株の配当金で生活をしたい、不労所得を作って仕事を辞めたい、こんなことを一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
株の配当金であれば、株を保有しているだけで利益を得ることができるので、不労所得で生活をすることも夢ではありません。
しかし、株の配当金による不労所得で生活を送ろうと考えた時に、気になるのは継続的に安定して配当をもらえるのかどうかということです。
もしかすると配当金生活中に、配当利回りが下がったり、株価の下落で大きな損失を抱えてしまうかもしれません。
そのため「配当金だけで本当に生活ができるのだろうか?」と疑う人も多いはずです。
そこで今回は、株の配当金生活について実現することは可能なのか、失敗しない防止策などがあるのかについて紹介をします。
この記事でわかること
- 株の配当金生活について
- 株の配当金で失敗しないための防止策
- 現実的な配当金の活用方法
夢の配当金生活は実現可能?
株式投資には大きく分けて2つの利益が存在します。
1つは株式の売買差額による利益(キャピタルゲイン)と、株式を保有しているだけで発生する配当金利益(インカムゲイン)です。
売買差額による利益は通常の株式トレードで得ることができ、配当金に関しては配当金を設定している企業の株を保有しているだけで利益が発生するので、不労所得性の高い利益を得ることができます。
そこで、不労所得性の高い利益として配当金を活用し、配当金だけで生活を送るという考えがあるのです。
そんなことができるのだろうかと思うかもしれませんが、一応配当金だけで生活を送ることは不可能ではありません。
生活を送れるだけの資金を配当金による利益で賄うことができれば、計算上は可能となります。
ただ、夢の配当金生活を送ることは不可能ではありませんが、失敗をしやすいという特徴もあるのです。
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配当金生活は失敗しやすい
そもそもの話として、配当金生活を送るためには生活を送るための資金を配当金で得なければなりません。
例えば、月に20万円の生活費が必要だったとします。
配当金は基本的に年1回貰うことができ、高い配当利回りで8%です。
つまり、1年間で12ヵ月×20万円=240万円の配当金を得なければならないため、8%の配当利回りであれば3千万円分の株式を現物で保有しなければなりません。
それだけの金額を準備できれば、とりあえず配当金で生活を送ることができます。
しかし、株価は常に変動を続け、配当金利回りも企業の業績によって変動が起こります。
株価が下落すると株で保有している資産も減少し、配当利回りも減るため、常に当初の配当利回りを期待することができないのです。
最悪の場合には、業績悪化により配当金の中止などもあり得ます。
そのため配当金生活は、株価の変動によって収益が大きく減少する可能性があり、8%の配当利回り株も少ないため、失敗しやすいという特徴があるのです。
当初3千万円を用意して生活費を賄えていたとしても、常に8%の配当利回りを維持できる株はほとんどありません。
もし、3千万円もの資金で保有していた銘柄の株価が50%も下落してしまうと、資金も50%減少してしまうので、気楽に送れる生活ではないということです。
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配当金生活で失敗しないため防止策
配当金による生活は失敗をしてしまう可能性が高いため、行うのであれば防止策を考えて行っていかなければなりません。
そこで配当金生活で失敗しないための防止策としては、株価の変動が少ない銘柄を選び、投資先を分散させることです。
株価の変動が高い銘柄を選んでしまうと、株価が下落した際に投資資金を大きく減らしてしまう結果につながります。
もちろん、受取配当金が減少したり、減配が行なわれる可能性もあります。
配当金による投資を行っていくためには、投資資金を如何に減らさないかということが重要となるため、配当利回りが低くても株価が安定している株を選ぶべきです。
それと、1つの株に資金の多くを投入するのではなく、投資先を分散させてリスクを減少させる必要があります。
1つの株で配当利回りを狙うと、その株価が暴落した際には一瞬で資金を大きく減らしてしまう可能性もあるからです。
