「REITってなんだろう?」と疑問に思っていませんか?
REITという言葉は聞いたことがあるものの、どのような金融商品なのかわからないから知りたいと思っている方が多いようです。
そこで今回は、REITの基本的な仕組みや、メリット・デメリットについて解説します。
本記事を読むと、REITの概要を理解したうえで、銘柄を選ぶコツもわかるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
REITとは
本章では、REITを理解するうえで欠かせない基礎知識として、以下の4つの内容について解説します。
- REITとは
- REITの仕組み
- REITの種類
- REITと不動産投資の違い
それぞれみていきましょう。
REITとは
REIT(リート)とは、投資家から集めた資金で不動産を運用して、家賃収入や売却益などを分配する金融商品です。
正式名称は「Real Estate Investment Trust」で、日本語では「不動産投資信託」と訳されます。
日本で上場しているREITは「J-REIT」と呼ばれ、2001年に東京証券取引所で市場が誕生しました。
証券取引所に上場している商品のため、株式と同じ感覚で誰でも手軽に売買できます。
個人では購入が難しいオフィスビルや大型商業施設にも、間接的にオーナーとして少額から参加できる点が特徴です。
REITの仕組み
REITは「不動産投資法人」と呼ばれる不動産専門の法人が、投資家の資金で物件を運用する仕組みです。
投資家は、不動産投資法人が発行する「投資証券」と呼ばれる証券を購入する形で出資に参加します。
不動産投資法人は集めた資金に金融機関からの借入金を加えて不動産を購入し、賃貸収入や売却益を稼ぎます。
投資家は資金を出すだけで、不動産のプロが運用した成果を分配金として受け取れます。

なお、実際の運用は運用会社が担い、資産の保管は資産保管会社が担当するなど分業体制で運営されています。
REITの種類
REITは、投資対象の用途によって「単一用途特化型」と「複数用途型」の2種類に大別されます。
単一用途特化型は、オフィスビルや住居などひとつの用途の不動産に絞って投資するタイプです。
複数用途型には、2つの用途に投資する「複合型」と、3つ以上に投資する「総合型」があります。
代表的な種類と特徴の違いを、以下の表で確認してみましょう。
| 分類 | 主なタイプ | 特徴 |
| 単一用途特化型 | オフィスビル特化型 | 景気の影響を受けやすく、好況時には高い収益を期待できる |
| 住居特化型 | 景気変動の影響を受けにくく、収益が安定しやすい | |
| 商業施設特化型 | 消費動向や施設の立地に収益が左右されやすい | |
| 物流施設特化型 | ネット通販の拡大を背景に、安定した需要が見込める | |
| ホテル特化型 | 景気や観光需要の影響を受けやすく、値動きが大きい | |
| 複数用途型 | 複合型 | 2つの用途に投資してリスクを分散できる |
| 総合型 | 3つ以上の用途に投資し、より高い分散効果を得られる |
用途ごとに収益の安定性が大きく異なるため、自分の投資方針に合った種類のREITを選ぶことが大切です。
REITと不動産投資の違い
REITと現物の不動産投資では、必要な資金や手間、換金のしやすさなどが異なります。
両者の主な違いを項目ごとに整理したので、以下の表で見比べてみてください。
| 比較項目 | REIT | 現物不動産投資 |
| 必要資金 | 数万円程度から | 数百万円以上(ローン利用が一般的) |
| 物件の管理 | 専門家に任せられる | 入居者対応や修繕を自分で手配する |
| 換金のしやすさ | 取引時間中はいつでも売却できる | 売却完了まで数か月〜1年以上かかる場合もある |
| 分散投資 | 1銘柄で複数物件に分散できる | 1物件への集中投資になりやすい |
| 物件の選択 | 個別の物件は選べない | 好きな物件を自分で選べる |
手軽さを重視するならREIT、物件選びや換金のしやすさにこだわるなら現物不動産投資が適しています。
REITのメリット
本章では、REITの代表的なメリットとして、以下の内容について解説します。
