DMI(方向性指数)の使い方完全ガイド!+DI・-DI・ADXでトレンドの正体を見抜く

DMIを使いこなす!+DI・−DI・ADXの違いと活用法を解説

「DMIって線が3本もあって、なんだか難しそう……」そう感じて避けてはいませんか。

結論からお伝えすると、DMIは「今、相場がどちらを向いていて、どのくらいの勢いがあるのか」をたった1つの指標で教えてくれる、投資家にとって最強のコンパスです。

この指標をマスターすれば、根拠のない「なんとなくエントリー」から卒業し、自信を持って利益を狙えるようになります。

本記事では、DMIの基本構造から、初心者がハマりやすい落とし穴、そして勝率を引き上げる実践的な活用術まで、専門用語を噛み砕いて徹底的に解説します。

記事を読み終える頃には、あなたのチャート分析の精度は劇的に向上しているはずです。

   
目次

DMIとは何か?基本の仕組みを解説

まずは、DMIの基本的な仕組みについて解説します。

DMIは、相場が上昇しているのか、下落しているのかといったトレンドの方向を客観的に把握するための指標です。

DMIの概要と役割

DMIとは「Directional Movement Index(方向性指数)」の略です。

相場の価格変動の方向性を数値化し、トレンドの有無だけでなく、方向までも可視化することを目的とした指標です。

DMIは、主に3つのラインで構成されます。

・+DI(プラスDI)

・−DI(マイナスDI)

・ADX(Average Directional Index)

