権利落ち日に売るべきかどうか、今あなたは悩んでいませんか?
配当金や株主優待を受け取れればいいから、できれば権利落ち日に売ってしまいたい。
最大限利益を取っていくためにも、権利落ち日に売ってほかの銘柄にも投資をしていきたいですよね。
しかし、権利落ち日に売ろうと考えている投資家は多いですから、株価の変動も大きくなりやすく、普段よりリスクが高くなっています。
権利落ち日に売るべきかどうか正しく理解していないと、将来的に大きく損をしてしまうかもしれないのです。
そこで今回は、権利落ち日に売るべきかどうかのポイントを徹底解説。
累計受講者数40万人を超える投資塾「株塾」を運営する私たちが、株のプロとして権利落ち日に売るコツをお伝えします。
権利落ち日を迎えて売るかどうか決めかねている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
権利落ち日に売ると配当金や優待はどうなる?
権利落ち日に売ると、配当金や優待は受け取れるのでしょうか?
結論から言えば、権利落ち日に売っても配当金・優待は受け取れます。
配当や優待が受け取れるかどうかは、上図を参考にしてください。
銘柄ごとに日付は違いますから、きちんと確認しておきましょう。
配当金は受け取れる
権利落ち日に売っても、配当金は受け取れます。
そもそも配当金を出している銘柄かどうかは、事前にチェックしておいてくださいね。
また毎年必ず配当金を受け取れるとも限りません。
企業の利益の状況次第では、配当金がなくなることもあるため注意しましょう。
株主優待も受け取れる
権利落ち日に売っても、株主優待は受け取れます。
基本的に100株以上保有していることが条件というのは忘れないようにしておきましょう。
また銘柄によっては500株以上だったり、3年以上保有で優遇制度があったりと、さまざまなケースが存在します。
目的の優待を受け取るための条件を満たせているかは確認しておきたいですね。
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権利落ち日に売るべき?
基本的には、権利落ち日に売ることはオススメしません。
そもそも売るかどうかを判断するときは、あくまでもテクニカル分析をして、「チャートの形を見極める」必要があります。
権利落ち日だから売ろう、ではなく、「このチャートの形なら勝てる」「この形ならこう言った値動きをするからここで手仕舞う」などのストーリーがあるのです。
そういう意味では、権利落ち日にトレードすること自体避けたほうが安心できるでしょう。
権利落ち日に売るときの注意点
権利落ち日は、権利付最終日の次ということもあり通常と比べて注意すべき日といえます。
主な注意点は2つ。
- 値動きが大きい点に注意
- 権利落ち日を間違えないように注意
無駄な損失を抑えるためにも、注意点を押さえておきましょう。
値動きが大きい点に注意
権利落ち日は、値動きが大きくなりがちである点に注意しましょう。
なぜなら、配当金と優待を受け取れることが確定したことで「もう売ってしまおう」と考える投資家が多いためです。
値動きが大きくなりやすいからこそ、やみくもにトレードをするのは避けるべきです。
実際の例として、PHCホールディングス(6523)の株価推移を見てみましょう。
権利付最終日が近づくにつれて株価が上昇し、権利落ち日になったタイミングで一気に株価が下落していることがわかりますね。
売りが多くなれば、それだけ株価は下落していきます。
売りたい場合は、できるだけ早く売るようにしましょう。
権利落ち日に株価が大幅に下落するケースは多いですから、巻き込まれないように早め早めの行動が重要です。
権利落ち日を間違えないように注意
権利落ち日を間違えないように注意しましょう。
ほとんどの企業が、権利落ち日はいつですよと教えてくれるわけではありません。
基準日(権利確定日)が記載されており、そこから権利落ち日がいつなのか自分で確認する必要があります。
土日を挟むなどすると分かりづらくなりますから、権利落ち日がいつなのかは入念に確認しておきましょう。
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権利落ち日に空売りするのはオススメしない
「権利落ち日に売る人が多いのであれば、空売りをして利益を狙えるのでは?」
その考えは、残念ながらオススメできません。
権利落ち日に空売りするのをオススメしない理由は3つあります。
- 必ず株価が下がるとは限らない
- 配当落調整金を支払わなければならない
- 逆日歩にも要注意
空売りによってむしろ損をしかねないのです。
必ず株価が下がるとは限らない
まず大前提として、権利落ち日に必ず株価が下がるとは限りません。
むしろ株価が上昇していくこともありえます。
そんなタイミングで空売りをしてしまえば、どんどん損失が膨らんでしまうことになります。
株価上昇の材料があるかどうか、ファンダメンタルズ分析・テクニカル分析でチェックしておきましょう。
配当落調整金を支払わなければならない
落とし穴ともいえるのが、権利落ち日に空売りすることで「配当落調整金を支払わなければならない」という点です。
配当落調整金とは、信用取引の際に発生してくる金額のことです。
信用取引の買い方は配当落調整金を受け取り、逆に売り方は配当落調整金を支払う仕組みになっています。
名前の通り、配当落の際の株価下落分の調整であり、配当金ではありません。
信用取引の場合は、配当金がない代わりに「配当落調整金」があるわけですね。
空売りをして利益が発生したとしても、配当落調整金を支払うことで結果的に損失になる可能性が高いのです。
逆日歩にも要注意
信用取引で売りを入れる場合、逆日歩が発生する点についても注意しましょう。
逆日歩は、信用売りの量が信用買いの量を上回った場合に発生してきます。
貸し手である証券会社が、貸し出す株の不足を補うための調達費用となるものです。
つまり、権利落ち日に空売りをしようとする投資家が殺到し、信用買いの量を上回れば、逆日歩という追加コストを支払わなくてはならなくなってしまうわけですね。
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まとめ
権利落ち日だからといって、保有している銘柄を売るべきではありません。
また空売りをいれば儲かるかといえば、そうとも限りません。
権利落ち日にとらわれず、チャートの形を分析し、「どこで買いを入れて手仕舞うか」を考えておきましょう。
「権利落ち日になってから売るかどうか考えよう」では出遅れてしまいます。
計画的にトレードを行うようにしてくださいね。
両建ての手法を徹底解説!リスクを減らしつつ利益を増やすための極意
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。