「マッチング拠出ってなんだろう?」と疑問に思っていませんか?
マッチング拠出という言葉は聞いたことがあるものの、具体的にどのような制度なのか知りたいという方が多いようです。
そこで今回は、マッチング拠出の概要について解説します。
また、マッチング拠出のメリット・デメリットについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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マッチング拠出とは
本章では、マッチング拠出の基本について以下の見出しに沿って解説していきます。
- マッチング拠出とは
- マッチング拠出の利用要件
- マッチング拠出の上限額
それぞれみていきましょう。
マッチング拠出とは
マッチング拠出とは、企業型DC(企業型確定拠出年金)で会社が出す掛金に、従業員が自分のお金を上乗せできる制度です。
企業型DCとは、会社が掛金を出し、従業員自身が投資信託などで運用する年金制度を指します。
会社の掛金だけでは、老後に必要な資金が不足してしまうケースも少なくありません。
そこで、税制優遇を受けながら自助努力で増やせる仕組みとして、2012年1月の法改正で導入されました。
上乗せする掛金は給与から天引きされ、会社の掛金と合わせて企業型DC口座で一括運用される仕組みです。
たとえば会社の掛金が月1万円の場合、自分で1万円を上乗せすれば毎月2万円で運用できます。
運用に回すお金を効率よく増やせるため、老後に備えたい会社員にとって有力な選択肢の一つだと言えます。
マッチング拠出の利用要件
マッチング拠出は誰でも使えるわけではなく、決められた条件をすべて満たす必要があります。
具体的な利用条件は、以下のとおりです。
- 勤務先の企業型DCの規約でマッチング拠出が定められている
- 企業型DCの加入者本人である
- iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入していない
まずは人事部などの担当部署に問い合わせて、勤務先が制度を導入しているか確かめてみましょう。
マッチング拠出の上限額
マッチング拠出で従業員が上乗せできる金額は、法律で上限のルールが定められています。
基本のルールは、会社掛金と従業員掛金の合計を月5.5万円以内に収めることです。
DB(確定給付企業年金)など他の年金制度がある会社では、月5.5万円から他制度分を差し引いた額が上限になります。
従来は「従業員の掛金は会社掛金と同額以下まで」という追加の制限も設けられていました。
しかし2026年4月1日に施行された年金制度改正法により、同額までとする制限は撤廃されています。
ですが、実際にいつからいくら上乗せできるかは、勤務先の規約の見直し状況によって異なる点に注意が必要です。
なお2026年12月から、拠出限度額の月5.5万円は月6.2万円へ引き上げられます。
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マッチング拠出のメリット
本章では、マッチング拠出のメリットを以下の内容に沿って紹介します。
- 拠出した掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象
- 運用益が非課税
- 受取時にも税負担が軽減される
- 加入時の手数料が発生しない
それぞれみていきましょう。
拠出した掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象
従業員が上乗せした掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除という所得控除の対象になります。
所得控除とは、税金を計算するもとになる所得から一定額を差し引ける仕組みのことです。
課税対象となる所得が掛金の分だけ減るため、所得税と住民税の負担をまとめて軽くできます。
また掛金は給与から天引きされ、所得控除の手続きも基本的に会社側で行われるため、従業員自身が申告に手間をかける必要はほとんどありません。
拠出を長く続けるほど節税額が着実に積み上がっていく点も、見逃せない魅力と言えるでしょう。
運用益が非課税
マッチング拠出の掛金を運用して得られた利益には、税金が一切かからない点も大きなメリットです。
通常の投資では利益に対して20.315%が課税されますが、確定拠出年金の運用益にかかる税金は非課税となります。
たとえば10万円の利益が出た場合、通常の証券口座なら約2万円が税金として差し引かれます。
一方でマッチング拠出なら、利益にかかる税金が非課税のため、10万円をまるごと手にすることが可能です。
このように非課税の恩恵を受けられる分、通常の投資と比べて手元に残る利益が大きくなります。
受取時にも税負担が軽減される
マッチング拠出で積み立てた資産は、一時金でまとめて受け取る場合は退職所得控除、年金形式で受け取る場合は公的年金等控除が使えるため税金面で有利です。
退職所得控除とは退職金にかかる税金を減らす仕組みで、加入年数が長いほど控除額も大きくなります。
たとえば加入期間が20年の場合、800万円までは非課税で受け取ることが可能です。
一方、年金形式で受け取る場合は公的年金等控除が適用されます。
公的年金等に係る雑所得以外の所得が1,000万円以下の場合、65歳以上であれば年間110万円まで、65歳未満でも年間60万円までは税金がかかりません。
このように、受取時にも手厚い控除が用意されているため、積立時だけでなく受取時まで一貫して税制面のメリットを享受できます。
加入時の手数料が発生しない
マッチング拠出では、原則として加入時や運用中の手数料を自分で負担する必要がありません。
