首吊り線とは?だましに合わないための見極め方を解説

首吊り線

首吊り線は、ローソク足の特徴的な形の一つです。

そんな首吊り線を使いこなして、株で大きな利益を出したいとは思っていませんか?

トレンド転換を示す首吊り線は、大きなリスクをはらんでいるといえます。

むやみに手を出せば、多額の損失を抱える結果になりかねません。

首吊り線とうまく付き合うためにも、どのタイミングで利確すべきか、エントリーするなら買いなのか空売り

なのかを見極める方法を身につけましょう。

そこで今回は、首吊り線の見極め方や合わせて使いたい指標・テクニックを徹底解説。

アジア最大の投資塾である「株塾」の運営者である私たちが、株のプロとして首吊り線とは何かをお伝えします。

今まさに首吊り線を目の前にしているのであれば、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

首吊り線とは

首吊り線とは

首吊り線は、上図のように下ヒゲが長いローソク足のことを指します。

高値圏に出現する場合のみ首つり線と呼び、高値圏でなければ「カラカサ」と呼ばれます。

陽線か陰線かは関係ありません。

基本的に、保有している銘柄で首吊り線が出現したら、すぐに利益確定を検討しましょう。

また保有していない銘柄の場合は、株価下落を見越して空売りする手が考えられます。

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高値圏に出現する長い下ヒゲ付のローソク足

株価が上昇トレンドにあって、高値圏に到達したときに出現する長い下ヒゲ付のローソク足を、首吊り線といいます。

前日の終値から差をつけた始値からスタートし、そこから大きく下落したものの、最終的には始値付近に戻っているような値動きです。

本体部分は小さく、下ヒゲが本体の2倍以上の長さとなります。

市場が弱気になっていることを示す

首つり線の出現は、市場が弱気になっていることを示します。

それまで買いの勢力が強く、上昇を続けて高値圏まで来たのに、始値から大きく下落して安値をつけています。

それだけ売りが多くなってきており、市場は弱気になっているのです。

「ここまで上がってきたからそろそろ利益確定のために売ろう」「下がり始めるだろうから空売りしよう」といった投資家たちが増えている状況です。

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上昇トレンドから反転下落の可能性高

首つり線は、上昇トレンドから反転下落の可能性を示します。

売りの勢力が強くなり、買いを上回ることで「下降トレンド」に転換していくわけです。

まさに反転するわけですから、売買のタイミングを見極めていく必要があります。

ここで買いを入れるのは自殺行為という意味

首つり線は、「ここで買いを入れるのは自殺行為」という意味からその名がついています。

それほどリスクをはらんでいるローソク足であり、株価下落の可能性が高いのです。

首つり線で買いを入れてしまえば、その後上がることなく株価が下落し、損失がどんどん膨らんでいってしまうかもしれないわけですね。

高値圏に出現することもあって、下落幅も大きいですから「買い」は避けておきましょう。

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首吊り線の信頼度を確かめる7項目

首つり線で損失を出さないためにも、信頼度を確かめる7項目をまとめました。

当てはまる数が多いほど、首吊り線としての信頼度は高くなります。

首吊り線の信頼度を確かめる7項目は以下の通り。

  • 上昇トレンドが発生し高値圏に出現しているか
  • 始値・高値・終値が近いか
  • 上ヒゲがない・ほとんどないか
  • 下ヒゲが本体の2倍以上あるか
  • 始値が前日の終値より高い
  • 陽線か陰線か
  • 出来高が多いか

