株式投資にはシステムを用いてトレードを行う方法もあります。
一定のルールに従って取引するシステムを用いて資産運用の自動化を図るというものですが、実際の活用方法や利率はどうなっているのでしょうか?
今回はシステムトレードの意味や主な特徴、メリットとデメリットについてご説明します。
この記事でわかること
- システムトレードとは
- システムトレードのメリット、デメリット
システムトレード(シストレ)とは
システムトレードは、株やFXなどで用いられている投資方法に関する、考え方・スタンスについて定められた方法論の1つです。
株の取引に関するあらゆる行動や管理方法をルール化し、そのルールに従って取引する方法です。
例えば、「今の株価に対して5%値上がりしたら買い注文を入れる」というルールを決めたら、どのような相場状況でも必ず買い注文を入れるように徹底するのが、システムトレードの基本です。
ある種、機械的な株取引といえるでしょう。この場合の「機械的」とは、感覚や感情に左右されないように取引を進めることを指しています。
ちなみに代表的なトレード方法の1つ、裁量トレードはシステムトレードと反対の考え方です。自身の感覚や経験をベースに、その場の状況に合わせて取引します。
システムトレードの始め方
システムトレードの基本は、株に関するあらゆる事項をルール付けします。
例えば、以下のような事項です。
・損切を行うタイミング
・1回の取引に投入する資金量
・損失額は何円まで許容するのか
・どのタイミングで売却するのか
・分析に使う指標はどれか
・利益率を何%に設定するか
・資金が何%減少したら売買をストップするか
実際は、さらに細かく定めていきますが、初心者でもできる取引ルールとしては、上記のような項目が挙げられるでしょう。
システムトレードのメリット
システムトレードは、感覚をベースにした取引を行わない、冷静かつ客観的な視点で行う株取引です。感覚で取引を行うことが苦手な方にとっては、取り組みやすい取引方法といえるでしょう。
機械的に判断できるため原因と結果を導き出しやすい
システムトレードは、あらかじめルールを決めて取引しているため、損失を招いた時や逆に利益を得た時に、何が要因となったのか探りやすいというメリットがあります。
初心者の場合、損失が発生すると次の取引ですぐに資金を取り戻そうと考えてしまうかもしれません。しかし、これでは同じ失敗を繰り返す可能性があります。
システムトレードであれば、売買を行う条件や売買タイミングなどを全てルール付けしているため、条件の見直しなどの調整を行い、次に活かすことができます。
効率よく買い注文や株の銘柄選びができる
システムトレードは、株の銘柄選びに関しても、事前に条件を決めておきます。毎回1つずつ銘柄をチェックして、経験と感覚で選ぶことはしない場合が多いでしょう。
過去のデータや売買サインを決めておけば、あとはツールなどでまとめて検索・分析にかけるだけで、作業が完了します。また、自動売買ツールを用いれば、さらに効率よく株の銘柄選びと売買作業を行えます。
人間の感情を排除できる
株取引で結果に影響を与える要因として、メンタルが挙げられます。
例えば、株価の動きを見ていて、上昇トレンドであればそのまま上がる可能性が高いと思いますが、仮に下がった場合、その後の値動きに対しての判断を迷ってしまうこともあるでしょう。
そうした場合、裁量トレードでは判断を間違えてしまう場合もありますが、システムトレードであれば、感覚的なミスをしなくて済みます。
システムトレードのデメリット
システムトレードは、手動・自動どちらの方法で行った場合であっても、いくつかのデメリットが残ります。
定期的にシステムトレードのルールを変える必要がある
システムトレードは一度条件を設定したら、ずっと勝率が維持できるというわけではありません。株の各銘柄は常に状況が変わるため、システムトレードの条件も同様に変えていかなければ、価格予測がずれる可能性が高いといえます。
システムの状態をつねにメンテナンスしていく手間が発生することは覚えておきましょう。
勝率にこだわり過ぎるとマイナスになる可能性がある
システムトレードでは、勝率は重要なデータです。そのため、初めてシステムトレードを活用して株取引を行った場合、利益よりも勝率を重視してしまう傾向があるかもしれません。
しかし、結果的に損失が上回ってしまう場合もあります。
勝率とは、例えば「10回中何回、利益が出たか」ということであり、金額は関係ありません。
同様に、利益とは、「10回取引した結果、いくら株の収入が発生したか」ということです。
また、勝率が80%であったとしても、目標利益10万円に対して1,000円の利益では、効率が悪いでしょう。勝率は参考程度に考えて、利益重視で考えることが大切です。
システムを言い訳にしてしまうことがある
裁量トレードであれば、自分自身の判断で売買をするので、損失が出た場合でも自分の責任として考えやすいでしょう。
ただ、シストレの場合は、メリットでもある感情を排除することができるトレード手法なので、その分損失が出た際に、「自分事」として考えることができず、次回のトレードに生かしにくいケースがあります。
システムを採用したのも自分自身だととらえて、改善していく姿勢がないと利益を継続して得ていくことは難しいでしょう。
まとめ
- システムトレードにも一長一短がある
- 裁量の幅は、システムトレードの方が少ない
株式投資におけるシステムトレードとは、感覚で取引するのではなく、過去のデータや事前に決めたルールに従って、取引を行うことを指します。
もしシステムトレードが自分の投資スタイルに合わない、と考えるなら裁量トレードにしましょう。
当サイトの監修をしてくださっている相場師朗(あいばしろう)先生も、完全に裁量トレードで技術を磨き続けていらっしゃいます。
裁量トレードで技術を磨くためには、正しい学習が必要です。自分にあった勉強方法を見つけてみてください。
システムにも一長一短があるので、システムを信用しきるのではなく、ご自分にあったトレードスタイルでトレードを行うことが大切です。
株の勉強は絶対にやるべき!オススメ勉強ステップや失敗しないためのコツ
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。