ピボットとは?プロ目線で解説する正しい使い方と注意点

ピボット

ピボットを使いこなして、チャート上の株価変動をより正確に予測したいと思ってはいませんか?

テクニカル指標の一つであるピボットは、その日のサポートライン・レジスタンスラインを見極めることができます。

ピボットを駆使することで、押し目買いや戻り売りの成功率も上がるのです。

しかし、間違った使い方をすれば、逆に損失を抱えてしまう可能性があります。

そこで今回は、ピボットの正しい使い方・注意点をわかりやすく徹底解説。

3,000人を超える塾生が学んでいる投資塾「株塾」を運営している私たちが、プロ目線でピボットとの向き合い方をお伝えします。

いまいち使い方がよくわかっていないという方も、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

ピボットとは?

ピボットとは

ピボットは、テクニカル分析で活用できる指標の一つです。

主に株価の値動きを予想するもので、サポートライン・レジスタンスラインを見極める際に活躍します。

主に6~7本で構成され、前日の高値・安値・終値をもとに値動きを予想していくのがピボットです。

前日の高値・安値・終値が元ですから、デイトレードの方向けの指標といえます。

その日のうちにトレードの参考にしたほうがいいわけですね。

上図の線が切れているのは、日をまたいでいるタイミングです。

ツールによって見え方は違いますが、今回は「TradingView」のピボットで解説していきます。

ピボットを構成しているライン一覧

ピボットでは複数のラインとロウソク足の位置関係を見ていく必要があります。

ツールによって表示名も変わるため、位置を見比べながら確認してみてください。

ピボットを構成するラインは以下の通りです。

名称 意味・活用法
HBOP(R3)
  • High Breakout Pointの略
  • 上抜けた場合は勢いがかなり強い
  • 上抜けたら買い(順張り)
抵抗線2(R2)
  •  上がってきた株価が抵抗を受けるライン(反落)
  •  触れたら売り(逆張り)
抵抗線1(R1)
ピボットポイント(P)
  • 中心となるライン
支持線1(S1)
  • 下がってきた株価がサポートを受けるライン(反発)
  • 触れたら買い(逆張り)
支持線2(S2)
LBOP(S3)
  • Low Breakout Pointの略
  • 下抜けた場合は勢いがかなり強い
  • 下抜けたら売り(順張り)