一つずつチェックしていきましょう。

上昇トレンドが発生し高値圏に出現しているか

首吊り線,見極め方①

上昇トレンド後の高値圏に出現しているかを確認しましょう。

高値圏でなければ、首吊り線ではなくカラカサです。

また上昇トレンドがあるかどうかも要チェック。

トレンド転換のきっかけとして首吊り線は出現しますから、上昇してきていなければそれだけ切り替わる可能性は低くなります。

始値・高値・終値が近いか

首吊り線,見極め方②

始値・高値・終値の数値が近いどうかを確認しましょう。

近いほど、ローソク足の本体部分は短くなり、その分下ヒゲの割合が増えます。

また始値・終値の数値が近いということは、それだけ買いと売りが拮抗している状態ともいえます。

これまで買い優勢だったところが、売り優勢に切り替わる前兆となるわけですね。

上ヒゲがない・ほとんどないか

上ヒゲがない、あるいはほぼないかどうかを確認しましょう。

上ヒゲがないということは、それだけ売りの抵抗が強いことを示します。

首つり線の形の特徴にあっているかはきちんと確認しておきたいですね。

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下ヒゲが本体の2倍以上あるか

下ヒゲが本体の2倍以上あるかチェックしてみましょう。

下ヒゲは長ければ長いほど、株価下落の可能性は高いといえます。

首つり線の一番の特徴ともいえる部分ですから、下ヒゲの長さは必ず押さえておきましょう。

始値が前日の終値より高い

首吊り線,見極め方③

始値が前日の終値より高いかどうかも見ておきたいポイント。

前日の終値より始値が高いということは、市場が始まった時点では買いの勢いが強かったことを示します。

しかしそこから大きく下がっているわけですから、「その価格は高すぎる」「ここまで来たなら売ろう」と考える投資家が多いともいえますね。

陽線か陰線か

陽線か陰線かも、首吊り線としての強さを見極めるためにチェックしておきましょう。

どちらでも首吊り線になりますが、陰線であればより市場は弱気であるといえます。

陰線ということは、その日売りの勢いのほうが強い状態で終わったということでもありますね。

つまり、それだけ株価下落の可能性は高くなるのです。

出来高が多いか

出来高が多いかどうかも、首吊り線の信用度に関わってきます。

出来高10万株以上であれば、信用度は高いといえるでしょう。

取引している数がそれだけ多ければ、勢いもあると読み取れるわけですね。

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首吊り線のだましに注意

首つり線が出たからといって、必ずしも下落するとは限りません。

いわゆる「だまし」というやつですね。

首つり線が出たから下がると思って、空売りを入れたのに上昇してしまえば損を被ることになります。

だましに合わないよう、きちんと見極めるようにしましょう。

テクニカル分析が意味をなさないこともある

だましにあってしまう場合は、大抵「テクニカル分析が意味をなさなくなっている」状態である可能性が高いです。

株価を吊り上げようと意図的に動かしている仕手株であれば、首吊り線が出たとしても株価は下がらず上昇し続けます。

またSNSなどで「この銘柄は売らずにホールドし続けよう」という風潮ができていれば、利確をする投資家が少ないため株価は下落せず、上昇となります。

テクニカル分析では読み取れない情報もチェックしておくと安心ですね。

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首吊り線の翌日どうなるかを注目しよう

首吊り線の翌日どうなるかに注目して、どう対処するか決めていきましょう。

首吊り線が出現した翌日のローソク足も含めることで、より今後の株価を分析できますよ。

翌日に上昇した場合は要検討

翌日上昇するようなら、株価下落の可能性は高いとは言えません。

利確・空売りすべきかは、さらにほかの分析手法を使って検討したいところです。

首吊り線が出たとしても、上昇トレンドが終わらない可能性があります。

翌日上昇した例

スマートドライブ(5137)の例を見てみましょう。

スマートドライブ,首吊り線

上昇トレンドが発生している中、首吊り線が出現しています。

その翌日陽線が出現、さらに大陰線が出ていますが、下降トレンドになるわけではなく再度上昇していますね。

首吊り線をきっかけに下降トレンドにはならなかったことがわかります。

翌日下落した場合はトレンド転換

翌日下落するのであれば、トレンド転換したと考えてよいでしょう。

特に首吊り線の終値を、翌日の終値が下回っていれば「下落した」と明確にいえます。

下降トレンドに切り替わる可能性は高いですから、利確・空売りを検討しましょう。

翌日下落した例

コパ・コーポレーション(7689)の例を見てみましょう。

コパ・コーポレーション,首吊り線

首吊り線の翌日、陰線が出現し下降トレンドに切り替わっていることがわかります。

首吊り線の下ヒゲ部分も長く、信頼度は高かったといえますね。

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首吊り線と合わせて使いたい指標・テクニック

首吊り線だけで株価を予想することは難しいです。

首吊り線と合わせて使いたい指標・テクニックをまとめました。

分析精度を上げるためにも、情報はできるだけ集めていきましょう。

ダウ理論

ダウ理論

ダウ理論は、トレンドを見極めるために活用できます。

首吊り線が出るまでに上昇トレンドとなっているか、ダウ理論から考えられるのです。

基本的に、ダウ理論では安値を更新せずに高値を更新すれば上昇トレンド継続といえます。

つまり、首吊り線が出たうえで「高値を更新せずに安値を更新」していればトレンドが転換したと分析できるわけです。

RSI

RSIは、買われすぎ・売られすぎを判断する指標です。

数値が高ければ高いほど「買われすぎ」となり、株価下落の可能性も高くなります。

コパ・コーポレーション(7689)に例を見てみましょう。

首吊り線,RSI

首吊り線が出た日、RSIが高くなっていることがわかります。

数値は88、普段と比べればかなり高いですね。

つまり買われすぎていると判断でき、首吊り線と合わせて「株価下落の可能性が高い」と判断できます。

【相場流】逆下半身

相場流の技術である「逆下半身」は、移動平均線とローソク足から確認できるシグナルの一つです。

株価下落を示しており、5日移動平均線をローソク足の実体が下半分以上突き出している状態を指します。

下半身

首吊り線が出たうえで、「その後逆下半身になるかどうか」を確認してから動くとより分析の精度は高まります。

【相場式株技術用語】下半身・逆下半身とは?株初心者にもわかりやすく解説します

【相場流】9の法則

9の法則は、相場流の技術の一つで「トレンドは9日間続く」という法則のことです。

9の法則

必ずしも9日間とは限りませんが、一つの目安として覚えておきましょう。

首吊り線が、トレンドが形成され始めてから7~8日目付近に出現していたら要注意。

上昇トレンドの終わりは近いと考えて、注視しておきましょう。

【相場流株技術用語】9の法則とは?忘れがちな株技術をあらためてチェック

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まとめ

首吊り線は、上昇トレンドから下降トレンドに切り替わる際に出現することが多いです。

高値圏・下ヒゲが長いなど、特徴を見極めつつ、トレードの参考にしましょう。

首吊り線が出れば100%株価下落となるわけではないですから、他の手法も使って分析しておくと安心です。

よりテクニカル分析を磨いていきたいなら、アジア最大の投資塾である株塾がオススメ。

ローソク足と移動平均線だけというシンプルなやり方で、利益を狙いに行けますよ。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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