「せっかく利益が出ていたのに、欲を出して待っていたらあっという間に急落してしまった」
「損切りできずに持ち続けているけれど、いつまで経っても株価が戻らない」。
株式投資をしていれば、誰もが一度はこのような苦い経験をするものです。
相場の世界には、こうした投資家の心理と値動きの本質を突いた「天井三日 底百日(てんじょうみっか そこひゃくにち)」という格言があります。
この言葉は、株価が高値で踏みとどまる時間は極めて短いのに対し、安値で低迷する時間は驚くほど長いという現実を教えてくれます。
本記事では、この格言の深い意味から、提唱者である「相場の神様」の知恵、そして現代の投資戦略にどう活かすべきかまでを徹底的に解説します。
格言の出典
まずは相場格言「天井三日 底百日」の出典についてご紹介していきます。
この格言は、山崎種二氏が発言したものとされています。
山崎種二氏は1893年に群馬県で生まれた実業家兼投資家です。
1944年には「山崎証券」を創業しました。
当時の米相場で多額の利益を挙げた経験もあり、本間宗久氏や牛田権三郎氏と同様に「相場の神様」として名を馳せました。
また彼のトレードには、米相場でただ値動きだけを観察するのではなく、実際に米の産地に赴いて米流通の動きを偵察するという特徴がありました。
彼はこういった米相場をより知ろうとする姿勢によって大成功を収めたのでしょう。
そのような人物が発言したのが相場格言「天井三日 底百日」です。
格言の意味とその教訓
次に相場格言「天井三日 底百日」の意味や教訓について、ご説明していきます。とくに、短期トレードを中心としているトレーダーの方には知っておいていただきたい内容です。
まず株用語における「天井」、「底」の意味をご存知でしょうか?簡単にいうと天井とは直近でつけた1番高い株価のことで、底は1番低い株価のことです。
つまり相場格言「天井三日 底百日」では、天井はたったわずかな時間(三日)しか続かないが、底は天井に比べて非常に長期間(百日)続くということを意味しています。
あくまでもたとえなので、統計的に出た数字というわけではありません。
これは株価の基本的な動きを表しているともいえるものです。
イメージするならば、株価は山を描くように変動します。
株価が底にあるときはゆっくりゆっくりと天井に向かって株価が上昇していき「急騰した!」と思ってもそれは一瞬のことです。
その後株価は急落し、だんだん下落スピードは減速していくものの底に向かいます。そして、しばらく底に停滞するということです。
つまりこの格言を知らずに、株価が天井圏にいったからといって何回も繰り返し買い増していると、三日経ったころには株価が急落して思いがけない含み損を抱えてしまうことになります。
底をついてから99日目ごろ、つまり上昇する直前に買えたらそれがベストなのですが、それは容易なことではありません。
格言からもわかるように、“三日”と“百日”というのは非常に大きな違いがあります。
株価が天井にある期間と底をついたあと再度上昇するまでの期間にはかなりのギャップがあるということを心得ておかなければなりません。
相場格言「天井三日 底百日」のメカニズム
でも、なぜ株価が天井にある期間は短く底にある期間は長いというギャップが生じるのでしょうか?そのメカニズムについて、紹介していきましょう。
ここでは、話題性によって株価が上昇した銘柄を想像してみてください。
話題性によって需要が高まり株価が上昇した銘柄は、いつかは話題性の飽和によって株価は停滞しその後下落に転じてしまうものです。
そして、その銘柄を保有している買い方による整理がおこなわれたり株価回復への期待感などが生じたりするまでにはかなりの時間を要します。
株価上昇には非常に大きなエネルギーが必要ということです。
格言を生かすべきシチュエーション
では、実際にこの相場格言を生かすべきシチュエーションを紹介します。
利益確定をするとき
株式投資において欠かせないのは「利益確定」です。
「まだ上昇するかもしれない」、「1円でも高く売りたい」と、利益確定に対してはいつも渋ってしまうという方もいらっしゃると思います。
ですが相場格言「天井三日 底百日」からは、株価が天井にある期間は非常に短いということがお分かりいただけたかと思います。
なぜなら株価が高値に入ったとき、自分と同じようにほかのトレーダーも「利益確定しよう!」と考えるのは当然のことだからです。
そのため利益を欲張ってしまうとあっという間に三日が経ち、株価は下落に転じてしまいます。
「また上昇するまで待てばいいか…」とは思うものの、株価が底をついてから上昇に転じるまでの期間は、株価が天井にある期間よりも遥かに長いです。
その間ずっと塩漬け株として保有し続けるか損切りをするか決断する必要がありますが、どちらも苦渋の決断ですよね。
よって相場格言「天井三日 底百日」を参考に、利益確定シーンでは利益を欲張ることのないように思い切って早めに行動するように心がけていきましょう。
相場格言「天井三日 底百日」に関するよくある質問(Q&A)
Q1. 「三日」や「百日」というのは、具体的に営業日のことですか?
A. いいえ、この数字はあくまで比喩的な表現であり、正確な日数を指すものではありません。
「天井は一瞬、底は長い」という期間の対比を強調するために、あえて極端な数字が使われています。
実際の相場では、天井が1ヶ月続くこともあれば、底が1年以上続くこともありますが、その比率は常に「底の方が圧倒的に長い」という教訓として受け止めてください。
Q2. 現代のネット証券やAIトレードの時代でも、この格言は有効ですか?
A. 非常に有効です。
取引スピードが高速化した現代では、天井の「三日」がさらに短くなり、数時間で終わってしまうことも珍しくありません。
しかし、投資家の根底にある「欲」と「恐怖」という心理メカニズムは、100年前も今も全く変わっていません。
むしろ、情報の拡散が速い現代こそ、天井の崩壊はより急激になり、この格言の重要性は増していると言えます。
Q3. 「底百日」の間に株を持ち続けるのは正解ですか?
A. 投資スタイルによります。
もしあなたが配当や優待目的の長期投資家であり、企業のファンダメンタルズに変化がないのであれば、じっと耐えるのも一つの選択です。
しかし、資金効率を重視するトレーダーであれば、底値圏での停滞に付き合うのは「機会損失」に繋がります。
一度損切りをして、再び上昇の兆しが見えてから買い戻す方が、資金を有効に活用できる場合が多いでしょう。
まとめ
- 相場格言「天井三日 底百日」とは、株価が天井にある期間は底にある期間にくらべてはるかに短いということのたとえ
- 株価の上昇には、非常に大きなエネルギーが必要
- 利益確定では、欲張らず早めに行動しよう
いかがでしたでしょうか?
本記事では相場格言「天井三日 底百日」の意味や教訓、生かすべきシチュエーションについて解説しました。
株価が天井にある期間というのは思っているよりも短いので、とくに利益確定などの売りタイミングには要注意です。
利益を欲張りすぎると、塩漬け株になったりやむを得ない損切りにつながったりします。
早め早めの行動を、心がけていきましょう。

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。






