近頃、セミリタイアや早期リタイアなどの言葉をよく耳にするようになりました。
ドラマやワイドショーなどでも取り上げられているので、なんとなくの意味はイメージがつきやすいと思います。
では「FIRE(ファイヤ)」という言葉をご存じでしょうか。
FIREとは、2010年頃から欧米の20代〜30代の間で、新しいライフスタイルを指す言葉として定着し始めました。
近年日本の若者の間でも、働き方改革の波に乗りFIREを目指す人がSNSで話題となりつつあります。
そこで今回は、FIREについてこれまでの日本のリタイアとは何が違うのかを詳しく紹介をしていきます。
この記事でわかること
- FIREについて
- 日本のリタイアとFIREの違いについて
- FIREは実現可能なのか
FIREとは?
FIREとはFinancial Independence Retire Earlyの頭文字を取った、経済的自立を目指して早期退職を行うことです。
経済的自立と聞くと、「働かなくても困らないぐらいに貯蓄をしっかりとしてから早期退職をして自由に暮らす」と聞こえてしまうかもしれません。
しかしFIREは少し考え方が違います。
FIREはブランド物や家や車が好きなだけ買える大金持ちを目指すわけではなく、生活に困らない程度の稼ぎであくまでも心が豊かな生活を目指しているのです。
近いもので例えるならば、日本でも流行っている「丁寧な暮らし」や「ミニマリスト」を上げられます。
丁寧な暮らしは、家族やパートナーとの時間を大切にしたり、味噌を手作りしてみたりなど、あえてアナログの生活に戻すことで暮らしを豊かにすることに意識が向けられています。
このようにFIREは、残りの人生を普通に暮らせるだけの資金を準備して会社を退職し、お金のために働くという人生から脱却することを目的とした早期リタイアのことです。
お金のために一生会社勤めを続けるのではなく、20代のうちから30代や40代のうちに早期退職を目指す若者が増えています。
では実際にFIREはどのように行うのか、日本でよく言われるリタイアとは何が違うのかを紹介します。
経済的に独立をして早期退職する
少し難しい話になりますが、FIREには以下のルールが存在します。
・年間支出の25倍の資産を築き、年利4%の運用費で生活をする
例えば、年間の支出が240万円だった場合に25倍の資産である6,000万円を貯める必要があります。
6,000万円を年利4%で運用すれば1年間に240万円の利益が生まれるため、ちょうど生活費を賄うことができるという計算です。
このルールをFIREでは4%ルールと呼びますが、運用益までを考えて米国で実現可能と思われているのは米国株の成長率にも関係があります。
米国大型株を集めた株価指数であるS&P500などは年間平均7~10%程度の成長をしており、米国株に投資をしているだけで年利4%を実現することができるのです。
そのため若い世代の間で、実現可能な早期リタイアとしてFIREは米国で流行りました。
日本で考えられていたリタイアとの違い
日本でよく言われているリタイアは、「働かなくても暮らしていけるだけの十分な資産を形成してから退職すること」と位置づけられており、明確な資産額が提示されることが少ないのですが、多くのイメージでは数億円が想定されています。
このように、日本で考えられてきたリタイアの多くは築くべき資産が多すぎましたが、FIREは年間支出の25倍の資産と年利4%の運用というわかりやすいルールがあるため、日本でも流行りつつあります。
他にもちょうど、冒頭にお伝えしたミニマリストや必要なお金があれば十分暮らせるという考えが普及してきたこともあり、FIREは広がりを見せているのです。
サラリーマンが株をする時間はいつ?効率的に利益を上げるためのトレード時間とは
FIREは日本でも実現できるのか?
FIREのルールを知ると、自分にはやっぱり無理だと諦める気持ちが出てきてしまうのではないでしょうか。
そもそも6,000万円を用意することが容易ではなく、現実的に可能ではないように思えます。
しかし、日本でも運用次第でFIREは実現することができます。
米国で流行を見せたFIREを、ここからは日本でどのようにすれば実現できるのかを紹介していきます。
FIREは年利4%の運用益をルールとしている
FIREを実現するためにはまず、自分の年間の生活費を算出しなければなりません。
毎月いくら使っているのか、税金にいくら支払っているのかを計算し年間支出×25で必要な資産を出しましょう。
後は自分の年収から何年で必要資産を貯めることができるのか、どうすれば早く貯められるのかを考えるようにします。
ここで、日本でFIREを実現するためには運用が問題となります。
米国では年間7%~10%の株価の成長率があるため、株の長期投資で年利4%は達成できる可能性があります。
しかし日本の場合だと、日経平均株価はアベノミクスなどの影響もあり直近はかなりの株価上昇がありましたが、過去から現在の平均利回りは1.2%程度しかありません。
つまり日本株を買っておくだけの長期投資では4%を達成することは難しいのです。
株式投資のトレードを味方につける
日本でFIREを実現するためには、資産形成時と資産形成後の運用が必須と言えます。
FIREの4%ルール同様に、最低でも4%の年利を目指すのが理想的です。
米国の若者のように、株を買って長期保有しているだけでは年利4%を実現するのは難しいでしょう
そこで日本でFIREを目指すのであれば、日本株の売買を行いトレードで利益を積み重ねていく運用が必要となります。
株式投資は株を買って株価が上がるのを数年待つ方法(長期投資)もありますが、株価のチャートを分析して上がりそうな局面や下がりそうな局面を狙いトレードで利益を上げることもできるのです。
日経平均株価の利回りが低いのであれば、個別の日本株で上昇もしくは下落しそうな銘柄を見つけてトレードを行うことで、年利4%を達成することは可能になります。
つまりFIREを実現するために株式投資はおすすめであり、資産を貯めると同時に株の勉強をしていくのが良いでしょう。
もちろん、年利4%は年間必要生活費と利回りにおいて同額となるため、株の技術を高めて年利6%や年利7%を狙って行くと、安全なFIREを実現することができます。
株式投資のトレードについては株は本当に儲かるのか?初心者でも安定して稼げる方法を紹介を参考にしてみてください。
まとめ
- FIREは米国で流行っている運用で生活費を賄う早期リタイア
- 日本のリタイアは金額やルールが明確ではないが、FIREは4%ルールがある
- FIREは日本でも運用次第で実現可能
いかがでしたでしょうか。
FIREは若いうちにリタイアを目指すため、いかに早く必要資産を貯められるかが勝負となります。
資産運用を行うことが必須になりため、すぐにでも勉強に取り掛かった方が良いでしょう。
しかしお金だけに固執しないのがFIREの考え方であり、家族やパートナーとの時間や暮らしにきちんと目を向け、豊かな人生を送るためにはどうしたら良いのかということをよく考えてみてください。
ちなみに日本でのリタイア事例を紹介しましたが、他にもセミリタイアと言う考えもあります。
セミリタイアは完全なリアタイアではなく、資産を貯めて必要な生活費は投資や簡単な労働で稼ぐという考えです。
FIREと似ている考えでもあるためよければ「サラリーマンがセミリタイアをするには?どのような方法があるのか紹介します」の記事を参考にしてみてください。
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。