「オルカンとS&P500、どっちに投資するのがいいんだろう?」と疑問に思っていませんか?
積立投資をはじめようと思っているものの、オルカンとS&P500のどちらを選べばいいのかわからないから知りたいという方が多いようです。
そこで今回は、どちらに投資するのがいいのかを選ぶ際の判断軸を示したうえで、オルカンとS&P500の違いについて解説します。
本記事を読むと、オルカンとS&P500の違いを理解したうえで自分に合った方を選べるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
オルカンに投資した場合のシミュレーションは?投資するときの注意点も紹介
オルカンとS&P500はどっちに投資するのがいい?
オルカンとS&P500は、どちらも優れた投資先であるため「どちらに投資する方がいいのか?」という問いに対する万人に共通する正解はありません。
ですが、どちらかを選ぶ際の判断軸としては「米国経済の強さが今後も続くと捉えているかどうか」という一点に集約されます。
そのため、米国の成長力を信じてリターンを最大化したい人には、S&P500が向いています。
実際に過去10年〜20年の実績を振り返ると、S&P500はオルカンを上回る成績を残してきました。
一方で、どの国が伸びるかは予測できないと考える人には、世界中の株式へ幅広く分散できるオルカンが合っています。
なお、オルカンとS&P500のどちらに投資するかを迷って決められない場合は、より分散の効いたオルカンを選んでおくと後悔しにくいでしょう。
オルカンの平均利回りはいくら?初心者向けメリットと注意点を徹底解説
オルカンとS&P500を6つの視点で比較
本章では、以下の6つの視点からオルカンとS&P500の違いを比較していきます。
- 投資対象国数
- 構成銘柄数
- 指数のカバー率
- リターンの違い
- リスクの大きさ
- コスト
それぞれみていきましょう。
なお、6つの比較項目の内容を表にまとめると以下のようになります。
| 比較項目 | オルカン | S&P500 |
| 投資対象国数 | 約47カ国(先進国23+新興国24) | 米国1カ国のみ |
| 構成銘柄数 | 約2,500銘柄 | 約500銘柄 |
| 指数のカバー率 | 全世界の株式時価総額の約85% | 米国株式市場の約80% |
| リターン(過去20年・年率) | 約9% | 約11% |
| リスクの大きさ | 分散効果により相対的に小さい | 米国集中のため相対的に大きい |
| コスト(eMAXIS Slim・信託報酬) | 年0.05775%程度 | 年0.0814%程度 |
投資対象国数
投資対象国数はオルカンが約47カ国、S&P500が米国1カ国のみと、両者の間には大きな開きがあります。
オルカンは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」という指数に連動して運用されています。
ACWIには先進国23カ国と新興国24カ国が含まれるため、世界中の株式へまとめて投資できる仕組みです。
一方のS&P500は米国の主要企業だけで構成される指数のため、投資先は米国のみに限られます。
分散の広さという点ではオルカンに優位性がありますが、S&P500も世界経済を牽引する米国に集中した投資ができるという強みがあります。
構成銘柄数
構成銘柄数はオルカンが約2,500銘柄、S&P500が約500銘柄と、オルカンが約5倍の規模を誇ります。
銘柄数が多い分、投資先が幅広く分散されるため、オルカンは特定の国や地域に偏るリスクを抑えられます。
一方、S&P500は米国を代表する大型優良企業に厳選されており、銘柄数はオルカンと比べると少ないです。
しかし、世界最大の経済大国の成長力を集中的に取り込めるメリットがあります。
指数のカバー率
オルカンとS&P500の指数のカバー率は、以下のとおりです。
- オルカン:世界全体の株式時価総額のうち約85%
- S&P500:米国株式市場の時価総額のうち約80%
そのため、オルカンは世界経済、S&P500は米国経済へまるごと投資するイメージになります。
ただし、オルカンの中身も約6割は米国株が占めるため、実際の値動きはS&P500と連動しやすい点は押さえておきましょう。
リターンの違い
投資リターンは、過去の実績においてS&P500がオルカンを上回ってきました。
過去20年の年率平均リターン(米ドルベース)は、S&P500が約11%、オルカンが約9%程度とされています。
今後も米国の独走が続くと読むならS&P500、どの国の成長も逃したくないならオルカンという判断になるでしょう。
ただし算出期間によって数値は変動するうえ、過去の実績が将来のリターンを保証するわけではない点には注意が必要です。
リスクの大きさ
値動きの振れ幅を意味するリスクは、米国1カ国に集中するS&P500の方がやや大きい傾向にあります。
オルカンは約47カ国への分散によって、特定の国の不調を他の国で補える可能性があるためです。
一方のS&P500は、米国の景気・金融政策・政治などの影響をすべて直接受ける構造になっています。
ただし、分散が効いているオルカンも約6割は米国株のため、米国発の暴落時には大きな下落を避けられない点に注意しましょう。
コスト
コストである信託報酬は、どちらも年0.1%を下回る超低水準で大きな差はありません。
信託報酬とは、投資信託を保有している間に毎日少しずつ差し引かれる手数料です。
eMAXIS Slimシリーズの場合、オルカンは年0.05775%程度、S&P500は年0.0814%程度となっています。
仮に100万円を投資した場合でも、1年間にかかるコストは1,000円未満に収まる計算になります。
そのため、コスト差で悩むよりも、投資対象の違いに注目して選ぶ方が納得のいく判断につながるでしょう。
オルカンとS&P500への投資で気をつけること
本章では、オルカンとS&P500に投資する際に気をつけることを、以下の内容に沿って解説します。
- リスク許容度を超えた金額で投資しない
- 狼狽売りしない
- NISA口座を使って運用する
それぞれみていきましょう。
リスク許容度を超えた金額で投資しない
