みなさんは株のもみ合いが発生した際には、どのような取引をされるでしょうか?
もみ合いの値幅を狙う人もいるかもしれませんし、もみ合い時には手を出さないという人もいるかもしれません。
実際のところ、株のもみ合いが発生すると上昇もしくは下降の方向性が無いため負けてしまい、苦手としている投資家も多いのです。
株価の上昇や下降を予測する投資家にとって、方向性のない価格変動で利益を出すことはとても難しいと感じるのではないでしょうか。
しかし、株によってはチャートを確認してみると、上昇や下降トレンドが発生している時よりも、もみ合い時の方が多く発生している銘柄もあるため、投資を行う上でもみ合いは避けて通ることができないのです。
そこで今回は、もみ合い時にはどのような対処をすればいいのかを紹介します。
この記事でわかること
- 株のもみ合いについて
- 株のもみ合いが発生した時の対処法
- 負けやすい局面で取引をしないためには
株のもみ合いとは
株式のチャートは、大きく3つの局面で構成されています。
株価が上昇を続ける上昇トレンド、株価が下降を続ける下降トレンド、一定の値幅で変動を繰り返すもみ合い(レンジ)です。
このうち上昇トレンドと下降トレンドは、チャート上でも確認がしやすく右肩上がりもしくは右肩下がりのチャートを形成します。
しかしもみ合いは方向性が無いため、基本的に水平なチャートが形成されるのです。
分かりやすく説明すると、株価が900円と800円の間で行ったり来たりを繰り返しているようなチャートの状態なのです。
もみ合いを見ると、一定の値幅を行ったり来たりするチャートなので利益を狙いやすいように見えますが、苦手としている投資家が多く負けやすい局面でもあるのです。
株のもみ合い時には負けることが多い
株のもみ合いを苦手としている投資家が多く負けやすい局面であるのは、1回の取引で大きく値幅が取れずにもみ合いが発生していると気づきにくいためです。
もみ合い時の価格変動は狭い一定の値幅を繰り返すため、1回の取引で狙える値幅が少ないために、小さな利益しか得ることができません。
さらに、トレンドが発生している時のように、株価が上昇しているから買い、株価が下降しているから空売り、というセオリーで取引をしてしまうと負けてしまうこともあります。
上昇が確認できてから株を買うので、もみ合いの上限価格近くで買ってしまい、次の瞬間には下降をはじめてすぐに損失を抱えてしまうのです。
方向感がない動きをすることも多いため、上昇してすぐに下落、下落してすぐ上昇というような動きを見せることもあるため、その値幅で利益を狙おうとしても反対方向に株価が動いてしまうこともあります。
それと、もみ合いがチャートで形成されはじめても、すぐにもみ合いと判断することが難しいのです。
もみ合いは、トレンド終了後に形成されることが多く、もみ合いの局面に入っていたとしても、もみ合い中の価格変動がトレンドの方向と一緒であればトレンドが継続していると勘違いをしてしまうこともあり、気づきにくいのです。
もみ合いに気づかなければ、株価は上昇すると勘違いをし、もみ合いの上限価格近くで買ってしまう失敗に繋がってしまうかもしれない、ということになります。
もみ合いが終了時には大きく動き出す可能性がある
もみ合いの特徴として、もみ合い終了時であるトレンド移行時には大きく動き出す可能性があります。
もみ合いは一定の値幅を繰り返すため資金があまり動かず、エネルギーが貯められている状態となるのです。
その結果、もみ合い時の価格上限もしくは価格下限を突破して、トレンドを形成した際には貯められたエネルギーが放出されるように、大きい価格変動が起こりやすくなります。
もみ合いからのトレンド形成を狙っている投資家も市場参入をはじめるため、その変動はさらに加速をしていき大きなトレンドの形成につながっていくのです。
もし、もみ合い時からトレンドに移行した際に建玉を保有していた場合には、大きな利益につながるか大きな損失に繋がってしまう可能性もあるということになります。
初心者でもトレンドが読めるようになる!ライントレードを紹介します
株のもみ合い時の対処法
株のもみ合い(レンジ)は、どの銘柄においても必ず発生し、多くの投資家が負けてしまう要因となります。
そこで株のもみ合いが発生した時に、どのような対処を取るのかでトレードの成績が大きく変わってくるのです。
もみ合いは一見難しそうな場面に見えますが、一定の値幅でしか動かないという事を理解しておけば利益を狙えるチャンスにもなりますし、あらかじめもみ合いが発生した時の対処法を考えておけば難しい局面ではなくなります。
