NASDAQとはどんな市場?S&P500やNYダウとの違いも解説

「NASDAQとはどんな市場なんだろう」と疑問に思っていませんか?

投資をはじめたばかりの方にとって、NASDAQは聞いたことがあるものの、どのような市場なのかわからないという方が多いようです。

そこで今回は、NASDAQの基本的な概念から、S&P500やNYダウとの違いについて詳しく解説します。

本記事を読むと、初心者の方でもNASDAQについて理解が深まります。

ぜひ、最後まで読んで理解を深めてみてください。

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目次

NASDAQとは

NASDAQについて理解を深めるために、まず基本的な概要から確認していきましょう。

NASDAQを理解する上で重要なポイントは、以下のとおりです。

  • NASDAQとは
  • ハイテク企業が多い理由

それぞれ詳しく解説します。

NASDAQとは

NASDAQは、世界で初めて電子取引システムを導入した革新的な株式市場です。

正式名称は「National Association of Securities Dealers Automated Quotations」で、1971年に設立されました。

従来の株式取引では証券会社の担当者が電話や対面で取引を行っていましたが、NASDAQはコンピューターネットワークを使った自動取引システムを世界で初めて採用しました。

電子取引システムにより、取引コストの削減や市場の透明性向上を実現し、現代の株式市場の基盤を築き上げました。

現在では、アメリカの主要な株式市場の一つに位置づけられ、特にテクノロジー企業の上場先として高い知名度を誇っています。

ハイテク企業が多い理由

NASDAQにはNYSE(ニューヨーク証券取引所)など、ほかの市場と比べて多くのハイテク企業が上場しています。

なぜ多くのハイテク企業がNASDAQに上場しているのかというと、ほかの株式市場と比べて上場しやすいからです。

たとえば、上場時の最低株主数などの最低基準が低かったり、上場のための手数料もほかの市場と比べて安かったりします。

そのため、成長段階のハイテク企業にメリットが大きいので、NASDAQには多くのテクノロジー企業が上場しています。

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NASDAQ指数とは

NASDAQ指数とは、NASDAQ市場に上場する銘柄の価格動向を表す株価指数の総称です。

NASDAQ指数には、主に以下の2つが代表的な指標として利用されています。

  • NASDAQ100指数
  • NASDAQ総合指数

ちなみに、通常NASDAQ指数というとNASDAQ100を指す場合が多いです。

それぞれの特徴を詳しく解説します。

NASDAQ100指数

NASDAQ100指数とは、NASDAQ市場に上場する非金融銘柄の中から時価総額上位100銘柄で構成される株価指数です。

たとえばApple、Microsoft、Amazon、Googleなどの大型テクノロジー企業が主要構成銘柄となっています。

そのため、世界のテクノロジー業界の成長性を反映した指数として投資家から関心が高いです。

NASDAQ100指数は、投資信託やETFの運用ベンチマークとして広く活用され、個人投資家でも間接的に投資ができます。

ですが、NASDAQ100指数はテクノロジーセクターの集中度が高く、比較的値動きが激しいので投資する際は注意が必要です。

四半期ごとの構成銘柄見直しにより、市場環境の変化に対応した指数運営が行われているのも特徴の一つです。

NASDAQ総合指数

NASDAQ総合指数とは、NASDAQ市場に上場するすべての銘柄(3,000銘柄以上)で構成される株価指数です。

NASDAQ100指数と比較すると、より多様な業種が含まれているため、市場全体の動向をより包括的に捉えることが可能です。

また、小型株から大型株まで幅広い銘柄で構成されているので、NASDAQ市場の実態をより正確に表しています。

そのため、NASDAQ市場全体の健全性や成長性を評価するための重要な指標として、多くの投資家に活用されています。

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NASDAQ市場に上場する銘柄

現在約3,000社以上の企業がNASDAQ市場に上場し、その多くがテクノロジー関連企業として世界経済の成長を牽引しています。

NASDAQ市場に上場している主要な上場企業は、以下のとおりです。

企業名 ティッカー 主な業種
NVIDIA Corporation NVDA 半導体
Microsoft Corporation MSFT ソフトウェア・テクノロジー
Apple Inc. AAPL コンシューマーエレクトロニクス
Amazon.com, Inc. AMZN EC・クラウドサービス
Alphabet Inc. GOOGL インターネットサービス
Meta Platforms, Inc. META ソーシャルメディア・テクノロジー
Tesla, Inc. TSLA 自動車・テクノロジー

 

