「パラボリックでスキャルピングをしたいけれど、やり方がわからない」と悩んでいませんか?
パラボリックは視覚的にトレンドを捉えやすいものの、スキャルピングをする際どのように活用すればいいのかわからないという方が多いようです。
そこで本記事では、パラボリックの基本的な仕組みからスキャルピングのやり方まで詳しく解説します。
本記事を読むと、初心者の方でもパラボリックを使ったスキャルピングのやり方を理解し、実践できるようになります。
また、注意すべきポイントや他のテクニカル指標との組み合わせ方についても紹介しました。
ぜひ本記事を参考に、パラボリックでのスキャルピングを実践してみてください。
パラボリックとは
本章では、パラボリックとはなんなのかを紹介します。
計算式も詳しく解説するので、ここで改めてパラボリックについて整理しておきましょう。
パラボリックとは
パラボリックは、DMIやRSIなどのテクニカル分析ツールを発明したアメリカのJ・ウエルズ・ワイルダー氏によって考案されたテクニカル指標です。
チャート上に放物線状の点であるSAR(ストップ・アンド・リバース)を表示して、トレンドの向きや転換点を視覚的に捉えます。

ローソク足がSARを突破した点がトレンド転換点になり、価格がSARより上にあると上昇トレンドと判断します。
逆に価格がSARより下にあると、下降トレンドとみなされます。

このように、パラボリックはトレンドがいつ転換するのか、またどちらの方向に向かっているかを簡単に見極められるのが特徴です。
パラボリックの計算式
パラボリックのSARの計算式は、以下のとおりです。
上昇トレンド時
- SAR=前日のSAR + AF × (EP – 前日のSAR)
下降トレンド時
- SAR=前日のSAR – AF × (EP – 前日のSAR)
パラボリックでは、「AF(加速係数)」と「EP(エクストリーム・プライス)」という2つの数字が大切な役割を持っているためそれぞれ解説します。
なお、これらの計算はチャートツールが自動で行ってくれるため、仕組みを「ざっくり理解する」だけでも十分で覚える必要はありません。
AF(加速係数)とは
AFとは、トレンドの勢いに合わせてパラボリックの動きを速くしたり、ゆるやかにしたりするための調整値です。
最初は 0.02 からはじまり、価格がトレンド方向に動いて「高値(または安値)」を更新するたびに 0.02ずつ増加していきます。
増加できる上限は 0.20 までです。
AFが大きくなるほど、パラボリックは価格変化に敏感に反応します。
たとえば、AFを大きく設定すると、すぐにトレンド転換のサインが出やすくなりますがダマシも増える傾向があります。
逆にAFを小さく設定すると、動きはなめらかになりますが、反応が遅れて転換を逃すことがあります。
そのため、AFは「0.02」を基準にして、実際の取引で少しずつ調整していくのが安心です。
なお、短期トレードではやや高め、長期トレードでは低めが一般的です。
EP(エクストリーム・プライス)とは
EPとは「トレンド中の一番高い(または低い)価格」のことです。
上昇トレンドのときはその期間で一番高かった価格(最高値)、下降トレンドのときは一番安かった価格(最安値)となります。
このEPとAFを使って、パラボリックの点(SAR)の位置を計算し、チャート上に放物線のように並べて表示します。
計算は少し難しいですが、大切なのは「価格がSARより上なら上昇」「下なら下降」という基本ルールを押さえることです。
スキャルピングとは
スキャルピングとは、数秒から数分という超短期の売買で小さな利益を積み重ねる取引手法を指します。
同じ日内で取引を完結させるデイトレードよりも、さらに短い時間軸で取引を繰り返すのが特徴です。
1回の取引で得られる利益は小さいものの、取引回数を増やすことで大きな利益を目指せます。
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パラボリックでスキャルピングをする方法
パラボリックでスキャルピングを行う際は、1分足や5分足などの短い時間足を選びトレンドの転換点でエントリーとエグジットを行うのが基本戦略です。
SARと価格の位置関係が逆転した瞬間が、トレンド転換のサインとなります。
具体的には、下降トレンドの時に価格がSARに触れてトレンド転換したら即座に買いを行い、再度SARがローソク足にタッチしトレンドが変わったらすぐ決済します。

