分足の見方と使い方の基本!株式投資で初心者が選ぶべきおすすめの時間足をわかりやすく解説

分足,見方

株式投資を始めたばかりの方が、証券会社のアプリを開いてまず驚くのがチャートの動きではないでしょうか。

目まぐるしく上下するローソク足を見て「今すぐ買わなければ」と焦ってしまう方も少なくありません。

特に、数分単位の値動きを示す「分足」は、トレードをしている実感を強く得られるため、初心者ほど注視しがちな指標です。

しかし、結論からお伝えすると、投資初心者が分足だけを見てトレードをするのは非常に危険です。

分足はプロのデイトレーダーが使う武器であり、基礎が固まっていない状態で手を出すと、市場の「ノイズ」に振り回されて資産を減らす原因になります。

本記事では、分足の基本的な仕組みから、なぜ初心者は日足を重視すべきなのか、そして自分の投資スタイルに合った時間足の選び方まで、わかりやすく解説します。

   
目次

株式投資で頻用される分足の仕組みと特徴

株式投資のチャートを構成する最も基本的な要素が「ローソク足」です。

ローソク足は、江戸時代の日本で考案されたとされる非常に優れたテクニカル指標で、たった一本の棒の中に「始値」「終値」「高値」「安値」という4つの重要なデータが凝縮されています。