- 少額から不動産に投資できる
- 分配金利回りが比較的高い
- 分散投資が容易
- 流動性が高い
- 管理の手間が不要
順番にみていきましょう。
少額から不動産に投資できる
REITでは、数万円程度の少額から不動産投資を始められることがメリットのひとつです。
REITを組み入れた投資信託を選べば、100円から投資できます。
一方で現物の不動産投資では、購入時に数百万円単位の自己資金を求められるケースが一般的です。
まとまった自己資金を用意することが難しい方でも、REITであれば手軽に不動産投資を始められます。
分配金利回りが比較的高い
REITは、株式の配当利回りと比較した場合、分配金利回りが高い傾向にある金融商品です。
分配金利回りとは、投資額に対して1年間に受け取れる分配金の割合を示す数値です。
株式は平均配当利回り2%前後ですが、J-REITの平均分配金利回りは3%台〜5%台程度で推移しています。
REITが高利回りである理由は、利益の90%超を分配すれば、法人税が実質かからない制度があるからです。
税金で差し引かれるお金が少ないため、稼いだ収益のほとんどを投資家へ還元できます。
定期的な分配金収入(インカムゲイン)を重視する方にとって、REITは魅力的な選択肢と言えるでしょう。
分散投資が容易
REITは、投資法人が多くの投資家から集めた資金で、たくさんの物件をまとめて保有・運用する仕組みであるため、投資家としてはたった1銘柄を購入するだけで、複数の不動産への分散投資が実現します。
1銘柄だけで数十件のオフィスビルや商業施設に投資しているケースも珍しくありません。
集中投資になりやすい現物不動産と比べて、リスクを抑えた運用がしやすい点がメリットです。
流動性が高い
REITは証券取引所に上場しているため、株式と同様に市場でいつでも売買できます。
実物の不動産投資では買い手探しや価格交渉、契約手続きを経る必要があり、売却までに数か月以上かかることも珍しくありません。
一方、REITであれば取引時間中にリアルタイムの市場価格で即座に取引が成立するため、急な資金需要にも柔軟に対応できます。
REITは実物の不動産投資と比べて流動性が高く、換金しやすいという大きな利点があります。
管理の手間が不要
REITは、物件の選定から購入・管理・売却まで、資産運用会社などのプロが担当する仕組みであり、不動産の管理や運用にかかる面倒な作業をすべて専門家に任せられます。
現物の不動産投資では、入居者の募集や建物の修繕、クレーム対応が欠かせません。
管理会社へ委託する方法もありますが、委託費用や業者選びの手間が発生します。
REITなら、運用における煩わしい実務が一切発生しないため、購入後は分配金の入金を待つだけで済みます。
本業が忙しい会社員の方でも、手間をかけずに収益を得られる点が、REITのメリットです。
【完全ガイド】初心者が失敗しない不動産投資の始め方|7つのステップで徹底解説
REITのデメリット
本章では、REITのデメリットを以下の内容に沿って解説します。
- 価格変動リスクがある
- 節税メリットが少ない
- 分配金が減額される可能性がある
- 投資先の物件を自分で選べない
- 災害リスクがある
ひとつずつ確認していきましょう。
価格変動リスクがある
REITは証券取引所に上場しているため、株式と同様に市場の需給によって日々価格が変動します。
不動産市場の低迷や金利の上昇、景気悪化といった外部要因の影響を受けて、元本割れを起こすリスクがある点に注意が必要です。
実際にコロナショックの際には、東証REIT指数が短期間で大きく値下がりしました。
分配金が魅力のREITですが、元本保証のない金融商品である点を十分に理解したうえで、投資判断を行うことが大切です。
節税メリットが少ない
REITは、実物不動産投資と比べて節税面での恩恵が少ない点が、デメリットとして挙げられます。
実物不動産を所有する場合、建物の減価償却費や修繕費などを経費として計上でき、不動産所得と給与所得などを損益通算して、所得税や住民税の負担を軽減できます。
一方、REITは投資証券として保有する形態のため、こうした経費計上は一切認められません。
税負担の軽減を重視する方にとっては、REITは不向きな投資先と言えるでしょう。
