相対取引とは?メリット・デメリットを株初心者にもわかりやすく解説します

みなさんは「相対取引(あいたいとりひき)」という言葉をご存知でしょうか?

これは株式売買の取引方法の1つなのですが、多くの方は相対取引ではなく「市場取引」を利用されているかと思います。

市場取引を普段からおこなっている方からすると相対取引は少し特徴的ではありますが、あえて相対取引を選択する投資家もいるなど、相対取引にはメリットが存在します。

果たして、相対取引とはどのようなもので、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

今回は、相対取引の特徴や、メリット・デメリットなどについてみていきましょう。

この記事でわかること

  • 相対取引の意味
  • 相対取引で決定する事柄
  • 相対取引のメリット・デメリット

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目次

相対(あいたい)取引って何?

まずは「相対取引」が一体どういう取引方法なのかについて、ご説明していきます。

株式投資における相対取引とは、証券取引所などの市場を介さずに株式を買いたい人と売りたい人が直接1対1で売買に関する事柄を取り決めて、売買をする取引のことです。

「Over The Counter」の略として「OTC」と呼ばれることもあります。

どちらかというと私たちにとって馴染みがある証券取引所を介して売買をする取引は「市場取引」と呼ばれ、相対取引とは対の概念として知られています。

相対取引において決める必要がある事柄は以下のとおりです。

  • 売買価格
  • 売買数量
  • 決済方法

市場に流通している株式は、需要が高まりたくさん買われると株価が上昇し、需要が低くなりたくさん売られるようになると株価が下落するというメカニズムがあります。

このようなメカニズムのなかで、機関投資家などの大口投資家が大規模な株式売買をおこなうとどうなるでしょうか?

大量の買いもしくは売りが入ったことでその株式の需給が大きく傾き、株価が大きく変動してほかの投資家がパニックに陥ってしまう恐れがありますよね。

この打開策として利用されるのが、本記事で紹介する相対取引です。

大口投資家が株式売買をおこないたい場合、相対取引をおこなうことで大きな価格変動のリスクをなくして取引を成立させることができます。

また、非上場株式を売買したいという場合には基本的に相対取引がおこなわれます。

ちなみにこの相対取引は、株式以外にもFX取引・仮想通貨・デリバティブなどでも用いられているので、場合によって使い分けることも可能です。

相対取引のメリット

ここまでで、相対取引のしくみについてお分かりいただけたかと思います。

非上場株式など証券取引所に流通していない株式であれば必然的に相対取引をおこなう必要がありますが、実は上場株式であってもあえて相対取引を選択する投資家の方も存在します。

もちろんこの理由は、相対取引にメリットがあるからです。

では気になる相対取引のメリットを見ていきましょう。

売買に関する条件を自由に決めることができる

なんといっても相対取引の魅力は売買の価格、数量、決済方法などをすべて当事者同士で決めることができるという点にあるでしょう。

つまり買い手と売り手の両者が合意に達すれば、その条件での売買が必ず契約として成立します。

とくに、証券取引所に上場している株式の株価は景気や政治のような外部要因の影響を受けている可能性が高いため、その企業の本質的価値を示しているとは限りません。

このようなときこそ相対取引をおこなえば、お互いが思うその企業の本質的価値を売買価格として取り決めて売買をおこなうことができるというメリットが生まれます。

株式市場に影響を及ぼさない

上記でも少し触れましたが、相対取引は大口投資家が株式市場をパニックに陥らせないためにおこなうこともあります。

相対取引は証券取引所を介さない当事者同士での取引なので、株式市場に影響を及ぼすことなく株式売買をおこなうことが可能です。

相対取引のデメリット

ここまで、相対取引のメリットを解説してきました。

一方で、当事者同士で売買に関する事柄を取り決める必要があるという性質上、デメリットも発生してしまいます。以下で見ていきましょう。

詐欺に遭う可能性がある

相対取引では、株式市場における需給によって成立している株価で売買をおこなうのではなく、当事者同士で売買価格を相談し合う必要があります。

このとき、もし買い手と売り手にその銘柄に対する情報の非対称性が存在していたらどうなるでしょうか?

不当に高い価格で買わされたりするといったトラブルが起きる可能性がありますよね。

また、相対取引では売買価格だけではなく決済方法も当事者同士で決定します。

そのため、“売り手が株式を渡したあと、買い手が対価を支払う”とすることも可能です。この場合には買い手が株式だけ受け取って対価を支払わずに逃げるなんてことも考えられますので、このような詐欺には注意が必要です。

売買価格や決済方法は、リスクを最低限に抑えて決定しましょう。

取引完了までに時間がかかる

相対取引には、取引が完了するまでに市場取引よりも時間がかかりやすいというデメリットがあります。

というのも相対取引は、売買する価格や数量など当事者同士で条件を取り決める必要があるからです。

市場取引はオンラインサービスを利用すればワンクリックするだけで売買を完了させることができるので、相対取引との大きな違いであるといえます。

このような手間も、デメリットとして考えられるでしょう。

普段、ネット証券などを活用しているとなかなか意識することはないかもしれませんが、こうした取引手法があることも認識しておきましょう。

まとめ

  • 相対取引とは、証券取引所を介さずに株式を売買する当事者同士でおこなう取引のこと
  • 売買価格・売買数量・決済方法などを取り決める必要がある
  • 相対取引には様々メリットとデメリットがある

本記事では相対取引の意味やメリット・デメリットについてご説明してきました。

少しアナログな取引方法がとられていることに、驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。

株式売買には市場取引以外にも相対取引という方法が存在するので、馴染みがないという方でも知識としてぜひ知っておいてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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