このうち+DIと−DIは、それぞれ買いの勢力と売りの勢力を示し、ADXはトレンドの強さを表します。

DMIを理解することで、トレンドの有無・方向・勢いを把握しやすくなり、売買判断の参考にできます。

DMIの計算方法

DMIを計算する際は、以下の5つのステップを踏みます。

①上昇方向の動き(+DM)と下降方向の動き(−DM)をそれぞれ計算

②それぞれを一定期間(通常14日)で平均化する

③平均化された数値を「True Range(TR)」で割って、%表示に変換

④それに基づいて、+DIおよび−DIを算出

⑤+DIと−DIの差を用いてADXを導き出す

計算はやや複雑ですが、実際の取引ツールでは自動計算されるため、自分で手計算する必要はありません。

ADXとの違い

ADXはDMIの構成要素の一つであり、トレンドの強さを測るために使われます。

対して、DMI本体は、+DIと−DIという2本のラインを通じてどちらの勢力が強いか、トレンドの方向性に注目しています。

DMIを使いこなす!+DI・−DI・ADXの違いと活用法を解説

たとえば、ADXが上昇していれば強いトレンドが発生しており、+DIが−DIを上抜けしていれば上昇トレンドが強まっている、と判断できます。

このように、DMIとADXはセットで使うことで、相場の流れをより多角的にとらえることができますよ。

+DI・−DIの見方を理解しよう

ここでは、DMIを構成する「+DI」「−DI」という2本のラインの見方について解説します。

+DIライン

+DIラインは、上昇方向への動きを表しています。

「今日の高値が前日よりどのくらい伸びたか」に注目して、買い側の強さを数値で示したものです。

たとえば、ある銘柄で昨日の高値が1,000円だったのに対し、今日の高値が1,030円だったとします。

この場合、+DMは30円となり、それを元に+DIが算出されます。

+DIが高く、そして上昇しているときは、買い注文が活発で上昇圧力が強まっていると読み取れます。

特に+DIが−DIを下から上にクロスした場合は、上昇トレンドに転換したサインとされることが多いです。

−DIライン

一方、−DIラインは、下落方向への動きを示しています。

見るポイントは、今日の安値が前日よりどのくらい下がったかです。

たとえば、ある銘柄で昨日の安値が980円だったのに対し、今日の安値が950円だったとします。

このときの−DMは30円になり、それを基に−DIが導き出されます。

−DIが高くなっているときは、売り注文が優勢で下落圧力が強いという状態です。

特に−DIが+DIを下から上にクロスすると、下降トレンドに転換した可能性があると考えられます。

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DMIの活用法

ここでは、DMIを実際のトレードでどう使えばいいのかを解説します。

+DIと−DIのクロス、そしてADXとの組み合わせを使えば、トレンドの強さと方向を合わせて判断することができますよ。

ラインのクロスで売買タイミングを判断

DMIでは、+DIと−DIのクロスが売買タイミングの目安になります。

+DIが−DIを上抜けたときは買いの勢いが強まり、上昇トレンドの可能性が出てきます。

逆に、−DIが+DIを上抜けたときは、下降トレンドへ転換したと考えられます。

ただし、クロスだけで即エントリーするとダマシに遭うこともあるため、相場全体の流れや他の要素とあわせて慎重に判断することが大切です。

ADXと組み合わせてチェック

ADXはトレンドの強さを示す指標で、DMIの方向性を判断する際に欠かせません。

たとえば+DIが−DIを上抜けていても、ADXが低水準であれば本格的なトレンドとは言いにくく、エントリーを控えるべき場面かもしれません。

しかし、ADXが20を超えて上昇しているときは、トレンドに勢いがあるサインとされ、DMIのシグナルの信頼性も高まります。

このように方向と強さをセットで確認することがポイントです。

ADXとは?トレンドの強さを見抜く使い方、DMIとの併用方法を解説

DMIで損をしないための注意点と「ダマシ」の回避術

どんなに優れた指標にも弱点はあります。

DMIの弱点を知り、それを補う方法を身につけることで、初心者から中級者へとステップアップしましょう。

レンジ相場での「往復ビンタ」を避ける

DMIが最も苦手とするのは、狭い値幅で上下を繰り返すレンジ相場です。

この局面では、計算式の性質上、+DIと-DIが細かく交差し続けてしまいます。

これを回避する唯一のコツは、やはり「ADXが低いときは無視する」ことに尽きます。

ADXが20以下のときは、たとえ綺麗なクロスに見えても「今は修行の期間」と考えて、チャートを閉じてしまうのが正解です。

投資において「何もしない」という判断は、資金を守るための非常に積極的な戦略なのです。

指標の「遅効性」を理解する

DMIは一定期間(通常は14日間)の平均を用いているため、急激な価格変動(V字回復など)には反応が遅れることがあります。

価格がドカンと動いた後に、ようやくラインがクロスする……という場面も少なくありません。

この「遅れ」をカバーするには、ローソク足のプライスアクションを併用するのが効果的です。

例えば、重要なレジスタンスラインを価格が突き抜けたタイミングと、DMIのシグナルが重なれば、それは非常に信頼度の高い「本物のサイン」になります。

指標を絶対視するのではなく、価格そのものの動きを主役に据え、DMIを名脇役として使う感覚が大切です。

パラメータ設定をむやみに変えない

DMIの設定期間は、開発者のワイルダー氏が推奨する「14」が世界標準です。

反応を早くしようとして期間を短くしすぎると、今度はノイズ(ダマシ)が激増してしまいます。

初心者のうちは、まずは「14」のままで使い続け、その数値が示す相場のリズムを体に叩き込みましょう。

多くの投資家が同じ設定で見ているからこそ、その数値が節目として機能しやすくなるという側面もあるのです。

DMIを最強にする!他の指標との組み合わせ術

DMI単体でも強力ですが、他のテクニカル指標と組み合わせることで、さらに死角をなくすことができます。

相性の良い「相棒」たちを紹介します。

DMI × 移動平均線(SMA/EMA)

王道の組み合わせです。

200日移動平均線などで長期的なトレンドの方向を確認し、その方向に沿ったDMIのサインだけを採用します。

例えば、価格が200日線の上にあるとき(長期上昇トレンド)は、DMIの「買いサイン」だけを狙い、「売りサイン」は無視します。

これだけで、大きな流れに逆らうリスクを排除しつつ、精度の高いエントリーポイントを絞り込めます。

DMI × RSI(相対力指数)

トレンドの強さを測るDMIと、買われすぎ・売られすぎを測るRSIを組み合わせる手法です。

例えば、DMIが強い上昇トレンド(ADX上昇、+DI上)を示しているときに、RSIが70%を超えてきたら「そろそろ過熱気味かな?」と警戒することができます。

トレンドに乗る勢いと、相場の行き過ぎを測るブレーキ。

この両方を手に入れることで、よりバランスの取れた判断が可能になります。

ボリンジャーバンドとの併用

ボリンジャーバンドの「スクイーズ(収束)」から「エクスパンション(拡散)」が始まる瞬間に、DMIのADXが上向き始めたら、それは非常に強力なトレンド発生の合図です。

バンドの枠を突き抜ける勢いをDMIで裏取りすることで、自信を持ってトレンドの初動に乗ることができます。

複数の指標が同じ方向を指し示したときこそ、勝負をかける絶好のチャンスとなります。

DMIに関するよくある質問(Q&A)

Q1. ADXが上昇しているのに、価格が下がっているのはなぜですか?

A1. それは「強い下降トレンド」が発生している証拠です。

ADXは上昇・下落に関わらず、トレンドの勢いが強いときに上昇します。その場合は-DIが+DIよりも上に位置しているはずですので、そちらを確認してください。

ADXが上がっているからといって、必ずしも「価格が上がる」わけではない点に注意が必要です。

Q2. スマホのアプリでもDMIは使えますか?

A2. はい、ほとんどの証券会社やFX会社のスマホアプリ、あるいはTradingViewなどの分析ツールで標準搭載されています。

多くの場合、「DMI」や「ADX」という名称でインジケーター一覧の中にあります。

設定画面で3本のラインの色を自分が見やすいもの(例えば+DIを赤、-DIを青など)に変更すると、より直感的に判断しやすくなります。

まとめ

DMIは、相場のトレンドの方向と勢いを視覚的に捉えられる便利な指標です。

+DIと−DIの関係、そしてADXとの組み合わせを知ることで、売買の判断がより明確になります。

ただし、DMIだけに頼るのではなく、他の指標やチャートの動きと合わせて使うことが大切です。

少しずつ慣れていけば、トレードの強い味方になってくれますよ。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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