株価は不規則に動いている?ランダムウォーク理論は本当に正しいのか

株式投資を始めたばかりの頃に、このようなギモンを持たれたことはありませんか。

「株価を予測しても全然当たらないし、実際はランダムに動いているように見える」

予想していた方向と実際の株価の値動きが真逆になってしまったり、チャートが不規則な動きのため、「予測なんて到底出来ない」と思ってしまうこともあると思います。

株式の世界には、”ランダムウォーク”と呼ばれる理論が存在しており、株価は常にランダムに動いているという考えがあります。

つまり、株価の動く方向を予測したところで当たるとは限らず、勝率50%のギャンブルを行っているようなものということです。

ここで疑問になるのが、株価はランダムに動いているように見えますが、本当にランダムに動いているのでしょうか。

ランダムウォーク理論が正しいとすれば、勝ち続けている投資家たちは限りなく運が良い人という存在であり、インサイダー取引についても規制をする必要がなくなります。

そこで今回は、ランダムウォーク理論について紹介をしつつ、本当に正しい理論なのかを考えてみたいと思います。

この記事でわかること

  • ランダムウォーク理論について
  • ランダムウォーク理論は正しいのか

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目次

ランダムウォーク理論とは?

ランダムウォーク理論とは、「株価の値動きは常にランダムであり、株価の上昇も下降も同様の可能性で発生する」という理論になります。

株価は常にランダムで動いており、株価が上がる確率も下がる確率も常に50%ということです。

そのため、株価に影響を与える情報(テクニカル分析やファンダメンタルズ分析)は否定され、株価の値動きはランダムであるとされているのです。

さらにランダムウォークは、特定の場面で発現する理論ではなく、常にランダムであるとされています。

つまり、10日間株価の上昇が続いた上昇トレンドの局面でも、11日目に株価が上昇する確率は50%であるということです。

これは日足、時間足、分足、全ての足において同様であり、例えこの先株価が上がりそうな(もしくは下がる)局面においても、次の足が陽線もしくは陰線になるのかはランダムであり、株価は予測することができないものという理論です。

そのため、ランダムウォーク理論においては、「株価が上がるのか下がるのかを50%で予測している=ギャンブルを行っている」と考えられることもあるのです。

「猿のダーツ投げ」と「専門家」のポートフォリオに差はない

ランダムウォーク理論の中に、株価の値動きはランダムであることから誰が投資をしても結果は変わらない、という説明で「猿のダーツ投げ」が存在します。

猿のダーツ投げとは、目隠しをした猿がダーツを投げて命中した銘柄で組んだポートフォリオと、株式投資の専門家が組んだポートフォリオの運用成果は変わらないというものです。

猿がランダムに選んだポートフォリオが、専門家のポートフォリオと同じ結果になるはずが無いと思ってしまうかもしれませんが、株価はランダムに動くため、どの銘柄を選んだとしても似たような結果に辿り着いてしまうという話です。

つまり、株価がランダムに動く以上、専門家がテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を駆使して組んだポートフォリオでも、素人が適当に選んだ銘柄のポートフォリオも変わらないという意味でもあります。

そのため、猿が選んだポートフォリも専門家が選んだポートフォリオも大差がでないことから、自分で組んだポートフォリの成績がかなり良い場合には運が良かったということであり、成績が悪ければ運が悪かったとみることもできてしまうのです。

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ランダムウォーク理論は本当に正しいのか?

ここまで説明してきた中で、疑問に思っている方も多いと思いますが、果たして本当にこの理論は正しいのでしょうか。

何も考えずにチャートで株価を確認しているとランダムに見えないこともありませんが、勝ち続けている投資家やインサイダー取引などの禁止事例を考えると、株価はランダムに動いているとは言い切れません。

そこでここからは、ランダムウォーク理論は正しいのかについて考えて行きましょう。

勝ち続けている投資家という存在

ランダムウォーク理論が正しいのかを考える上で、長年勝ち続けている投資家は正しさを否定する存在となります。

ランダムウォーク理論では、勝率は常に50%であるため、長年株式投資を続けてきた投資家の勝率は、ほぼ50%という説明になります。

しかし、実際に勝ち続けている投資家は、50%以上の高い勝率で大きな利益を上げ続けているのです。

そのため、勝ち続けている投資家がいる以上、ランダムウォーク理論は成立しない理論であると考えることができるのです。

仕手筋やインサイダーなどが株価に与える影響

ランダムウォーク理論では、情報は株価にとって意味が無く常にランダムで動くとされています。

もしそれが本当であれば、インサイダー取引を禁止する必要はなく、仕手筋も株価を操作していないという結果になるでしょう。

しかし、実際にはインサイダー取引は禁止をされており、株価の値動きが異様な銘柄については仕手筋の存在が見え隠れし、株価の不正操作で捕まる人もいます。

さらに実際に企業の情報と株価の値動きを見てみると、画期的な新商品の発表、難病を治す新薬の開発、企業の不正や不祥事などの発表前後で、株価は大きく動いているのです。

つまり、株価は情報による影響を受けており、決してランダムウォークで動き続けているわけでは無いということが言えます。

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ランダムウォークは常に正しいわけではない

ここまで、株式市場におけるランダムウォークについて紹介をしてきました。

株式市場は、勝ち続けている投資家の存在や情報によって株価が動くことから、ランダムウォーク理論が当てはまらないと考えられます。

特に株価の値動きは、買いたいと思う人が増えれば株価は上昇し、売りたいと思う人が増えれば株価は下落するので、決してランダムでは無いと見ることもできます。

ただ、株式市場も常に情報などの影響を受けて動いているわけではなく、何も情報が無い状態でも動き続けることがあります。

それは、買いも売りも優勢でない時に、株価がフラフラと動き続けてランダムウォークのようになる場合もあるためです。

そのため、ランダムウォーク理論が常に正しいわけではありませんが、時に市場が方向性を見失った時には、出現するものでもあるとも考えることができます。

ランダムウォークが出現している場面では、勝率は50%となるため勝つことは難しいですが、ランダムウォークが出現していない場面では、投資家に勝てる可能性は十分あります。

そのため、株価がどのように動くのかを予測することが重要になります。

チャートからテクニカル分析で予測をしていくことで、より勝率を上げることが可能になるでしょう。

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まとめ

  • ランダムウォーク理論は、株価は常にランダムで動くという理論
  • ランダムウォーク理論は常に正しいわけではない

いかがでしたでしょうか。

ランダムウォークは常に正しいわけではなく、株価の値動きはテクニカル分析などで予測をした方が勝率が上がるでしょう。

特にトレードで負けが続いている時には、チャートを見てもランダムに動いているようにしか見えないこともあります。

しかし、正しい技術を持ってチャートを見ることができれば、市場が方向性を失っている時なのか、どのような局面にあるのかを、見極めることもできるようになります。

ぜひ、市場はランダムに動いていると決め付けず、株の技術をしっかりと磨きながら勝てるトレードをおこなっていきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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