ここからは、もみ合い時にできる対処法を紹介していきます。
ちなみに、もみ合いがどのようなタイミング発生するのか知りたいという場合にはレンジ相場(そうば)とは?チャートの見方と株売買のタイミングの記事も参考にしてみてください。
もみ合い時の値幅で取引を行う
もみ合いはトレンドに乗った取引ができないため難しい局面だと紹介しましたが、もみ合いについて理解をし、値幅を予測することができればチャンスな局面として捉えることができます。
例えば、900円と700円の間でもみ合いが発生している際に、900円以上には上がらず700円以下には下がらないと予測することができます。
そこで900円付近まで株価が上昇した際には空売りで建玉を持ち、700円付近まで株価が下落した際には買いで建玉を持ち、それぞれの建玉で反対の値幅に近づいたときに決済を行う取引が可能です。
通常であれば、700円の株価から900円の株価に上昇した際には、トレンドが続くと予測し買い建玉を持つ場合が多いのですが、もみ合い時には900円以上上昇しないと予測を立てることができるので、反発確認後もしくは逆張りで空売りを仕掛けていくことができるのです。
このようにもみ合いと気づくことができれば、値幅を狙った往復の取引をもみ合いが終わるまで狙い続けることができます。
もみ合い時には手を出さないことも戦略の一つ
しかし、上記のような建玉には注意しておかなければならない点もあります。
それは、もみ合いの状況が終わり、株価がレンジを突破してしまうようなケースです。
このタイミングでエントリーしてしまうと、レンジを突破して株価がどんどん動いてしまう可能性もあるため、安易に「ここのもみ合いの上限(下限)で株価が反転するから」と建玉をしてしまうのは危険です。
そのため、そもそも取引を行うことが難しいもみ合い時には、手を出さないというのも一つの対策となります。
株の取引を行っていると、常にチャンスがないか探して常にポジションを持ってしまいがちですが、負けてしまう局面での取引を避けることも大切です。
上記のような状態は、ポジポジ病ともいえる状況なので、注意した方がいいかもしれません。
ポジポジ病についてはポジポジ病はなぜ起きるのか。原因と対処法を徹底解説の記事をご覧ください。
極端な例えとなりますが、トレンドが発生している際に取引をして勝てているのであれば、負けてしまう可能性があるもみ合い時に取引を行わないことで、勝率の高い投資家となることができます。
特に初心者の場合、勝ちにこだわりすぎて、もみ合い時のような負けやすい局面でも取引を行ってしまうため、自分の負けてしまう局面での取引を避けることが勝てるきっかけにもなるのです。
それと、もみ合い後には大きなトレンドとして値動きが発生するため、無理にもみ合い時に手を出さなくても、その後のチャンスを狙う方が勝率を上げることができます。
そのため、無理にもみ合いで手を出さずに、次のチャンスを待つことも一つの対策となるのです。
まとめ
- 株のもみ合いは一定の値幅で価格変動を繰り返す
- 株のもみ合いが発生した時には、値幅を狙った取引が可能
- 負けやすい局面を排除することで勝てる投資家に近づける
いかがでしたでしょうか。
株で取引を行う以上、避けては通れないのがもみ合いですが、値幅を狙った短期的な取引やもみ合い後の大きなトレンドでの取引はチャンスとなります。
しかし、もみ合い自体が発生を見極めることが難しく、取引を行うには難しい局面でもあるため、初心者などの場合は手を出さないというのも一つの手です。
無理に負けやすい局面で取引をしなくても、その後にチャンスが控えているので、そこまで待ってから取引を行う事も勝つためには重要なこととなります。
まずは、いろいろな株価チャートを見てみて、どのようなケースでもみ合いが発生するのか、もみ合いかどうか見極める目を養いましょう。
状況判断が正しくできるようになったうえで、もちろんもみ合いでチャンスを狙えるのであれば狙ってもいいですし、もみ合いを避けることも一つの対策となるので、今回の記事を参考にしてもみ合いを攻略していきましょう。
もみ合い以外の利益を狙いやすい局面は、トレンドが発生している状況などが挙げられます。
詳しくは、株のトレンドについて知る!テクニカルにおける上昇・下降トレンドとはの記事をご参照ください。
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。