NASDAQは成長段階の企業から時価総額数兆円の巨大企業まで、規模の幅が広いのが特徴です。

アメリカ企業だけでなく、世界各国の企業も上場しており、国際的な取引所としての性格を持っています。

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NASDAQとS&P500の違い

S&P500は、アメリカの代表的な大型株500銘柄で構成される指数です。

NASDAQ指数との大きな違いとして挙げられるのは、銘柄の選定方法です。

S&P500は、NASDAQとNYSEの両方の取引所に上場する企業が算出対象ですが、NASDAQ指数はNASDAQに上場している銘柄のみで構成されます。

また、セクター構成比率においてS&P500は金融、ヘルスケア、工業など幅広い分野に分散されています。

対してNASDAQ指数は、テクノロジーセクターの比重が高いです。

投資リスクの観点からみると、S&P500は分散効果によりリスクが抑制されていますが、NASDAQ指数は特定セクターへの集中によりリスクが高めとなっています。

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NASDAQとNYダウの違い

NYダウは、30銘柄のみで構成されたアメリカの代表的な株価指数です。

NYダウは30銘柄のみで構成されているのに対し、NASDAQ指数は数百から数千の銘柄で構成される点で大きく異なります。

また、産業構成の面でみるとNYダウは伝統的な優良企業が中心であるのに対し、NASDAQ指数は新興テクノロジー企業が多いのが特徴です。

そのため、資産運用の対象として考えるならNYダウは安定性を重視する投資家に向いており、NASDAQ指数は成長性を求める投資家に適しているといえるでしょう。

なお、NYダウを算出する際は、株価平均という株価が高い銘柄ほど指数に与える影響が大きくなる方法で計算されます。

NASDAQ指数の算出方法である加重平均は、時価総額が大きい企業ほど指数へ与える影響が大きくなります。

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NASDAQがどんな指標なのか知りたい人によくある質問

NASDAQがどんな指標なのか知りたい人によくある質問をまとめました。

  • NASDAQに投資する方法は?
  • NASDAQに投資する際の注意点は?

それぞれ解説します。

NASDAQに投資する方法は?

NASDAQに投資するためには、以下の方法が挙げられます。

  • 投資信託
  • ETF
  • CFD

それぞれ特徴があるのでみていきましょう。

投資信託

NASDAQに投資するなら、投資信託を活用して投資する方法があります。
たとえば、以下の商品は国内で人気です。

  • 楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド
  • eMAXIS NASDAQ100インデックス
  • iFreeNEXT NASDAQ100インデックス

証券口座を開設し、入金後に希望の投資信託を選択して積立設定をすれば、あとは自動的に資産形成が進みます。

100円から自動積立できる証券会社も多いため、投資初心者の方でも手軽にNASDAQへ投資できます。

ETF(上場投資信託)

NASDAQへ投資する場合、ETF(上場投資信託)を活用すると手軽に投資できます。

ETFとは、株式市場に上場している投資信託です。

NASDAQ指数などの特定の指数に連動するよう運用され、個別株と同じように取引所で売買できる金融商品です。

代表的なETFには、以下の商品があります。

  • iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)【2840】
  • iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジあり)【2841】

ETFは投資信託と違って個別株のように購入するタイミングを自分で選べるので、市場の動きに合わせて柔軟に取引したい方に適しています。

CFD(差金決済取引)

CFD(差金決済取引)を使えば、レバレッジを効かせた投資が可能です。

レバレッジとは、証拠金に対して何倍もの金額の取引ができる仕組みです。

NASDAQ100のCFDの場合、10倍のレバレッジを活用できる証券会社もあります。

CFDは、少ない資金で資産運用効果を高めやすく、ほぼ24時間(土日除く)取引できる点が魅力です。

また、上昇局面だけでなく下落局面でも利益を狙えます。

ただし、レバレッジ取引は損失拡大のリスクがあるため、資金管理と取引ルールの徹底が不可欠です。

NASDAQに投資する際の注意点は?

NASDAQに投資する際は、特有のリスクや市場特性を理解するのが重要です。

たとえば、NASDAQはハイテク企業が多く値動きが激しい特徴があります。

2022年のS&P500の下落率は約27%にとどまりましたが、NASDAQ総合指数は年間で約36%下落しました。

NASDAQとはどんな市場?S&P500やNYダウとの違いも解説

上記の例のようにNASDAQは、ほかの市場と比べてリスクが大きい傾向があります。

NASDAQへの投資は、値動きが大きい特徴があるためリスク管理や分散投資を意識しておくのが大切です。

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まとめ

今回は、NASDAQの基本概念から投資方法まで詳しく解説しました。

NASDAQは世界初の電子取引システムを導入した革新的な株式市場で、特にテクノロジー企業の上場先として重要な役割を果たしています。

投資信託、ETF、CFDなど複数の投資手段があり、手軽に誰でもNASDAQ指数に投資できます。

ですが、NASDAQはテクノロジーセクターの比重が高く値動きが激しいです。

そのため、リスク管理と分散投資を意識した運用が重要であることを理解しておきましょう。

今回の知識を実際の投資判断に活かし、資産形成に役立てていただければ幸いです。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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