SMAとEMAの違いをわかりやすく解説!初心者でも使い分けできる移動平均線の基本

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「SMAとEMAの違いがよくわからない…」そんな悩みを抱えていませんか?

どちらも「移動平均線」ですが、実は値動きの捉え方と反応スピードがまったく異なります。

SMA(単純移動平均)は過去の価格を均等に平均するため、滑らかで安定。

一方、EMA(指数平滑移動平均)は直近の値動きを重視し、変化に素早く反応します。

この“性格の違い”を理解していないと、トレードのタイミングを逃したり、だましに惑わされたりすることも。

本記事では、SMAとEMAの仕組み・特徴・活用シーンを比較表つきで徹底解説します。

さらに、初心者でも迷わず使い分けできる設定例と実践テクニックも紹介します。

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目次

SMAとEMAの違いは「直近の値動きを重視するかどうか」

SMAとEMAの違いは、直近の値動きを重視するかどうかです。

単純に平均するSMAと違い、EMAは直近の値動きをより重視している指標なのです。

実際にどれくらい違うのか、3日移動平均線の場合で考えてみましょう。

1日目1円、2日目1円、3日目100円という値動きをしたとします。

その場合、SMAとEMAは下記のように異なる値となるのです。

SMA,EMA,違い,わかりやすく

SMAよりも、直近の価格を重視しているEMAのほうが、数値が大きくなっています。

直近の価格を重要視するということは、急上昇や暴落にもそれだけ強く反応するということ。

短期的なトレンドの強さを計るのに特化しているのがEMAなのです。

初心者、もしくは一般的なスイングや中期トレードであれば、基本形といえるSMAがオススメ。

一方、短期特化でトレードするなら、EMAも選択肢の一つです。

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SMAとEMAの違いをそれぞれ比較

SMAとEMAの違いを一覧表にまとめました。

SMAとEMAはどちらも移動平均線ですが、特徴は異なります。

どちらを使うべきか、場面に応じて意識し使い分けていきましょう。

SMA EMA
正式名称 単純移動平均線 指数平滑移動平均線
価格に対する反応速度
適したトレード期間
ダマシのあいやすさ

SMAとEMAの違いを、項目ごとに詳しく見ていきましょう。

価格に対する反応速度

SMAとEMAで、直近の価格に対する反応速度が違います。

なぜなら、EMAは直近の価格を最も重要と考えているため、直近価格の比重が高くなっているからです。

実際にSMAとEMAの動き方を見比べてみましょう。

SMA,EMA,反応速度

同じ期間の移動平均線ですが、SMAとEMAで異なる動き方をしています。

EMAのほうが、ローソク足の上下に敏感に反応していることがわかります。

急上昇や暴落にもすぐに反応するため、トレンド反転時などにすぐシグナルを出してくれます。

トレードのタイミングもその分早くなるため、損失を最小限に抑える・利益を早めに確定させることができるわけですね。

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適したトレード期間

SMAとEMAでは、適したトレード期間が異なります。

SMAは長期のトレードにも対応しており、EMAは短期のトレードに特化しています。

EMAは直近の価格を重要視しているからこそ、短期の値動きを追いやすく、短期トレードに向いているのです。

移動平均線によるゴールデンクロス・デッドクロスは、基本的にEMAのほうが発生タイミングは早くなっています。

SMA,EMA,ゴールデンクロス

上下で見比べれば、ゴールデンクロス・デッドクロスのタイミングが異なっているとわかります。

長期のトレンドを分析したいときは、SMAを活用するのが良いでしょう。

とはいえ、期間の設定次第では、SMAでも十分短期で活用できますよ。

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ダマシのあいやすさ

ダマシのあいやすさも、SMAとEMAでは違いがあります。

直近の価格にすぐ反応してしまうEMAは、SMAと比べてダマシにあいやすいといえます。

SMA,EMA,ダマシ

上図のように、直近の価格に反応しすぎることで、長期的には上昇するトレンドだと気づけずに下落すると騙されてしまう可能性があるのです。

もちろんSMAでもダマシに合う可能性は0ではないですから、複数の指標を組み合わせるなどして、分析の精度を上げることが重要になります。

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WMAという移動平均線もある

移動平均線には、SMA・EMA以外にもWMAもあります。

加重移動平均線といい、直近の価格により重きを置いている移動平均線です。

EMAよりもさらにトレンドに敏感に反応するところが大きな特徴。

一方で、EMAと同じくダマシにもあいやすいため注意が必要です。

SMA,EMA,WMA

上図は、SMAとEMAとWMAの3本をチャート上に表示させている状態です。(期間は10日)

WMAは、小規模のトレンドであれば、もっとも値動きに近い動き方をします。

そのため、弱めのトレンド相場で好んで使われることが多いです。

SMA・EMA・WMAの特徴を表にまとめたので、使い分けられるようになりましょう。

SMA 強み 長期でも使える
弱み 売買タイミングが遅れることも
EMA 強み 急変動に敏感
弱み ダマシにあいやすい
WMA 強み 弱めのトレンド相場に強い
弱み ダマシにあいやすい

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Q1. SMAとEMA、どっちを使えばいいですか?

A. トレードの目的によって使い分けましょう。

短期の値動きを素早く捉えたいなら「EMA」、長期のトレンドを安定的に確認したいなら「SMA」が適しています。

たとえばデイトレや短期スイングならEMA、スイング中期〜投資寄りならSMAを使うとよいでしょう。

迷ったときは、「SMAで方向を判断し、EMAでタイミングを取る」組み合わせが最も実用的です。

Q2. EMAはなぜ反応が速いのですか?

A. EMA(指数平滑移動平均)は、最新の価格ほど重みを大きくして平均を計算しているためです。

直近の動きをより重視することで、上昇・下落の初動を早く察知できます。

その分、価格の“騙し”にも反応しやすい特徴があるため、上位足のSMAや他の指標と併用するのがポイントです。

Q3. SMAとEMAでクロスのタイミングが違うのはなぜ?

A. EMAのほうが価格変化に敏感なので、ゴールデンクロス(GC)やデッドクロス(DC)がSMAよりも早く出ます。

つまり、EMAのクロスは「初動を掴む」ためのサイン、SMAのクロスは「トレンド確定を確認する」サインと考えるとわかりやすいです。

どちらが正しいというより、時間軸の違いで使い分けるのがコツです。

まとめ

SMAとEMAの違いは、「どれだけ直近を重視するか」という性格の違いです。

  • 短期の速さ=EMA
  • 大局の安定=SMA

多くのトレーダーが最終的にたどり着く結論は、「SMAで方向を決め、EMAでタイミングを取る」というシンプルな併用法です。

このバランス感覚こそ、移動平均線を“線”ではなく“武器”として使いこなすための第一歩。

焦らず、検証を重ねながらあなたのスタイルを磨いていきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。

あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。

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