パラボリックのスキャルピングでは、機械的かつ迅速な売買判断を下すことがスキャルピングでの成功の鍵となります。
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パラボリックでスキャルピングをするときの注意点は
パラボリックを使ったスキャルピングをするなら、以下の点に注意する必要があります。
- 損切りを必ず行う
- 分散投資を徹底する
- 精神的負担が大きい取引方法であることを理解しておく
各注意点について詳しく解説していきます。
損切りを必ず行う
パラボリックを活用したスキャルピングをするなら、損切りラインを事前に決めておき、価格がラインに達した場合は素早く損切りするのが重要です。
小さな損失を放置すると大きな損失に膨らみ、それまでコツコツ積み上げた利益を一度に失うリスクがあるためです。
たとえば、事前に決めていた損切りラインに達した瞬間にポジションを手仕舞いせず「すぐに反転するだろう」と期待して保有し続けたとします。
しかし、反転しなかった場合、含み損が拡大していき結果として過去10回分の利益が一度の損失で消えてしまうといった事態になりかねません。
スキャルピングは1回あたりの利幅が小さいため、10回分の利益が一度の損失で消えてしまうことがあります。
そのため、損切りラインを明確に設定し、機械的に実行するのが大切です。
分散投資を徹底する
パラボリックを使用したスキャルピングでの資産形成を成功させるには、分散投資が重要です。
単一銘柄への集中投資は、急激な価格変動によって大きな損失をもたらす可能性があるからです。
たとえば、予想外のニュースや経済指標の発表によって価格が大きく変動し、パラボリックのシグナルが急転換する場合があります。
そのときに、特定の通貨ペアや個別株のみに資金を集中させていると一度の取引で資産の大部分を失うリスクがあります。
一方、複数の銘柄や異なる市場に分散しておけば、一つの取引の損失を他の利益でカバーすることが可能です。
そのため、パラボリックを用いたスキャルピング戦略においても分散投資を徹底し、一つの取引における損失が全体に与える影響を最小限に抑えるのが重要です。
精神的負担が大きい取引方法であることを理解しておく
パラボリックを活用したスキャルピングは、短時間で頻繁な売買を繰り返すため精神的負担が大きい取引方法であることを理解しておきましょう。
スキャルピングでの取引では、常に市場を監視し瞬時の判断が求められる緊張状態が続くため、ストレスや疲労が蓄積しやすい環境にあります。
また、一瞬の判断ミスが大きな失敗につながるため、メンタルの強さが試されます。
したがって、パラボリックを活用したスキャルピングは少し難易度が高い取引方法であることを理解しておくのが重要です。
投資初心者の方はデモトレードで十分に練習を重ねたあと、まずは少額からはじめるのが望ましいでしょう。
パラボリックでスキャルピングをしたい人によくある質問
パラボリックでスキャルピングをしたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- パラボリックはほかの指標と組み合わせた方がいい?
- パラボリックは使えないといわれているけどほんと?
それぞれの疑問に詳しく答えます。
パラボリックはほかの指標と組み合わせた方がいい?
パラボリックは、他の指標と組み合わせて取引をするのがいいといえます。
なぜなら、パラボリックは単独で使うとダマシになる場合も多いですが、他の指標と一緒に確認して裏付けをとれれば誤シグナルを減らせるためです。
たとえば、「パラボリック」と「移動平均線」を組み合わせると、相場の大局的なトレンドに沿った取引ができるため成功率が向上します。

このように、複数の指標を併用するとシグナルの信頼性を高められるため、より精度の高いエントリーポイントを見つけられるようになります。
パラボリックは使えないといわれているけど本当?
パラボリックは、使えないといわれる場合もあります。
なぜなら、確実にトレンドの転換点が読めるツールではないからです。
ですが、パラボリックに限らず投資・トレード分野において完璧な予測を可能にするツールは存在しません。
そのため、パラボリックが使えないわけではなく、特性を理解した上で活用すべきツールだといえます。
たとえば、上の節で紹介したようにほかのテクニカル分析ツールと組み合わせて使うなど取引技術を高めていくと、より精度の高いトレードができるようになります。
「役に立たない」という声に振り回されることなく、適切な使い方を習得できるよう努力をするのがパラボリックを使いこなせるようになるために重要です。
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まとめ
本記事では、パラボリックを活用したスキャルピング手法について詳しく解説しました。
パラボリックは視覚的にトレンドの転換点を捉えやすい指標ですが、スキャルピングで成功するには損切りの徹底や分散投資などが重要です。
また、短時間での頻繁な取引は精神的負担も大きいため、投資初心者の方はデモトレードで十分に練習を積んでから実践に移るのがいいでしょう。
ぜひ本記事を参考に、適切なリスク管理を行いながらパラボリックでのスキャルピングにチャレンジしてみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。




 
       
			 
			


