監理銘柄とは?リスクと注意点を知り取引に活かす方法を解説

監理銘柄

みなさんは監理銘柄という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

名前からして、誰かが銘柄を監視し続けているものということはわかるかもしれませんが、誰が何のために監視をしているのかまでは、名前だけではわかりませんよね。

ちなみに監理銘柄とは、証券取引所が上場廃止基準に該当する恐れがある銘柄のことです。

つまり、この株は上場廃止となり株価がゼロになる可能性があるので「皆さん気を付けてくださいね」という銘柄のことを言います。

実は監理銘柄は危ない株でもあるのですが、プロの投資家から見るとチャンスでもあるのです。

ではこの監理銘柄で取引をしても大丈夫なのでしょうか?

そこで今回は、監理銘柄について取引をしても大丈夫なのかを解説します。

この記事でわかること

  • 監理銘柄について
  • 監理銘柄で取引をしても大丈夫なのか
  • ギャンブルではなく投資をするということの重要性

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目次

まずは監理銘柄について紹介

監理銘柄とは、証券取引所が上場廃止基準に該当する可能性がある銘柄を周知するために指定した銘柄のことです。

そのため監理銘柄に指定をされたとしても取引は可能です。

監理銘柄は、審査中と確認中の2つで区分をされています。

  • 審査中:有価証券報告書に虚偽記載をするなどの社会的影響が大きい場合に、上場資格の審査を行う必要がある銘柄
  • 確認中:上場廃止基準に該当しそうな場合、有価証券報告書の提出が遅れている場合などの銘柄

さらに監理銘柄の上場廃止が決まると、その銘柄は整理銘柄に指定されます。

指定銘柄とは、指定から一か月後に上場廃止となる銘柄です。

もちろん監理銘柄はその指定が永遠に続くわけではなく、審査中や確認中となってしまった基準への該当を解消することができれば、監理銘柄としての指定を解消することができます。

ちなみに上場廃止基準の例(東証一部・二部)を紹介しておくと、株主数が400人未満、流通株式数が2,000単位未満、流通株式時価総額が5億円未満、債務超過などです。

監理銘柄の株価は下がりやすいが、お金が集まることも

監理銘柄は上場廃止となる可能性がある銘柄のため、基本的に投資家達は資産を守るために株を売り、株価は下がっていきます。

売られた監理銘柄は株価が非常に低くなりやすいのですが、上場廃止の可能性が無くなり監理銘柄の指定が解消した時には、株価が一気に回復することもあるのです。

つまり上場廃止になるかもしれませんが、監理銘柄の指定解消を期待して、安い株価で買う人たちがいるということです。

そのため、監理銘柄に指定をされたとしても株価は下がり続けるわけではなく、一獲千金を狙った人たちが買ったりするため、一時的に価格が上昇したりする場合もあるのです。

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監理銘柄は取引の対象にしない方がいい

監理銘柄をチャンスと捉える人もいるかもしれませんが、基本的に監理銘柄は取引の対象にしない方がいいでしょう。

その理由をここから解説していきます。

監理銘柄は最悪の場合上場廃止となってしまうため

監理銘柄に指定をされるということは、上場廃止基準に該当する恐れがあるということになります。

そして上場廃止基準を企業がクリアできなかった場合には、整理銘柄に移行され1か月後に上場廃止となり、株価の価値は全て失われてしまうのです。

つまり監理銘柄で取引をするということは、危険性がありながらも取引をするということになります。

監理銘柄を買ったとしても下がる傾向の方が強いですし、最悪の場合には株価はゼロになってしまう、そのことを考えると監理銘柄で取引をすることはおすすめできません。

監理銘柄で取引をするのはギャンブルをしているようなもの

監理銘柄には、監理銘柄から指定が外れた時の株価上昇を期待したり、監理銘柄特有の値動きを期待して投機筋などが参入してきます。

そのため正常な株価の値動きをせずに、予測が難しい値動きとなってしまうのです。

つまり監理銘柄で取引をするということは、予測が難しくできない銘柄を買うということで、ほとんどギャンブルになっているのです。

ある意味では、このように株価の動きが予測しにくい状態で取引をするのは投資家ではなくギャンブラーになってしまっていると言えますね。

一か八か株価が上がるのを期待して買うわけなので、そのまま上場廃止となり価値がなくなってしまうことも想定されます。

そのため、監理銘柄での取引はしない方がいいでしょう。

そもそも監理銘柄で取引をしなくても、健全な銘柄は他にもある

監理銘柄で取引をしない方がいいのは、そもそも監理銘柄に目を付けなくても、他に健全な銘柄はたくさんあるためです。

無理に監理銘柄を取引の対象としなくても、他に安定的に利益を上げやすい銘柄はたくさんあるので、そちらに投資をする方が利益も得やすく、トレーダーとしての「技術」も向上させことができるでしょう。

トレーダーは、一か八かで株の取引をするのではなく、テクニカル分析などを行い株価の上昇が期待できる時に取引をするものです。

無理にギャンブル性の高い監理銘柄に手を出さなくても、他に株価が上昇していく銘柄はあるので、そちらに投資をするようにしましょう。

どういった銘柄でトレードをすればいいかについては初心者におすすめの株の買い方とは?プロも活用する3つの基本ポイントを押さえようの中で詳しく解説しているので、合わせてご覧になってみてください。

トレーダーとして安定的に利益を得られるようになるためには、銘柄選定もとても重要と言えるでしょう。

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まとめ

  • 監理銘柄は上場廃止基準に該当する可能性がある銘柄
  • 監理銘柄の取引はしない方がいい
  • 利益を継続的に得るには銘柄選定も大事

今回は、監理銘柄について見てきました。

確かに投資筋や一獲千金を狙う人とっては、監理銘柄はチャンスなのかもしれません。

しかし、その取引で利益を得られる可能性は決して高くありませんし、失敗をすれば資金を失うリスクもあります。

そして何よりも、監理銘柄を分析して取引をしようと思っても予測が立てにくいため、結果的にトレーダーとして継続的に利益を上げることはできません。

無理に監理銘柄に目をつけるのではなく、きちんとテクニカル分析ができ、株価の上昇や下落が分析しやすい銘柄を見つけた方が、利益を得られるだけではなくトレーダーとしても成長することができるのです。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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