分足とは特定の分数における株価の凝縮

分足とは、そのローソク足一本が形成される時間を「分単位」で区切ったものを指します。

例えば「5分足」であれば、5分間の間に株価がどう動いたかを一本のローソク足で表現します。

同様に、1分足なら1分間、15分足なら15分間の値動きを可視化したものです。

分足チャートを表示すると、1日のうちの細かい株価の変動が手に取るように分かります。

朝9時の取引開始から、15時の大引けまでのドラマが克明に刻まれているのが分足の最大の特徴です。

証券会社によって表示できる分足の種類は異なる

一般的に利用される分足には、1分、3分、5分、15分、30分、60分などがあります。

しかし、注意が必要なのは、すべての証券ツールで同じ時間軸が用意されているわけではないという点です。

ある証券会社のアプリでは「3分足」がデフォルトで選べても、別の会社では「1分、5分、15分」しか選べないといったケースは珍しくありません。

また、最近では「2分足」や「10分足」など、より細かくカスタマイズできる高機能ツールも増えています。

自分がメインで使っているツールでどの時間足が表示可能か、事前に確認しておくことが大切です。

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分足以外の時間足の種類とそれぞれの役割

投資の世界には、分足以外にも多くの「時間足」が存在します。

これらを使い分けることで、投資家は「ミクロな視点」と「マクロな視点」を切り替えて相場を分析します。

日足・週足・月足が持つ情報の重み

分足よりも長いスパンを扱う指標として、以下の3つが代表的です。

  • 日足(ひあし) 1日の値動きを一本にまとめたもの。最も多くの投資家がチェックする、チャート分析の王道です。

  • 週足(しゅうあし) 1週間の値動きを一本にまとめたもの。中期的なトレンドを把握するのに適しています。

  • 月足(つきあし) 1ヶ月の値を一本にまとめたもの。数年単位の長期的な景気サイクルや、大きな株価の節目を確認するために使われます。

重要なルールとして「期間が長い足ほど、そのトレンドの信頼性が高い」というものがあります。

数分間のトレンドはすぐに覆りますが、数ヶ月続く月足のトレンドは、そう簡単には崩れません。

初心者でもローソク足の見方がわかる!チャートを見るための基本を徹底解説

さらに長期の四半期足や年足の活用法

一部の分析ツールでは、四半期(3ヶ月)や年単位のローソク足を表示することも可能です。

これらは主に、その企業の10年、20年といった超長期的な成長性を測るために使われます。

資産形成を目的とした長期投資家にとっては、日々の分足よりも、こうした長期足の推移の方がはるかに対象企業の価値を正しく反映していると言えるでしょう。

なぜ投資初心者は分足を見てはいけないのか

株を始めたばかりの人が「分足」に依存してしまうのは、実は負けパターンへの入り口です。

なぜ、ベテラン投資家ほど「初心者はまず日足を見ろ」とアドバイスするのでしょうか。

短期的なノイズに翻弄されてしまうリスク

分足の世界は、非常に小さな注文の偏りによって価格が上下します。

これを相場の「ノイズ」と呼びます。初心者が分足を見ていると、この一時的な上下を「大きなチャンス」や「致命的な暴落」と勘違いしがちです。

例えば、日足で見れば綺麗な上昇トレンドの最中であっても、5分足で見れば一時的に急落している局面があります。

ここで慌てて損切りをしてしまうと、その直後に株価が本来のトレンドに戻り、結局「安値で売って、高いところで指をくわえて見ているだけ」という結果になりかねません。

中長期的なトレンドを見失う恐怖

株で利益を出すための鉄則は、大きな波に乗る「順張り」です。

しかし、分足というミクロな世界に没入しすぎると、今自分が立っている場所が「山頂」なのか「麓」なのかが分からなくなります。

  • 分足では上がっているように見えるが、日足では下降トレンドの真っ只中

  • 分足で反発したように見えて、実は単なる一時的な自律反発に過ぎない

このように、視界が狭くなることで「木を見て森を見ず」の状態に陥るのが、分足トレードの最大の罠です。

初心者が安定して勝つためには、まずは「森(日足や週足)」を眺め、大きな方向性を確認する習慣を身につけるべきです。

トレードスタイル別に見るべき最適な時間足

「どの時間足を見るべきか」という問いへの答えは、あなたが「どのような期間で利益を上げたいか」というトレードスタイルによって決まります。

デイトレーダーが分足を駆使する理由

その日のうちに決済を終えるデイトレードでは、分足が主役になります。

わずか数分の値幅を取りに行くため、5分足や1分足の変化を敏感に察知し、瞬時の判断を下す必要があります。

しかし、デイトレードには「9時から15時まで画面に張り付く時間」と「一瞬の迷いが命取りになる判断力」が求められます。

これは、本業を持つサラリーマンや、投資の経験が浅い方には極めてハードルが高いスタイルです。

マーケットのプロやAIアルゴリズムと、超短期決戦で戦わなければならないからです。

初心者におすすめのスイングトレードと日足

一方で、数日から数週間株を保有する「スイングトレード」は、初心者や兼業投資家に最も適したスタイルです。

このスタイルで主軸となるのは「日足」です。

スイングトレードであれば、日中に何度もチャートを確認する必要はありません。

夜にその日の日足を確認し、翌日の注文を出すといった、ゆとりを持った運用が可能です。

日足ベースのトレンドは分足よりも強力で安定しているため、ギャンブル性を排除した「堅実な投資」を行いやすくなります。

トレンド転換を見極める!三空叩き込みとチャートの応用

ローソク足の組み合わせから、将来の株価を予測する「型」を覚えることも重要です。

その一つに「三空叩き込み(さんくうたたきこみ)」というテクニックがあります。

三空叩き込みとは何か

三空叩き込みとは、株価が急落する過程で、前日の安値と当日の高値の間に隙間(窓・空)を開けながら、3回連続で窓を開けて下落する形を指します。

これは、投資家の恐怖が極限に達し、パニック売りが出尽くしたサインとされます。

江戸時代の相場師、本間宗久が残した「酒田五法」の一つであり、「三空踏み上げれば売るべし、三空叩き込めば買うべし」と言われるほど、強力なトレンド転換のシグナルとなります。

三空叩き込みとは?出現条件・見分け方・活用ポイントを徹底解説

テクニカル指標と時間足の組み合わせ

三空叩き込みのようなパターンは、分足でも出現しますが、日足で出現した時の方が圧倒的にその後の反発力が強くなります。

テクニカル分析を行う際は、以下のステップを意識してください。

  1. 週足で全体の流れを把握する

  2. 日足でエントリーのタイミングを計る

  3. どうしても細かく確認したい場合のみ、補助的に分足を見る

このように、長い時間足から短い時間足へと視点を移していく「マルチタイムフレーム分析」を身につけることで、トレードの精度は劇的に向上します。

マルチタイムフレーム分析の完全ガイド!勝率を引き上げる複数時間足の組み合わせと活用法

よくある質問(Q&A)

Q1. 初心者が1分足だけを見てトレードするのは絶対にダメですか

A. 結論から申し上げますと、おすすめしません。

1分足は極めて情報のノイズが多く、熟練したトレーダーでも判断を誤ることがあります。

初心者のうちは、まずは値動きが比較的落ち着いている「日足」や、せめて「60分足」程度から慣れていくのが資産を守る近道です。

Q2. 証券会社によって分足の形が違うことがあるのはなぜですか

A. 厳密には、ローソク足の形そのものが大きく変わることは稀ですが、分足の設定(1分、3分、5分など)が異なると見え方が変わります。

また、各証券会社が配信しているデータの処理速度のわずかな差が、ヒゲの長さなどに影響を与える場合もあります。

複数のツールを使い比べるより、まずは一つの信頼できるツールを使い込むことが大切です。

Q3. スイングトレードでは分足は一切見なくて良いのでしょうか

A. 絶対に見なくて良いわけではありませんが、優先順位は低いです。

スイングトレードの主戦場は日足です。

もし分足を使うのであれば、日足で「買い」と判断した銘柄を、その日のなるべく安いところで拾うための「最終的なエントリータイミングの微調整」として活用するのが賢い使い方です。

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まとめ

    株式投資における分足は、短期的な市場のエネルギーを可視化する強力なツールです。

    しかし、その動きの速さは、時として投資家の冷静な判断を狂わせる「毒」にもなり得ます。

    • 分足は特定の短期間(1分、5分など)の値動きを示すもの

    • 初心者は分足よりも「日足」や「週足」のトレンドを重視すべき

    • 短期のノイズに惑わされると、大きな利益を逃し損失を招く

    • 自分のスタイル(デイトレかスイングか)に合わせて足を選ぶ

    • 三空叩き込みのような転換サインは、長い時間足ほど信頼度が高い

    投資で最も大切なのは、一時の感情や小さな値動きに一喜一憂せず、再現性のある手法を繰り返すことです。

    まずは分足チャートを閉じ、日足チャートをじっくりと眺めることから始めてみてください。

    大きなトレンドの波を掴む感覚が養われれば、あなたの投資成績は自然と上向いていくはずです。ギャンブルではない「投資」を、今日から実践していきましょう。

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    この記事の監修者

    監修者プロフィール

    トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
    20歳で株の売買を始めてから20年間、
    「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
    その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

    現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
    日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
    どの市場でも大きな利益を生み出している。

    ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
    東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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    この記事を書いた人

    著者プロフィール
    根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
    1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

    地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

    その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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