上ヒゲ陽線とは?相場転換を見極める買い時・売り時を徹底解説

上ヒゲ陽線

上ヒゲ陽線の正しい意味を理解して、買い時・売り時を見極め、利益を手に入れたいですよね。

チャートの中にたびたび出現する上ヒゲ陽線、テクニカル分析をするうえでは避けては通れない存在です。

上ヒゲ陽線とは何か、市場の背景がわかっていなければ、間違ったエントリーをしてしまうかもしれません。

買い時・売り時となる上ヒゲ陽線は何なのか、チャンスを逃さないためにも重要なパターンを覚えておきましょう。

今回は、上ヒゲ陽線の基本から実際の活用方法までを解説。

3,000人以上の塾生が学んでいる投資塾「株塾」を運営している私たちが、プロとして初心者にもわかりやすくお伝えします。

今まさに上ヒゲ陽線と遭遇している方は、ぜひトレードの参考にしてくださいね。

大陽線とは?種類・買い時・注意点について解説

目次

上ヒゲ陽線とは

上ヒゲ陽線とは

上ヒゲ陽線とは、陽線の中でも上の棒線が長めになっているもののことです。

上ヒゲが長ければ長いほど、高値と終値の差が大きいことを示します。

高い値段まで上昇したにも関わらず、最終的には大きく下げてその日を追えたわけですね。

上ヒゲ陰線ではなく陽線ですから、始値よりは上の値段で終えており、売りの勢いに押されてはいるものの、最終的には買い優勢となっていることがわかります。

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売りの勢いに押し返されていることを示す

上ヒゲが長ければ長いほど、売りの勢いに押し返されていることを示します。

高値から大きく下げている状態ですから、それだけ買いを売りが上回っているわけですね。

陽線ですから上昇はしているものの、高値を維持できず下落してしまったのが上ヒゲ陽線です。

今後売りが勝つ可能性も想定しておく必要はあるでしょう。

高値圏なら売り・安値圏なら買いのサイン

上ヒゲ陽線はトレンドが高値圏か安値圏、どちらに出現しているかで意味合いが変わってきます。

高値圏に出現した上ヒゲ陽線なら売り、安値圏に出現したなら買いのサインと一般的には言われています。

なぜなら、ヒゲが長いということは「それだけ買いと売りがせめぎあっている」ことになるからです。

順調に売りの勢いを増して安値圏まで下がって来たところで、「買いと売りがせめぎあい始めた」なら、下落はストップして上がり始める可能性がありますよね。

逆もまた然りです。

とはいえ、上ヒゲ陽線だけで判断せずに、さまざまな指標やチャートパターンを併用して分析するようにしましょう。

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特徴的な上ヒゲ陽線2

上ヒゲ陽線,トンカチ,トウバ

上ヒゲ陽線の中でも、特徴的な2種類をまとめました。

それぞれ高値圏・安値圏での出現時には注意する必要があります。

実体が短くなるほど、それだけ株価のせめぎあいは大きいことを示しており、株価が変動する可能性は高くなります。

トンカチとトウバ、それぞれ詳しく見ていきましょう。

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トンカチ

上ヒゲ陽線,トンカチ

長い上ヒゲに加えて実体が短く、下ヒゲがほぼない形をトンカチと呼びます。

トンカチは始値から大きく価格を上げたものの、大きく下落してしまった状態であり、買いの勢いが衰えてきていることを示しています。

一方で、安値圏に陽線のトンカチが出現した場合は、トレンドが反転し株価上昇する可能性が高いです。

下降トレンドが発生して安値圏まで下がったものの、買いの勢いが復活してきていると読み取れるわけですね。

トウバ

トウバとは

トウバ(塔婆)は、始値と終値が同じ状態であり、買いと売りの勢いがせめぎあっていることを示しています。

上ヒゲが長いため、最終的には売りの抵抗が強い状態で終わっており、高値圏で出現していれば今後株価下落の可能性が高いです。

上昇して高値圏まで来たところで出てきたトウバは、上げ止まりを示しているわけですね。

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買い時・売り時といえる上ヒゲ陽線

買い時・売り時といえる上ヒゲ陽線を押さえて、実際のトレードに活かしていきましょう。

上ヒゲ陽線がどのタイミングで出ているのか、チャートの形状と合わせてみていくことが重要です。

【買い時】安値圏で上ヒゲ陽線が出現

安値圏で上ヒゲ陽線が出現したときは、買い時のシグナルです。

海帆(3133)の例を見てみましょう。

上ヒゲ陽線,海帆

かなり長い上ヒゲ陽線が出現した後、株価が上昇していっていますね。

上ヒゲ陽線が出た翌日に買いを入れておけば、上昇分の利益が狙えに行けます。