いくつかの株に投資をしておけば、1つの株で株価の下落や減配が行なわれたとしても、他の銘柄で利益を維持することができます。
そして何よりも、株価の変動は必ず起こり、投資先を分散させることは配当金生活では当たり前として、多くの資金を準備しておくことが一番の失敗防止策となります。
生活ができる最低限の配当金投資の資金ではなく、株価の下落や減配などを想定して、利回りが低くても分散された投資先から利益を得られるようにしておかなければなりません。
そのため、配当金生活で失敗しないためには、十分な資金が必要となるのです。
配当金の利益を期待するよりも、トレードで稼ぐ方が現実的
誰もが配当金生活を夢にみるかもしれませんが、実現するためには価格変動が少なく配当利回りを購入時のまま維持できる株を選別する必要があり、そして大金が必要となるため現実的ではありません。
中途半端な資金では一時的な景気後退期や暴落などが原因で資金を溶かしてしまいます。
そこで、株で生活を出来るほどの利益を得たい場合には、配当金ではなくトレードで稼ぐ方がおすすめとなります。
自分でトレードを行えば実力次第で十分稼げる
株のトレードは基本的に売買差額による利益を狙うため、常に変動が起きる株式市場においては、配当金よりも利益を得やすいのです。
特に配当金の場合、一度株を購入すると保有を続けるのが基本となるため、株価の変動に対して売買を行うわけではないので受け身となってしまいます。
しかし、自分でトレードを行う場合には自分のトレード技術を上げることで、株価の上昇時だけではなく下落時には空売りという手法で利益を狙うなど、テクニカル分析を駆使することで様々な場面で利益を狙うことが可能となります。
空売りについては下落相場でも稼げる方法とは?空売りでトレードの機会を広げようの記事をご覧ください。
つまり配当金が受け身的な投資に対して、自分でトレードを行えば株式市場の価格変動を利用して攻めた投資を行うことができるのです。
そして、株のトレードは技術を磨くことによって得られる利益も上げることができるため、株で生活をしたいという場合には配当金よりもトレードを優先する方がおすすめなのです。
トレードと配当金による利益を作れば安定した生活も可能
ここまで配当金利益による生活を送るのは現実的ではないと紹介してきました。
ただ、配当金による利益も株で利益を上げるという点においては、十分活用することができるのです。
それは、自分のトレードによる利益にプラスをする形で配当金利益を得ることです。
自分で株のトレードを行えば十分な利益を期待することができますが、時に損失を出してしまうこともありますし、常に自分でトレードを行わなければなりません。
そこで、配当金による利益を資金の一部で作っておくことができれば、自分のトレードが調子悪く上手くいかなったかた分を補填することができます。
つまり、トレード利益+配当金利益を得ておけば、株による収益の安定化を図ることができ、将来的に専業投資家となった場合でも安定した生活を期待することができるのです。
そのため、自分のトレードで上手く利益を出せるようになり、資金に余裕が出てきたころに配当金利益を狙って株を購入するのは一つの戦略として有効となります。
まとめ
- 株の配当金生活は現実的ではない
- 株の配当金で失敗しないためには、潤沢な資金と価格変動面で安定した株が必要
- 配当金は自分のトレードによる利益と組み合わせた方が活用できる
いかがでしたでしょうか。
配当金に夢を見る方も多いかもしれませんが、現実的に潤沢な資金が必要で株価の変動が緩やかな株を見つけなければならないので、実現はかなり難しいのが現実です。
もちろん、配当金生活を実現できそうな高配当株も存在しますが、高い配当利益率は一時的なものであったりし、購入後に株価が下落していくこともあるため、配当金だけを狙う初心者にとっては危険な株でもあるのです。
そのため、株による利益を望む場合や将来的に株で生活をしたいという場合には、自分でトレードを行い技術を磨いていきましょう。
上手くトレードを行えるようになれば配当金分以上に稼ぐことは十分可能です。
技術を磨いた分だけ利益につながりやすくなるので、稼げる力をつけることができるのでおすすめです。
両建ての手法を徹底解説!リスクを減らしつつ利益を増やすための極意
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。