分配金が減額される可能性がある
REITにおいて、分配金の原資は賃貸収入などの運用益であり、収益悪化など運用状況次第では、分配額が減ってしまうリスクがあります。
景気の悪化で空室が増えたり賃料が下がったりすると、分配金の減額につながります。
実際にコロナ禍では、宿泊需要の急減によってホテル系REITの分配金が大幅に減少しました。
REITに投資する際は、利回りの数字だけで判断せず、収益の安定性や分配金の推移まで確認することが重要です。
投資先の物件を自分で選べない
REITでの資産運用では、投資する物件を投資家自身が選べないというデメリットがあります。
物件の選定や入れ替えは、すべて不動産投資法人が委託した資産運用会社が担当します。
そのため、「駅前の一等地にあるビルへ投資したい」と考えても、REITでは銘柄単位でしか選択できません。
物件選びからこだわりたい方には、現物の不動産投資の方が合っていると言えます。
災害リスクがある
REITは不動産に投資する商品であるため、地震や台風、洪水といった自然災害の影響を直接受けるリスクがあります。
災害によって保有物件が損壊した場合、修繕費用の発生や賃料収入の減少につながり、結果として分配金の減額や投資口価格の下落を招きかねません。
特に日本は地震大国であるため、災害リスクは無視できない要素と言えます。
投資先のREITが保有する物件の、地理的な分散状況や耐震性能、火災・地震保険への加入状況などを、事前に確認することが重要です。
副業で不動産投資を始めるリスクとは?失敗しないためのポイントを解説
REITの選び方
REITの銘柄を選ぶ際は「用途」「利回り」「NAV倍率」「時価総額・格付け」を総合的に確認しましょう。
それぞれのチェックすべきポイントを、以下の表に整理しました。
| チェック項目 | 確認するポイント |
| 投資対象の用途 | オフィス・住宅・物流・ホテルなどの用途は収益の安定性を左右するため、投資方針に合わせて選ぶ |
| 分配金利回り | 高いほど魅力的だが、高すぎる場合は減配や価格下落のリスクが織り込まれている可能性もある |
| NAV倍率 | 割安度を測る指標で、1倍未満なら割安、1倍超なら割高の目安になる |
| 時価総額・格付け | 規模が大きく格付けが高い銘柄ほど、経営の安定性を期待しやすい |
REITの銘柄選びでは、複数の指標を組み合わせて総合的に判断することが、銘柄選びで失敗しないコツと言えます。
なお、NAV倍率とは、REITの価格が保有不動産の負債を引いた資産価値の何倍になっているかを示す指標です。
初心者は株・FX・不動産どれを選ぶべき?リスクとリターンを比較して解説
よくある質問
REITがやめとけと言われるのはなぜですか?
REITが「やめとけ」と言われる主な理由は、金利上昇や景気悪化の影響を受けやすく、銀行預金と違って元本保証もないためです。
ただし、リスクを理解して分散投資や長期投資を心がければ、少額で不動産に投資できる魅力的な投資先となり得ます。
不安な場合は、値動きが比較的安定した住居系の銘柄から少額で試すこともひとつの方法です。
否定的な意見だけをうのみにせず、メリットとデメリットを比較して、自分に合うか判断しましょう。
NISAでREITは買えますか?
REITはNISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠で購入できます。
しかし、つみたて投資枠では個別のREITを直接購入できません。
スタグフレーションとは?スタグフレーションに備えた対策についても解説
まとめ
今回は、REITの仕組みやメリット・デメリット、銘柄の選び方について解説しました。
REITは少額から不動産に投資でき、分配金利回りが比較的高い点が魅力です。
一方で、価格変動リスクや災害リスクなど、事前に把握しておくべき注意点もあります。
本記事を参考に、自分の投資方針に合ったREITの活用を検討してみてください。
金利が上がると株価はどうなる?金利が上がると株価が上がる業種も解説

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