企業型DCの口座管理手数料などの各種コストは、会社側がまとめて負担してくれるのが一般的なためです。
手数料の自己負担がないぶん、拠出した資金をすべてそのまま運用に回すことができ、効率的に資産を増やしていけます。
手数料の負担を抑えながら着実に資産形成を進めたい方にとって、マッチング拠出は魅力的な選択肢だと言えます。
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マッチング拠出のデメリット
本章では、マッチング拠出のデメリットを以下の内容に沿って解説します。
- 運用商品が企業型DCのラインナップに限定される
- 原則として60歳まで資産を引き出せない
- 運用リスクはすべて加入者の自己負担となる
メリットと合わせて弱点も理解したうえで、納得して利用を判断できるようにしましょう。
運用商品が企業型DCのラインナップに限定される
マッチング拠出では、運用商品が勤務先の企業型DCで用意されたラインナップに限定される点がデメリットです。
企業型DCの運用商品は企業側が選定するため、取り扱い本数が限られている場合が多く、加入者が希望する商品がラインナップに含まれていないケースも珍しくありません。
自分の投資方針に合った運用商品を幅広い選択肢の中から選びたい方にとっては、この点が大きな制約となり得るでしょう。
原則として60歳まで資産を引き出せない
マッチング拠出で積み立てた資産は、原則として60歳になるまで引き出すことができません。
なぜなら、老後資金を確実に確保するための年金制度であり、途中での引き出しが法律で制限されているからです。
そのため、急な出費や住宅購入などでまとまったお金が必要になっても、積み立てた資産を充てられない点は注意しておきましょう。
運用リスクはすべて加入者の自己負担となる
マッチング拠出によって上乗せした掛金は、確定拠出年金の仕組み上、加入者自身が商品を選択し運用を行います。
そのため、運用成績が好調であれば将来の受取額は増加します。
ですが、運用がうまくいかなかった場合には元本割れを起こす可能性もあり、その損失はすべて加入者本人が負うことになる点は注意が必要です。
企業が損失を補填してくれる制度ではないため、拠出額を増やす際には自身のリスク許容度を十分に理解したうえで、慎重に判断するようにしましょう。
マッチング拠出とiDeCoの違い
マッチング拠出とiDeCoは、どちらも老後資金を自分で上乗せして育てられる制度です。
両者は似ているようで細かなルールが異なるうえ、2つの制度は同時に利用できない決まりになっています。
だからこそ、それぞれの違いを正しく理解したうえで、自分に合う方を検討するのが重要です。
以下の表に主な違いをまとめたので、ぜひ選ぶ際の参考にしてください。
| 比較項目 | マッチング拠出 | iDeCo |
| 利用できる人 | 制度を導入している企業型DCの加入者 | 原則20歳以上70歳未満の国民年金被保険者※1 |
| 掛金の上限 | 会社掛金と合わせて月6.2万円以内※2 | 月6.2万円から会社掛金等を差し引いた残額※2 |
| 手数料 | 原則会社負担 | 自己負担 |
| 商品・金融機関 | 会社が用意した中から選ぶ | 自分で自由に選べる |
| 掛金の払い方 | 給与から天引き | 本人の口座から引き落とし |
| 所得控除の手続き | 原則不要 | 年末調整または確定申告が必要 |
※1 2026年12月の改正で、加入可能年齢が65歳未満から70歳未満に引き上げられます。
※2 2026年12月施行の金額です。
同年11月までは、マッチング拠出が月5.5万円以内、iDeCo(企業型DC加入者)が月2万円が上限です。
手続きの手軽さや手数料の面ではマッチング拠出、自由度の面ではiDeCoに強みがあります。
表の内容を参考にしながら、自分がどちらのポイントを重視したいのかを考えてみましょう。
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よくある質問
途中で掛け金の額を変更したりやめたりできる?
マッチング拠出の掛金額は、年に1回、企業が定めた時期であれば変更可能です。
増額はもちろん減額にも対応しており、ライフスタイルや家計の変化に合わせて柔軟に見直せます。
また、途中で拠出そのものをやめたり、家計に余裕が生まれたら再開したりすることも認められています。
ただし、変更の受付時期や手続き方法は企業ごとに異なるため、詳しくは勤務先の担当部署や運営管理機関に確認しましょう。
新NISAとマッチング拠出は併用できる?
新NISAとマッチング拠出は、制度の仕組みが異なるため併用が可能です。
新NISAは株式や投資信託の運用益にかかる税金が非課税になる制度で、マッチング拠出は企業型確定拠出年金(企業型DC)において従業員が掛金を上乗せできる制度です。
両者の間に法律上の利用制限はなく、それぞれのメリットを同時に受けることができます。
新NISAとマッチング拠出を上手に活用すれば、現役時代の資産形成と老後資金の準備を効率よく進められます。
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まとめ
今回は、マッチング拠出の仕組みとメリット・デメリットについて解説しました。
マッチング拠出は掛金の全額所得控除や運用益の非課税など、税制面の優遇を受けながら老後資金を上乗せできます。
ただし、運用商品が勤務先のラインナップに限定される点や、原則60歳まで引き出せない点には注意が必要です。
ぜひ本記事を参考に、マッチング拠出の活用を検討してみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





