株式投資で中長期投資を基本スタンスとする場合は、購入銘柄の配当利回りや配当性向に関して理解することが必要です。
しかし、配当利回りと配当性向は、似ているようで意味や活用場面が異なるため気を付けなければいけません。
今回は配当利回りと配当性向の意味や特徴、算出するために必要な計算式について、ご説明します。
この記事でわかること
- 配当利回りと配当性向の計算式
- それぞれの違い
株式投資で稼ぐためには配当金狙いとトレードどちらがおすすめ?
株の配当金とは
株の配当金とは、株式発行元の企業が得た売り上げの一部を、投資家へ還元する利益のことを指します。
配当金はすべての株式発行企業が出しているわけではありません。企業戦略上の理由などから配当金を出さない企業もあります。また、配当金額についても各企業で異なることが特徴です。
配当利回りとは
配当利回りとは、購入した株の株価に対して、年間でいくら配当金を受け取ることができるかを表した指標です。
配当金の受け取りを重視する方にとっては重要な指標ですが、配当利回りの数値だけを見て判断してしまうと思わぬミスを招く可能性があるため、次の項目で解説する計算式と共に、数値の意味について深く知ることが大切です。
配当利回りの計算式
ネット証券を活用した取引をする場合は、サイト内の企業情報から手軽に業績や配当利回りも確認できます。そのため、今となっては計算ができなかったり・計算式を忘れたりしていたとしても大きな問題はありません。
しかし、配当利回りの意味を正しく理解するためには、計算式についても理解しておく必要があります。計算式は以下の通りです。
・配当利回り=1株の配当金÷現在株価
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配当利回りの平均値
配当利回りの平均値は、調査時期・市場によって異なるため確実な平均値はありませんが、東証一部の場合は約2%前後で推移しています。
そのため1~3%を平均値として、各銘柄の配当利回りを判断するのがおすすめです。
配当利回りが高ければ高いほど配当金が多くもらえることになるため、投資家にとってはメリットと感じますが、高過ぎる場合には注意が必要です。高過ぎる配当利回りの裏には、株価の急落や配当に比重を置き過ぎているなど、何かしらの問題を抱えている可能性があるためです。
高過ぎる配当利回りとは平均を大幅に超える数値のことです。例えば7%や10%といった利回りの銘柄を見た場合は、安易に買い注文に走らずに、配当利回りが高い理由を十分に調べることをおすすめします。
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配当性向とは
配当性向とは、企業の純利益から配当金へ回している割合を数値にしたものです。
配当利回りと似ている言葉ですが、配当金を目的とした投資に用いるのではなく、成長性を調べる際に活用する点で大きな違いがあります。
配当性向の計算式
配当性向の計算式は以下となります。
・配当性向=1株配当額÷1株の純利益×100
配当性向の数値から読み取れることは、成長性や配当金の支払い割合です。
例えば配当性向の数値が低い場合は、配当金額が少ないということになり、純利益から配当金に回すほどの余裕がないか、内部留保へ回していると判断できます。
内部留保へ回している企業の中には、設備投資を行っているケースも多く、成長性のある企業と見ることもできます。
このように、配当性向は成長銘柄かどうかを判断する指標の1つとして活用しましょう。
配当性向の平均値
配当性向の平均値は、約30%とされています。年度によって変動はありますが、30%を1つの基準として低い・高いと判断するのがおすすめです。
まとめ
- 配当利回りの平均値は約2%
- 配当性向の平均値は、約30%
配当利回りと配当性向はどちらも株の配当金に関連する用語ですが、配当利回りは高配当の株を探す際の指標、配当性向は企業の成長性を見る際の指標であり、活用シーンが大きく違います。数値の推移や平均値との差異などを見て、株式投資にお役立てください。
配当金で利益を上げたい場合は、こうした数値を参考にしてみましょう。
株の正しい勉強方法は?優待・ファンダ・テクニカルそれぞれ完全ガイド
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。