オルカンとS&P500のどちらを選ぶ場合でも、リスク許容度を超えた金額での投資は避けましょう。
なぜなら、両ファンドは株式100%で運用されているため、暴落時には資産が3割〜5割ほど減る可能性があるからです。
もし急な出費で資金が不足したときに暴落が起きた場合、不本意なタイミングでの売却を迫られかねません。
したがって、まずは生活費の3カ月分〜6カ月分を生活防衛資金として現金で確保し、残った余剰資金だけを投資に回すようにしましょう。
暴落しても生活が揺らがない金額で続ける姿勢こそが、長期投資を成功させる大前提になります。
なお、リスク許容度とは、投資においてどれくらいの損失(資産の値下がり)まで受け入れられるかを示す個人ごとの許容範囲のことを指します。
狼狽売りしない
株価が暴落した際、恐怖にかられて慌てて売却してしまう狼狽売りは絶対に避けたい行動です。
下落局面で売ると損失が確定するだけでなく、後に訪れる回復局面の利益まで取り逃してしまうためです。
たとえば、2020年に起きたコロナショックでは株価が約3割下落したものの、1年足らずで暴落前の水準まで回復しました。
その後、2026年現在までに、どちらも暴落前の水準から2倍以上上昇しています。
世界の株式市場は、何度も暴落を経験しながら成長してきた歴史があります。
そのため、暴落は高い確率で起こるものと想定したうえで、淡々と積み立てを継続する姿勢が資産形成を成功させるうえで大切です。
NISA口座を使って運用する
オルカンやS&P500へ投資するなら、運用益にかかる税金が非課税になるNISA口座を優先して活用しましょう。
通常の課税口座では、投資で得た利益に対して約20%の税金がかかるためです。
たとえば、100万円の利益が出た場合、課税口座では約20万円が差し引かれるので手元に残る金額は約80万円となります。
ですが、NISA口座であれば利益にかかる税金は非課税となるため、100万円がまるまる手元に残ります。
このように、課税口座とNISA口座では手取り額に大きな差が生まれるため、オルカンやS&P500へ投資する際は優先的に非課税枠を活用するのがよいでしょう。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) に投資すると20年後はどうなる?S&P500に投資する際の注意点も解説
オルカンとS&P500で積立投資をした場合のシミュレーション
本章では、オルカンとS&P500へ毎月積立投資をした場合、20年後に資産がいくらになるのかシミュレーションします。
なお、ここでご紹介するのは過去の実績をもとにしたシミュレーションです。
将来の成果を約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
オルカン
オルカンの過去20年の平均利回りは、およそ9%となっています。
そこで、利回りを控えめに年5%と仮定し、毎月一定額を20年間積み立てた場合の結果をまとめました。
| 毎月の積立額 | 投資総額 | 最終資産額 | 運用益 |
| 月1万円 | 240万円 | 約407万円 | 約167万円 |
| 月3万円 | 720万円 | 約1,222万円 | 約502万円 |
| 月5万円 | 1,200万円 | 約2,037万円 | 約837万円 |
月5万円をコツコツと20年間積み立てた場合、最終的な資産額は約2,037万円に到達します。
これは、いわゆる「老後2,000万円問題」で不足するとされた金額をカバーできる水準です。
もちろん、実際の運用成績は市場環境によって変動しますが、年5%という控えめな想定でもこの結果になる点は見逃せないポイントだといえます。
S&P500
オルカンの過去20年の平均利回りは、約11%となっています。
そのため、想定利回りを控えめな年7%に設定し、毎月一定額で20年間積み立てた場合の結果をまとめました。
| 毎月の積立額 | 投資総額 | 最終資産額 | 運用益 |
| 月1万円 | 240万円 | 約510万円 | 約270万円 |
| 月3万円 | 720万円 | 約1,531万円 | 約811万円 |
| 月5万円 | 1,200万円 | 約2,552万円 | 約1,352万円 |
年5%想定のオルカンと比べると、わずか2%の利回り差が20年間で数百万円もの違いを生みます。
ただし、高いリターンの裏には大きな値動きが伴う点も踏まえて、無理のない資金計画を立てるのが重要です。
S&P500の年利は平均何%?最新シミュレーションと3つの罠
よくある質問
オルカンとS&P500両方に投資する意味はないですか?
両方へ投資する意味がまったくないとは言い切れないものの、得られる分散効果は限定的です。
オルカンの中身の約6割はすでに米国株で占められており、S&P500と投資先が大きく重複するからです。
もし両者を半分ずつ購入した場合、資産全体に占める米国株の比率は約8割まで高まります。
そのため、全世界へ分散しながら米国の比率を少し高めたいという明確な狙いがあるなら、併用も選択肢の1つになります。
オルカンやS&P500でも暴落することはある?
結論からいえば、オルカンやS&P500のような優れたファンドでも暴落する可能性は十分にあります。
たとえば、リーマンショックでは米国株も全世界株も半値以上下落し、コロナショックでも約3割下がりました。
ただし過去のいずれの暴落後も、市場は時間をかけて回復し、最高値の更新を繰り返してきています。
S&P500の積立シミュレーション結果は?積立投資をするときの注意点も解説
まとめ
今回は、オルカンとS&P500どちらに投資するのがいいのかについて解説しました。
米国の成長力を信じてリターンを重視するならS&P500、世界中に幅広く分散したいならオルカンが適しています。
投資をする際は、リスク許容度を超えた金額を避け、暴落時にも狼狽売りせず積み立てを継続するのが大切です。
ぜひ本記事を参考に、自分の投資方針に合ったファンドを選んでみてください。
一括投資とほったらかし運用は相性がいい?メリット・デメリットも解説

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





