強くなり、「安いから買いたいけど、まだまだ下がるのではないか?」と考えてしまうため、買いを入れることに対して臆病になってしまうというケースがあります。

このような理由から「買いは悠然」と言われるようになったのだと考えられます。

以上より株価は下落スピードが速い傾向にあるため売るときは思い切りが重要です。一方で上昇するのには時間を要するので、慌てることなく適切なタイミングを探して取引をしても問題はないということが分かります。

これが相場格言「売りは迅速、買いは悠然」の教訓です。

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格言を生かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。

相場格言「売りは迅速、買いは悠然」から得られるのは、売りと買いでは注文を出すタイミングが異なるという教訓です。

以下で1つずつ見ていきましょう。

  • 売りによる株価下落は一気に進む

まずは、売りのタイミングについてです。

下落相場の場合株価は迅速なスピードで下落をするので、「いつ売ろうか」とためらい続けていると含み損を発生させてしまう原因になります。

つまり株を売るタイミングを探っている場合は、「今から落ちる!」と株価下落のタイミングを見つけた時点で早めに手仕舞いをしておいた方がいいでしょう。

一つ参考になる考え方として、

  • 買いによる株価上昇はゆっくり

次に、買いのタイミングについてです。

上昇相場の場合、株価はジグザクとした波を描きながら上昇をしていくことが多いです。

そのため、株を買うタイミングを探っている場合は、押し目が出現するのを待ってから買い注文を出すことをおすすめします。

もし押し目が出現するのを待たずに買い注文を出してしまうと、上昇相場はジグザグとした波を描いていることから戻ってくる波に巻き込まれて、思いがけない含み損を抱える原因になってしまいます。

焦らず「ここが押し目だ!」と見極めたタイミングでのエントリーをするように心がけましょう。

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まとめ

  • 相場格言「売りは迅速、買いは悠然」は犬丸正寛氏が残した言葉
  • 株価の下落は短期間で一気に起こるのに対し、上昇はじっくりと日数をかけて起こるという意味
  • 売りは躊躇してはならず、買いは焦らず押し目を待ってエントリーをすることが大切

本記事では相場格言「売りは迅速、買いは悠然」の出典や意味、活かすべきシチュエーションについて解説してきました。

株価の上昇と下落のスピード感が異なるということに、驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。

ただしこれはみなさんを含み市場参加者の心理によって起こることです。

この株価変動の特徴を理解すれば、適切なタイミングで売買をすることができるのでぜひ参考にしてみてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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