SPYDはおすすめしない?おすすめする理由を徹底解説

米国高配当ETFとして人気のSPYD、おすすめしないといわれる理由を知りたいと思っていませんか?

配当目的で投資をしていて、ETFに投資をしてみたい。

せっかく投資をするなら、人気があってプラスのあるETFを選びたいですよね。

しかし、何も考えずにSPYDを選んでしまうと、思わぬリスクに苦しめられてしまう可能性が。

今回は、SPYDがおすすめしないといわれる理由を徹底解説。

アジア最大の投資塾である「株塾」を運営している私たちが、SPYDをそれでもおすすめする理由をお伝えします。

どの米国ETFに投資するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

米国ETFって何?メリット・デメリットを徹底解説します

目次

【結論】SPYDはおすすめ

結論から言えば、SPYDはおすすめです。

高配当ですから、長期で運用すれば大きな利益が期待できるでしょう。

ただし、SPYDはおすすめですが、おすすめするには2つの条件があります。

  • 配当目的かどうか
  • 長期で運用するかどうか

それぞれ確認していきましょう。

配当目的かどうか

SPYDは、高配当が強みの米国ETFです。

一方で、価格上昇による売却益を狙うのであれば、他にもっと優れたETFはあります。

配当目的で投資をするのであれば、SPYDは最適なETFだといえるのです。

投資の目的に合わせて、SPYDを選ぶかどうか検討してください。

長期で運用するかどうか

長期で運用するのであれば、SPYDはおすすめです。

SPYDは、景気変動を受けやすいというデメリットを持つからです。

短期的に、景気が悪い時に投資をしてしまえば、思うような利益は得られません。

景気変動のリスクを下げるためにも、SPYDは長期で運用する方におすすめなのです。

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SPYDはおすすめしないといわれる理由

SPYDはおすすめしないといわれる理由は8つあります。

その理由が事実かどうかも含めて、一つずつ確認していきましょう。

組み入れ銘柄数が少なめ

SPYDは組み入れ銘柄数が少なめです。

銘柄数は80銘柄しかないため、他のETFと比べるとかなり少なめ。

実際に主要ETFの組み入れ銘柄数と比較すれば、一目瞭然です。

SPYD 約80銘柄
VOO 約500銘柄
VYM 約500銘柄
VTI 約3,400銘柄
QQQ 約100銘柄
SPY 約500銘柄

銘柄数が多ければおいほど、投資先を分散できるためリスクは低くなります。

1銘柄に投資するよりは、80銘柄のSPYDでも十分分散できるものの、他の銘柄と比べれば少ないですね。

銘柄数が少ないからこそ、他のETFよりリスクは高めと判断され、おすすめしないといわれているのです。

成熟企業が多く、株価上昇は期待できない

成熟企業が多く、株価上昇は期待できないため、SPYDはおすすめしないといわれています。

そもそもSPYDは、S&P500の中でも配当利回りが高い80銘柄から構成されている米国ETFです。

構成銘柄の一部は以下の通り。

  • アイアンマウンテン
  • ハズブロ
  • PSEG
  • インターナショナル・ペーパー
  • ウィリアムズ・カンパニーズ
  • ベスト・バイ
  • エセックス・プロパティー・トラスト
  • キンダー・モルガン
  • サザン