ツールによっては、ピボットポイントのラインがないものもあります。

HBOP

HBOPは「High Breakout Point」の略です。

株価がHBOPを上抜けた場合、買いの勢いがかなり強いことを示します。

つまり、HBOPを上抜けたら買いのサインというわけですね。

抵抗線

抵抗線は、その名の通り上昇してきた株価が抵抗を受けるラインです。

レジスタンスラインともいい、抵抗線に触れたタイミングで株価が反落する可能性があります。

2本のどちらかに株価が近づいてきたら、上昇から下落に転じるかもしれないと注意をしておきましょう。

支持線

支持線は、下がってきた株価がサポートを受けるラインです。

サポートラインともいい、下がった株価が支持線に触れたタイミングで反発する可能性があります。

上昇のきっかけになるラインですから、タイミングを見極めて買いを入れたいラインです。

LBOP

LBOPは「Low Breakout Point」の略です。

株価がLBOPを下抜けた場合、売りの勢いがかなり強いことを示します。

さらに下がることが予想されるため、売りのサインといえますね。

現在の勢いがわかる

ピボットでは、株価の勢いを予測することができます。

どのラインに触れているから、上昇トレンド・下降トレンドと分析できるわけですね。

前日のデータがもととなっているため、その日の値動きがどうなるか予測したいときに参考になります。

反発・反落のポイントがわかる

ピボットは、反発・反落のポイントとしても目安になります。

ラインに対して価格が近づいてきたら、ライン付近で転換するかもしれないと分析できるのです。

ピボット,反発反落

支持線1に近づいてきたからそろそろ反発するかも、抵抗線2は超えられそうにないかも…などの予想をたてられるわけですね。

短期向けのテクニカル指標

ピボットは短期向けのテクニカル指標です。

前日のデータをもとに当日の値動きを予測するわけですから、見る期間が長くなればなるほど、予測の精度は落ちていきます。

どの時間足で見るかによって、ピボットの信頼度は変わってしまうのです。

週足で見るのではなく、5分足などで見るデイトレードにオススメの指標ですよ。

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ピボットの使い方

ピボットの具体的な使い方をまとめました。

正しい使い方をマスターしなければ、利益を積み重ねていくことはできません。

初心者でも使いやすいよう、シンプルな買い時・売り時をご紹介します。

基本的に一番外側のラインに触れたら順張り、それ以外は逆張りと覚えてください。

支持線に触れたら買い

ピボットの支持線にローソク足が触れたら、買い時です。

ピボット,支持線,買い時

支持線で反発する可能性が高いため、そこで買いを入れれば上がった分だけの利益を狙いに行けるわけですね。

実際に、上図では支持線1で反発し、株価が上昇していっています。

HBOPを上抜けたら買い

ピボットのHBOPを上抜けたら買いを入れましょう。

ピボット,HBOP,買い時

HBOPを上抜ける場合は、それだけ上昇の勢いがあると判断できるため、順張り、つまり買いを入れるのがオススメ。

上昇トレンドに乗り遅れないよう、逃さないようにしたいですね。

抵抗線に触れたら売り

抵抗線にローソク足が触れたら、売り時といえます。

ピボット,抵抗線,売り時

上図の場合、抵抗線2に触れてから大きく下落していることがわかります。

触れたタイミングで空売りを入れれば、下落分だけ利益を狙いに行けますね。

支持線1・支持線2でまた反発する可能性もありますから、手仕舞いのタイミングもそのあたりを意識するといいでしょう。

LBOPを下抜けたら売り

LBOPにローソク足が下抜けたら、売りを入れましょう。

ピボット,LBOP

LBOPを下抜けるほど、売りの勢いがあるため、下降トレンドが発生していると考えられます。

あとは下降トレンドに乗るように順張りでトレードをすればOKです。

空売りをしておけば、下がった分だけの利益を狙えます。

下落相場でも稼げる方法とは?空売りでトレードの機会を広げよう

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ピボットの注意点

ピボットを使う上で注意しておきたいポイントをまとめました。

間違った分析をしてしまわないように、注意して使うようにしてください。

ツールによって見え方が異なる

ピボット,ツール

ピボットは、使うツールによって見た目が大きく異なります。

上記は、「TradingView」と「MARKETSPEEDⅡ」それぞれのピボット。

見比べると、同じ指標には見えないですよね。

実際、活用しようと思っても、見え方が違いすぎて難しいのが現実です。

自分に合ったツールを選ぶようにしましょう。

中長期には不向き

ピボットは前日のデータを使っているため、中長期の分析には不向きです。

日足・週足・月足と、分析の範囲が広くなればなるほど精度は落ちてしまいます。

中長期に使いたい場合は、ピボット以外のテクニカル指標を活用しましょう。

ピボットは、あくまでも短期でのトレードで活躍する指標ですよ。

基本逆張りでトレンド発生時は順張りがオススメ

ピボットを使用する際は、基本逆張りで考えるようにしましょう。

反発・反落の目安としてみるのです。

一方、トレンドが発生するほどの勢いを確認したのであれば、順張りで考えましょう。

HBOP・LBOPを超えるレベルであれば順張り、それ以外は逆張りがオススメです。

ピボットだけでトレードはしない

ピボットは短期のトレードで活躍する指標ですが、それだけに頼らないようにしましょう。

一つの指標だけでみるよりも、複数の指標を使って分析したほうが精度は上がります。

トレンドを測る指標、相場の過熱感を測る指標、組み合わせていくことで、より自信を持ってトレードを行えるようになります。

トレードの根拠が多ければ多いほど、成功・失敗どちらの結果になったとしても、今後の糧につながりやすいですよ。

上ヒゲ陽線とは?相場の転換点を見極めて勝つための買い時・売り時

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ピボットと合わせて使いたい指標・シグナル

ピボットと合わせて使いたい指標・シグナルをまとめました。

実戦的な使い方も合わせてご紹介します。

利益を積み重ねるためにも、自身のトレードに活かしましょう。

移動平均線

移動平均線で、全体のトレンドを確認しつつピボットを活用しましょう。

ピボット,移動平均線

例えば、20日移動平均線の傾き具合から、相場の方向性が掴めます。

HBOPを突き抜けたとしても、相場が上昇傾向にあるかどうかで、その後の上がり具合も変わる可能性は高いです。

トレンドの信頼度を測るためにも、移動平均線と組み合わせてみていきましょう。

【プロ直伝】移動平均線の最適な設定値とは。設定変更の方法についても解説します

フィボナッチ

フィボナッチは、ピボット同様、反発・反落の位置を予想するのに適したテクニカル指標です。

ピボットと合わせて使うことで、より反発・反落の予想精度を高められます。

大きな値動きの反発・反落をフィボナッチで見つつ、細かな値動きはピボットで見ていくのがオススメ。

フィボナッチの正しい使い方は、下記記事を参考にしてください。

株式投資におけるフィボナッチとは?初心者でもできる使い方を解説

RSI

ピボット,RSI

相場の過熱感を測るRSIも、ピボットと組み合わせて使いたい指標です。

RSIでは、買われすぎか売られすぎかを判断できます。

具体的には、RSIが70を超えたライン(買われすぎ)かつ、抵抗線が近づいていれば、値動きは反落する可能性が高いです。

逆にRSIが30を下回ったライン(売られすぎ)で支持線と近づいていれば、値動きは反発する可能性が高くなるわけですね。

【相場流】下半身・逆下半身

下半身

相場流の技術、下半身・逆下半身は、トレンドが始まるシグナルです。

5日移動平均線を、陽線が実体の半分以上突き出していれば下半身、逆に陰線が実体の半分を下へと突き出していれば逆下半身となります。

ピボットの場合、必ずしもラインで反発・反落するとは限りません。

そういった場合に、下半身・逆下半身を目安に加えることで、より値動きに対応できるようになります。

また下半身・逆下半身はトレンドが始まるシグナルでもありますから、相場の方向性を掴んだうえでピボットを使えるようになりますよ。

【相場式株技術用語】下半身・逆下半身とは?株初心者にもわかりやすく解説します

講座

まとめ

ピボットは、サポートライン・レジスタンスラインを見極める際に役立つテクニカル指標です。

とはいえ、ピボットだけで分析せずに、複数の指標・シグナルを合わせて使うのがオススメ。

トレードでの勝率を上げるためにも、ピボットの正しい使い方を押さえつつ、他の分析手法もマスターしていきましょう。

私たちが運営している株塾では、さまざまな株の技術を伝えています。

トレードの選択肢を増やしていくためにも、ぜひ株塾で技術を磨いてみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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