相場格言「相場のことは相場に聞け」とは?市場から学ぶべきことを解説

相場のことは相場にきけ

株式投資をされている方の中には、ファンダメンタルズ分析や専門家の解説、ニュースなどをもとに売買の判断を下している方もいらっしゃるかと思います。

予想と反する方向に株価が動いたらどのような対応をとりますか?

本記事で紹介する相場格言「相場のことは相場にきけ」は、主観を織り交ぜずに素直に相場を読み取ることの大切さを私たちに教えてくれています。

この記事でわかること

  • 意味と教訓
  • 格言を活かすシチュエーション

相場格言「相場師は孤独を愛す」とは?

目次

格言の出典

相場格言「相場のことは相場にきけ」の出典や発言者は、残念ながら不明です。

ただしおそらく江戸時代の米相場において生まれた相場格言で、現在に至るまで私たちトレーダーに株式投資における教訓を伝え続けています。

格言の意味とその教訓

株式投資をされる際に、今後の株価の動向や割安感などを判断するときに、ファンダメンタルズ分析などを用いて分析をする方もいらっしゃるかと思います。

また、とくに迷いが生じた場合や決定的となる何かが必要な場合には、各証券会社のホームページなどから証券アナリストの意見を参考にされるかもしれません。

ただし、そうした分析によって自信を持っていたとしても「まるでマーケットは生き物だ」と言われるくらいに、トレーダーが理屈で割り切った分析どおりにはなかなか動いてくれないと感じたことはありませんか?

そのような場合には「自分がおこなった分析は正しいから」と予想通りに株価が動くまで意地を張り続けていては、危険です。

実際私たちトレーダーはあらゆる方法で株価を分析しますが、「相場のことは相場」にしか分かりません。

とくにファンダメンタルズ分析をした場合でも、株価はファンダメンタルズ的な要素のみで動くわけではなく、ほかにもあらゆる要因を織り交ぜて動いている可能性がありますよね。

アナリストの意見も言ってしまえば人間の意見なので、直接的なマーケットの声ではありません。

つまり、どれだけ精密に私たちトレーダーが分析をしたとしてもその分析が100%正しいと言い切れることはないです。私たちは相場ではないので、相場のことを100%正確に予想することなどできません。

よって、もし自分が分析したのと違う方向に株価が動いたのだとしても「逆の動きをしてしまったけど絶対こうなるはずだ!」と意地を張るのではなく、素直にマーケットの動きに対応することが求められます。

その後の株価の見通しが不透明だという場合でも、株価の動きに従えば問題はありません。

相場の動きを理屈だけで語ろうとはせずに、よく観察することが大切です。

テクニカル分析の有効性

相場格言「相場のことは相場にきけ」は、テクニカル分析の精神を表しているともいえます。

つまり「相場についての答えはすべて相場(株価チャート)にある」というのがテクニカル分析の理念です。

というのも株価チャートは、企業のファンダメンタルズや経済ニュースなどすべての情報を織り交ぜた結果形成されたものだからです。

普段ファンダメンタルズ分析を軸に株式投資をおこなっているという方は、もし予想が外れて先の見通しが立たなくなってしまったときには相場が示唆する動きに従う必要があるため、テクニカル分析を行う方が有効といえます。

ファンダメンタルズ分析では、全ての要因を事前に把握しておくことは難しいですが、テクニカル分析であればチャートの流れや動きから初心者でも精度の高い分析がしやすいと言えるでしょう。

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格言を活かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を活かすべきシチュエーションを紹介します。

打診買い

「打診買い」という言葉をご存知でしょうか?

打診買いとは、株価が下落しているタイミングで「そろそろ下落がストップするのではないか」と思ったところに小口の買い注文を出すことをいいます。

なぜ小口なのかというと、打診買いをしたあと株価が予想通り上がったら残りの資金で株を買い足すことができるからです。

ただしこのとき、予想に反して株価の下落がストップせずさらに下がったりしてしまうこともあり得ます。

このようなときこそ「相場のことは相場にきけ」を思い出しましょう。

意地を張らずに自分の予想が間違っていたことを素直に認めて、マーケットの様子をしばらく見て動きにしたがうことが大切です。

セルインメイ

「セルインメイ(sell in may)」とは、株価が急落する5月に株を売って9月半ばまでは相場から離れた方が安全とされる米国株式市場における言葉です。

もし米国株のトレード初心者がセルインメイのニュースなどを聞いたら、言葉のとおりに持っている米国株を売り払ってしまうでしょう。

ただし、セルインメイは毎年実証されているわけではなく株価が急落しない年も数多くありました。

そのためセルインメイにしたがって売り払ってしまった銘柄の株価が逆に急上昇したら、大きな利益のチャンスを逃してしまうことになります。

そういうときこそ、ニュースに惑わされることなく相場の声に耳を傾けて株を保有するべきか手放すべきかを判断することが求められます。

相場のことは、ニュースではなく相場(株価チャート)を頼りにして聞くべきです。

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まとめ

  • 相場格言「相場のことは相場にきけ」の出典や発言者は不明
  • 相場が予想と反する方向に動いたときは、相場の動きに素直にしたがった方がいいという意味
  • 他者の意見やニュースを過信しない力、相場を素直に見てテクニカル分析をする力が求められる

本記事では相場格言「相場のことは相場にきけ」の意味や教訓、活かすべきシチュエーションを紹介しました。

株式投資において100%正解の予測をすることは不可能なので、もし予想は外れても動じずにそのときの株価を読んで柔軟に対応することが大切です。

また、リアルタイムの株価チャートには企業のファンダメンタルズや経済ニュースなどすべての情報が織り交ぜられているので、テクニカル分析がかなり有効です。

動揺してしまいそうなときこそ、シンプルな基準で株価チャートを読んで判断を下していきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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