投資用物件に自分で住むのはOK?

「賃貸物件を借りて住む」「終の棲家としてマイホームを買う」という一般的な住まいの形以外にも、職住一体型のコリビングや、定額制で住む場所を選べるサブスク型住居など、様々な形の住まいが増えています。

投資に興味を持たれている方の中には、不動産投資に興味がある方も多いのではないでしょうか。

投資用に戸建やマンションを購入することで、賃貸に出して家賃収入を得たり物件が値上がりしたタイミングで売却し利益を得たりする不動産投資ですが、自らの住まいについて考える時に「投資用物件に自分で住んでも良いのだろうか」という疑問を持つこともありますよね。

そこで、特集記事第四弾では「投資用物件に自分で住んでもいいのか」という疑問にお答えします。

「投資用にマンションを買ったけど、入居者が見つからないから自分で住んでもいい?」
「投資用に所有している戸建物件に、老後に住もうと思っているんだけど問題はない?」
「投資用のマンションに、いざという時に自分も住めたら安心だな」

投資用マンションに自分で住むことは、場合によっては問題があるケースがあります。

正しい知識を身に付けて、無用なトラブルに巻き込まれないようにしましょう。

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目次

(1)投資用物件に自分で住んではいけない場合

投資用物件は、所有している本人が住んではいけない場合があります。

それは、その投資用物件に「不動産投資ローン」を利用している場合です。

不動産投資ローンは自宅用の物件を購入する目的の「住宅ローン」とは異なり、不動産投資を目的とした賃貸物件を購入するためのローンのことです。

住宅は生活を営むための基盤なので、住宅ローンの金利水準は不動産投資ローンよりも低く設定されています。

ローンの審査では個人の資産や年収が審査されますが、住宅ローンでは返済能力が重視される一方、不動産投資ローンでは運用計画が重視されます。

金融機関にとってローンの目的が投資なのか住居なのかの違いは重要であり、不動産投資ローンと住宅ローンは全く異なるものなのです。

ローンの契約時に設定した「投資用」という目的を、後から「居住用」に変更することはできない場合が多いようです。

その場合、不動産投資ローンの返済が残っているにも関わらず、勝手に自分で住んでしまうと、契約違反となってしまうので、ローンの契約内容をよく確認しましょう。

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(2)悪質な不動産営業に注意

不動産投資ローンの返済が残っている投資用物件に自分で住むことは、契約違反になる可能性があることをお分かりいただけたと思います。

同様に、住宅ローンで購入した物件を第三者に賃貸するなど投資目的として活用することも、原則としてできません。

転勤などでやむを得ず家を離れなければならない場合、その間賃貸に出すことが認められるケースもありますが、あくまでローンの機関から許可された場合のみです。

こっそり賃貸に出して発覚した場合は、住宅ローンの残高の一括返済を求められる可能性があります。

近年、1%程度の固定低金利で長期間借りられる住宅ローン「フラット35」を不動産投資に悪用する不正が問題になっています。

不動産業界で「なんちゃって」と呼ばれるその手口は、フラット35を投資目的で使って客に物件を購入させ、賃貸収入でローンを返させるというものです。

利用客は年収300万円代以下の所得層が中心で、借金を抱えている人も多く、「借金を帳消しにして不動産を持てる」などと勧誘し、実勢価格を大きく上回る価格で不動産物件を売りつけるのです。

一時的に投資物件に住民票を移したり、郵便物を管理会社などに転送させるなどして、居住実体がないことの発覚を防いでいました。

利用客は契約違反として、ローンを提供する住宅金融支援機構から残債の一括返済を求められ、一部は自己破産に追い込まれたケースもあったということです。

自己居住と偽って投資用物件を購入させる不正な不動産営業は、「みんなやっているから大丈夫」などと巧みな営業トークで近づいてくることがあります。

正しい知識で自分の身を守りましょう。

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まとめ

今回は、投資用物件に自分で住んでもいいのかという疑問にお答えしました。

不動産投資ローンを利用して投資用物件を購入した場合、ローン返済中に自分で住むことはローン契約上問題が生じる場合があるので注意が必要です。

ローン返済後に自分で住むことは可能ですが、家賃収入がなくなってもマンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などを支払っていくことができるかしっかりと資金計画を考える必要があるでしょう。

さらに投資用物件は間取りや設備が賃貸向けに作られていることが多く、自己居住用の物件よりグレードが下がる場合があるので、自分にとって満足できる住まいであるかも注意が必要です。

また、不動産投資に興味を持たれている方は、自己居住用と偽って住宅ローンで投資用物件を購入させる悪質な不動産営業には十分注意しましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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