【売り時】高値圏で上ヒゲ陽線が出現

高値圏で上ヒゲ陽線が出現した場合は、売り時のシグナルと捉えましょう。

メディアリンクス(6659)の例を見てみます。

上ヒゲ陽線,メディアリンクス

高値圏で上ヒゲが出現し、その後株価が下落トレンドへと変化しています。

高値圏での上ヒゲ陽線には注意しておきましょう。

【売り時】3連続で陽線かつ最後が上ヒゲ陽線

3連続で陽線が出ていても、最後が上ヒゲ陽線である場合は売り時のシグナルです。

ツムラ(4540)のチャートを例に確認してみましょう。

上ヒゲ陽線,ツムラ

陽線が3連続で出現し、株価が上昇しています。

しかし3つ目の陽線が上ヒゲ陽線であり、その後株価は下落していることがわかりますね。

陽線が連続で出現することは非常に強気だと読み取れますが、上ヒゲ陽線から「弱気に転換し始めている」と判断できるのです。

上ヒゲ陽線の翌日に、売りで手仕舞いをしておけば安心ですね。

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上ヒゲ陽線だけで判断するのは危険

上ヒゲ陽線は、高値圏・安値圏で出現した際に、株価変動のシグナルとしてみることができます。

とはいえ、必ずしもその通りに株価が動くわけではありません。

今回、改めてさまざまなチャートを上ヒゲ陽線ベースでチェックしてみましたが、上ヒゲ陽線が出ても変動しないケースも多くありました。

また、株価が緩やかに上昇し続けている銘柄の場合、高値圏・安値圏を判断することは難しいです。

上ヒゲ陽線だけで判断してしまうと、予想と異なる結果になりかねません。

他にもチャートの指標やパターンはたくさんありますから、上ヒゲ陽線と合わせて判断することで、分析の精度を上げていきましょう。

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上ヒゲ陽線と合わせて使いたいパターン・テクニック

トレードに活かすためにも、上ヒゲ陽線と合わせて使えるチャートパターンやテクニックを覚えておきましょう。

上ヒゲ陽線だけで判断すれば、だましにあってしまう可能性があります。

だましにあわないためにも、さまざまな方向から分析するようにしてください。

出来高10万株以上

上ヒゲ陽線に加えて、その時の出来高を確認しておきましょう。

出来高がどれくらいあるかで、上ヒゲ陽線が持つ力も変わってきます。

基準としては、10万株以上かどうかで確認してみてください。

出来高が10万株以上の上ヒゲ陽線であれば、株価下落の可能性が高いといえます。

出来高が多いということは、それだけ取引の数も多いということです。

売りの勢いもそれだけ強いことを示していますから、今後売りの勢いが強くなるだろうというわけですね。

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ダブルボトム

上ヒゲ陽線,ダブルボトム

ダブルボトム完成の判断が難しい時、上ヒゲ陽線があれば完成の可能性が高いといえます。

2番底部分で上ヒゲ陽線が出てくるようであれば、上昇のきっかけになる可能性が高いです。

1番底と同じくらいの価格で上ヒゲ陽線が出現した場合は、その後の動きに中止したほうが良いでしょう。

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【相場流】トライ届かず

上ヒゲ陽線,トライ届かず

トライ届かずは、相場流の株用語であり、直近の高値を抜けようと株価が挑戦(トライ)するものの、届くことなく下落していく状態を指しています。

株価が上昇する際は、前の高値・安値というのは多くの投資家が意識するポイントです。

そこを超えられずに下落する場合は、下落トレンドが発生しやすいといえます。

その「トライ届かず」が発生するタイミングを見つける際に、上ヒゲ陽線が目印になるのです。

直近の高値が近づいてきたタイミングでの上ヒゲ陽線には注意しましょう。

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まとめ

上ヒゲ陽線は、高値圏な安値圏かで意味合いが変わってきます。

どこでどのように出現しているかを確認し、相場の流れを分析していきましょう。

上ヒゲ陽線だけでなく、ローソク足には大陽線や下ヒゲ陽線など他にもさまざまな種類があります。

私たちが運営している株塾では、そんなローソク足と移動平均線をメインとした「チャートを見るだけ」の分析方法でトレードができるようになります。

株の売買ポイントを見極められるようになりたい方は、ぜひ株塾をのぞいてみてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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