相場格言「見切り千両」とは?売買タイミングの心得

見切り千両

みなさんは相場格言「見切り千両」をご存じでしょうか?

投資の世界では、時に迅速な判断が大きな成果を生むことがあります。

その中でも、古くから語り継がれる格言「見切り千両」は、多くの投資家にとって重要な指針となっています。

この格言は、損切りの重要性を強調した教訓として広く知られていますが、単なる金銭的な損失回避の話に留まらず、冷静な判断力や心理面の管理の大切さをも教えてくれる奥深い格言です。

未来への投資を成功に導く鍵となるこの言葉を、ぜひ学びに取り入れてみてください。

本記事では、「見切り千両」について解説し、どういった意味や教訓などがあるのかについて、見ていきます。

この記事で分かること

  • 意味と教訓
  • 格言を活かすシュミレーション

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目次

格言の出典

相場格言「見切り千両」は、特定の出典や書物に由来するというよりも、日本の相場の世界や商人文化の中で生まれた口承的な教訓として伝えられてきたものです。

江戸時代から明治時代にかけて、商売や相場取引の世界では、判断の遅れが大きな損失につながることが多く、特に「損切り」の重要性を説く言葉として用いられるようになったとされています。

「千両」という表現は、当時の貨幣価値で非常に大きな金額を示す比喩であり、「迅速に見切りをつけることが大きな利益(千両)を生む」という意味を強調しています。

特定の作者や文献には直接結びついていませんが、相場の世界や商売の中で実践から学ばれた知恵が凝縮され、ことわざのように広まったと考えられています。

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格言の意味とその教訓

「見切り千両」とは、「損には違いないが、それによって大損が避けられるのなら千金の価値があろう」ということを教える相場格言です。

買った株が値下がりしたときの投資家心理は、言葉では言い表わせないほどにつらいですよね。

居ても立ってもいられないジリジリした気持ちに襲われ、どうしようかと迷い始めてしまいます。

多くの人は、自分の下した判断に未練を残し、株価が戻ることを期待してそのまま持ち続けてしまいがちです。

しかし、株価はなお下がり続ける一方で、ついにはとんでもない安値で投げざるを得ない羽目に陥ることがあります。

そのような状況になると、「少しくらいの損なら、さっさと売っておくのだった」と後悔することになるのです。

そこで、「見切り千両」という相場格言が効いてきます。

損には違いありませんが、それによって大損が避けられるのならば、千金の価値があろうというものです。

そうはいっても、相場格言を信じて見切ったとたんに株価が戻り始めることだってあるじゃないかという意見もあると思います。

しかし、重要なのは見切りのタイミングである。

買い値からどのへんの水準で見切りをつけるべきかの問題となります。

これは、やはり早過ぎてもいけませんし、遅過ぎるのは論外でしょう。

相場格言「相場は相場に聞け」の言葉を思い出し、熱くなった頭を冷やして、現在地を正しく把握することが第一です。

その上で、自分の判断に誤りが見出せたら、思い切って売ることが非常に大切です。

ただ、自分の判断が正しいと思ったときでもそのまま持続して株価が戻る保証はないし、仮に戻るにしてもその間ずっと痩せる思いをしなければなりません。

そこで、いったん見切っておいて捲土重来を期した方がよほど気持ちの負担が少ないし、再出動のときはこれまでのひっかかりがないだけサッパリとした気分で動けるという面もあることを認識する必要があるでしょう。

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格言を活かすべきシチュエーション

では、実際にこの相場格言を活かすべきシチュエーションを紹介します。

損切りの判断

損失が拡大する前に早めに撤退することで、資金を守りつつ次の投資機会に備えることができます。

例えば、Aさんがとある銘柄を1株1,000円で購入しました。

しかし、その株価が業績悪化や市場全体の下落で800円まで下がったとします。

Aさんは「いつか回復するかも」と期待して売るのをためらっています。

この時、相場格言を思い出し、「これ以上下がる可能性が高い」と判断できるならば、損切りをして800円で売却します。

仮にさらに600円まで下がれば損失はさらに拡大しますが、早めに見切りをつけたことでそのリスクを回避できます。

損失を確定させることで、その資金をより見込みのある別の投資先に振り分けられたり、精神的なストレスから解放され冷静な判断を取り戻すことができます。

結果として、次の投資で損失を取り返す機会が生まれます。

あらかじめ損切りの基準を決めておくことで、ずるずると損を引きずらないで決断できるようにしましょう。

利益確定のタイミング

株価が上昇している間に「ここが売り時」と判断して利益を確定させることが大切です。

欲張って売るタイミングを逃すと、せっかくの利益が減少、または消失するリスクがあります。

例えば、1,000円で買った株が1,500円まで値上がりをしたとします。

この時、「もう少し待てば2,000円になるかも」と思って売却しないでいると、突然の市場下落で株価が1,200円に戻ってしまう可能性があります。

投資は「利益を確定させる」ことが目的です。

利益を確保せずに欲を出し続けると、結局利益を失ってしまうリスクがあります。

ここで、相場格言を思い出しましょう。

「千両」の価値は、「今得られる利益を守る」という姿勢にあります。

あらかじめ利益確定の目標を設定し、それに従うことで、感情的な判断を避けることができます。

また、市場は常に不確実性を伴うため、「これ以上の利益は狙わず十分」と判断することが、最終的に投資成果を安定させます。

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下降トレンドからの撤退

下降トレンドが続いている際に「回復を待つ」という判断は、損失を拡大させるリスクが非常に高いです。

例えば、Cさんが長期保有目的である企業の株式を購入しましたが、その企業は新規事業の失敗や競争激化で業績が悪化しています。

株価も下落を続けていますが、Cさんは「いつか復活するだろう」と信じて持ち続けています。

業績や市場の動向を冷静に分析し、「復活の見込みが薄い」と判断したら、未練を捨てて売却しましょう。

相場は感情で動かず、現実的な判断が必要です。

さらに下がり、手の施しようがなくなってしまう前に撤退しましょう。

また、弱い銘柄に資金を縛られると、他の有望な投資機会を逃してしまいます。

損失覚悟で売却をし、資金を次の投資に活用する方が長期的に有利です。

株価チャートを分析するテクニカル分析をしっかり覚えて、迷いがなく自信に満ちたトレードができるように練習していきましょう。

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まとめ

相場格言「見切り千両」は、投資の世界で「損を恐れて判断を遅らせない」という大切な教訓を伝えています。

特に以下のポイントを押さえると、この格言を実践しやすくなります。

  1. 明確なルールを作る
    利益確定や損切りの基準を事前に設定しておく。
  2. 感情を排除する
    恐怖や欲望に流されず、冷静に判断する。
  3. 未来に目を向ける
    過去の損失を引きずらず、次の投資チャンスにフォーカスする。

この格言を活かし、迷いなくしっかりと判断ができるように心がけていきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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