創業から歴史が長い成熟企業が多いところが大きな特徴。

成熟しているということは、それだけ安定性が高いといえますね。

一方で、成長性には優れているとは言えないため、「価格が上がりづらい」点でおすすめしないといわれるのです。

減配の実績が多い

SPYDでは、減配の実績が多いためおすすめしないといわれています。

実際の配当金の推移を見てみましょう。

SPYD,減配実績

2015年から始まったSPYD、これまで3回の増配と4回の減配をしています。

確かに減配の実績のほうが多くなっていますね。

とはいえ、1回差であり、現時点では今後も減配が多くなるとまでは言えない状況です。

分配金に米国の税金も発生してしまう

SPYDは米国ETFです。

高配当とはいえ、分配金に米国の税金が発生してしまいます。

日本の税率が20.315%であるのに対して、米国の税率は10%と低め。

とはいえ、合わせて約30%の税金が発生するのは大きな痛手だといえます。

新NISAで日本の課税分だけでも0にするなどの工夫は必要ですね。

海外ETFの税金ってどうなっているの?外国税額控除とは

為替リスクがある

米国の商品である以上、為替リスクがあります。

1ドル160円か、1ドル100円かで大きな違いが発生してしまうのです。

ドルで見れば配当金が増えていても、日本円で受け取ると減っていた、なんてことにもなりかねません。

ちなみに円安になるほど、受け取れる金額は増えていきます。

1ドル100円受け取るところ、円安で1ドル160円で受け取れるイメージですね。

もちろん、その逆である円高の影響を受ければ、損をしやすくなってしまいます。

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景気敏感セクター多め

SPYDの構成銘柄が、景気敏感セクター多めであるのも、おすすめしないといわれる理由の一つです。

実際にどんなセクターで構成されているのか見てみましょう。

  • 不動産(64%)
  • 金融(95%)
  • 公益事業(42%)
  • 生活必需品(46%)
  • エネルギー(81%)

特に不動産・金融・公益事業は景気に敏感なセクターです。

実際、コロナの際には大きく価格を下げています。

SPYD,景気敏感

歴史が浅い

SPYDは2015年から始まった、比較的歴史の浅いETFです。

歴史が浅ければ浅いほど、過去の大きな暴落が発生した際の値動きが確認できなくなってしまいます。

コロナショックは経験しているものの、リーマンショックは経験していないため、過去の値動きを分析しづらくなるわけですね。

情報を集めにくい

米国のETFという点で、情報を集めにくいのもおすすめしないといわれる理由の一つです。

日本の商品と比べれば、まず米国の経済情報を集めなければいけないのはハードルになりますし、ETF自体の情報もみづらいといえます。

とはいえ、情報を集められないわけではありません。

実際に集めてみて、安心して投資できるかどうか情報量を確認してみてください。

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「SPYDはおすすめしない」に対する反論

SPYDはおすすめしないという意見に対する反論をまとめました。

特に配当面で優秀なSPYD、配当目的であれば投資を検討して良いETFです。

その理由を一つずつ解説していきます。

配当利回りは高い

減配が多いといわれるSPYDですが、そもそもの配当利回りは高めです。

実際に他のETF配当利回りを比較してみましょう。

SPYD 3.71%
VOO 1.23%
VYM 2.20%
VTI 1.36%
QQQ 0.47%
SPY 1.17%

※2024年6月18日時点

他の米国ETFと比べて、頭一つ抜けていることがわかりますね。

配当目的の投資であれば、配当利回りの高さは大きなメリットといえます。

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運用コストが低い

SPYDは運用コストが低いです。

そもそもSPYDなどを含めたETFの運用コストは低く、手数料があまりかかりません。

通常、投資信託では「購入時手数料・運用管理費・信託財産留保額」などの費用が発生します。

しかし、ETFでは、運用管理費しか発生しないのです。

実際、SPYDの経費率は0.07%と低め。

運用コストを抑えることができれば、それだけ利益を減らさずに済みますね。

少額から投資できる

SPYDは少額から投資できるのも大きなメリット。

1株(100円以下)で投資できますから、資金が少ない方でも投資しやすいといえます。

またSPYDに投資すれば80銘柄に分散投資ができますから、少額でそこまで分散できるのは魅力的ですね。

大金を用意しなくても、SPYDであれば少額から投資できるのです。

長期で保有すれば売却益もある

SPYDだとしても、長期で保有すれば売却益が出る可能性もあります。

実際にSPYDのこれまでの値動きを見てみましょう。

SPYD,チャート

下がっている部分はあるものの、2016年から持っていれば、価格は上昇していることがわかりますね。

長期間保有し続ければし続けるほど、元本割れのリスクは低くなります。

配当目的であれば長期保有がほとんどですから、売却益の可能性もあるのは嬉しいポイントですね。

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配当目的でないならSPYDはおすすめしない

SPYDをおすすめできるのは、「配当目的で投資をしている方」です。

配当目的でないなら、SPYDはおすすめできません。

より成長性に期待が持てる米国ETFはたくさんありますから、わざわざSPYDを選ぶ必要はないのです。

SPYDが特に優れている高配当という面を活かしたい場合のみ、投資先に検討すると良いでしょう。

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まとめ

SPYDは、高配当目的で投資をやる方にはおすすめの米国ETFです。

配当利回りも良く、成熟企業の銘柄が多くあるため、安定性も高め。

一方で、成長性には乏しいため、売却益を狙う方にはあまりおすすめできません。

さまざまな米国ETFがある中で、自分に合ったものはどんな特徴があるものなのか、きちんと調べて見極めるようにしてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。

あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。

情報をわかりやすく、魅力的にお届けすることがモッ

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